「第9回TAMA映画賞」の授賞式が、11月18日、東京・多摩市のパルテノン多摩にて開催され、最優秀新進女優賞に土屋太鳳と石橋静河、最優秀新進男優賞に間宮祥太朗と高杉真宙が輝いた。
『トリガール!』『PとJK』『兄に愛されすぎて困ってます』『金メダル男』の演技を、「どの役にもひたむきに向き合い、あふれる笑顔と抜群の運動神経で演じ切る姿は観客の心を鷲づかみにした」と評価され受賞した土屋は、「映画の扉をたたいてから12年。少しずつ必死に扉をこじ開けた中で本当にたくさんの言葉に出会いました。温かい涙が心からあふれる言葉もあれば、冷たい何かが胸をえぐるような言葉もあり、いつの間にかでこぼこの心になっていました・・・」と声を詰まらせ涙をこぼした。「今回、受賞理由にいただいた言葉は、それでいいんだよと包み込んでくださるような、そして、これからの自分へ背中を押してくださるような言葉でした。この言葉を胸に、これから女優として歩いていきます」と潤んだ瞳を輝かせ、「作品を通して出会ったすべての人、すべての時間に心から感謝を伝えたいです」と続けて、会場の感動を誘った。
将来の目標を「どんな役でも演じきれる女優になりたいです。静かな役でも、激しい役でも人としての野生を感じられる演技を目指したいです」と語り、また12月16日公開の映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』を「ぜひ、ぜひ、ぜひ!見て頂けると嬉しいです!」とPRも忘れなかった。
『トリガール!』で共演した、間宮祥太朗と高杉真宙も最優秀新進男優賞に輝き、3人が壇上で再会。『トリガール!』『帝一の国』『劇場版 お前はまだグンマを知らない』『闇金ウシジマくん ざ・ファイナル』の演技で受賞した間宮は、「真っ直ぐでアグレッシブな役柄を、エネルギッシュ且つ繊細に演じて、観客をスクリーンに釘付けにした」と評価された。
「『帝一の国』で、まさかハーフ役をやるとは思いませんでした」と笑い、『トリガール!』の撮影現場では下の名前で呼び合っていたと明かす。「下の名前で呼んで、敬語はやめようと自分から言わせていただきました。『祥太朗』と呼んでもらったんですが、そういうエピソードを話しているうちにニュースとかで取り上げられて、土屋太鳳さんに下の名前で呼ばせることが、こんなに問題になるとは思っていませんでした…」と反響の大きさに驚き苦笑い。
また、この日は間宮初主演映画『全員死刑』の公開初日でもあったことから、「すごく幸せな日になりました。初めての主演映画の公開の日にこのような賞をいただけて、僕にとって人生で忘れられない日になると思います」と感激していた。
同じく『トリガール!』にも出演した高杉は、『逆光の頃』『散歩する侵略者』『トリガール!』『想影(おもかげ)』『ReLIFE リライフ』『PとJK』の映画が公開され、「過去の自分から脱皮して大人へと一歩踏み出す様を体現し、力強い眼差しや気概によって発せられる逞しさに心を奪われた」という評価理由で受賞。
「選んでいただき本当に嬉しく思います。ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べ、「改めてもっと頑張らなきゃなって、強く思いました」と気持ちを引き締める。さらに、「本当にたくさんの映画に出させていただき、めまぐるしくも充実した楽しい日々でした。昨年は、もっと、もっと・・・と貪欲に成長していきたいと思って頑張った。それで今年こうしてここに立っていられるんだなと思います」と振り返り、トロフィーを握りしめた。
“映画に愛される役者”を目標にしているという高杉。「もっと自分が映画を愛し、もっと色々な人に巡り合い、色々な作品に出たいと思います」と意気込んだ。
また、作品賞を受賞した『散歩する侵略者』では宇宙人役で出演。黒沢監督から「本当に真面目で熱心。チャラいというのの真逆。見た目がこうですから色んな役が回ってくると思いますが、芯のしっかりした青年です」と言われ照れ笑いを浮かべていた。
土屋と並んで最優秀新進女優賞を受賞した石橋は、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKS パークス』『密使と番人』の演技で、「心の揺らぎを繊細に表現して内面から輝きを放ち、確かな存在感は息の長い女優になっていくことを確信させた」と評価された。
石橋は、初主演作品『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』において、「初めての経験ばかりで戸惑うことが多かったけれど、現場で皆さんから刺激を受けながら必死で突っ走りました」と振り返り、「映画の現場が好き。自分の中に隠れてる弱さや強さを全部さらけ出せる女優さんになりたいです」と意欲を見せていた。
「第27回映画祭 TAMA CINEMA FORUM」
11月18日(土)~11月26日(日)まで開催。(11月20日は休映)
公式サイト:http://www.tamaeiga.org/2017