動画配信サービスU-NEXTとカンテレがタッグを組み、宝島社『このミステリーがすごい!』大賞の関連作品をドラマ化する『このミス』大賞ドラマシリーズ。中山七里原作の「連続殺人鬼カエル男」がシリーズ第4弾として、1月9日(木)よりカンテレにて地上波放送、10日(金)よりU-NEXT独占配信がスタートする。
本作は、無秩序に猟奇的な殺人を続ける殺人鬼“カエル男”の正体を暴き、逮捕するため奮闘する若き刑事・古手川と、ベテラン刑事・渡瀬の姿を映し出す、本格的サスペンスミステリー。
本作で主演の古手川役を演じた工藤阿須加にインタビューを遂行。本作で工藤自身が得たものとは? 本作の魅力と合わせ話を聞くことができた。
― 本作に出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。原作を読んだときの印象はいかがでしたか?
原作と台本を読んだときは、重厚感もあり緊張感もあり、かつスピーディーな展開で、サスペンス、ミステリー要素を含めながらも、ヒューマンな作品だなと感じました。前半はまだそこまで描かれていませんが、8話全部観てくださると、ミステリー、サスペンスなんだけど、すごくヒューマンが描かれています。古手川の成長を感じられますし、鶴見さん演じる渡瀬との関係性が濃く描かれていきます。
― このドラマを通して、ご自身の役者人生で新しく感じたことはありましたか?
今回、改めて、自分がこうして芝居できる環境を作りあげてくれている人たちがいるからこそだということを再確認させてもらいました。タイトなスケジュールだったのですが、そんな中でみんながいいもの作ろうと、自分が出せる力を全力でアプローチしていったんです。寝る時間も限られた状況だったんですが、スタッフの皆さん一切苦しい顔をしないんです。僕も辛い顔を見せたくないので。お互いを思いやっていく環境で、僕が芝居させてもらっている幸せ、感謝の気持ちを忘れてはいけないということを再確認させてもらった現場だなと思った約1か月間でした。
― 現場の雰囲気はいかがでしたか?
もう最高でした。みんな明るくて、芝居が好きなんだなという人たちが集まったと思います。いいメンバーに恵まれました。
― 前回他の番組でも刑事役をやっていましたが、今回はガラっとタイプが違う刑事を演じます。今回の役は誠実な青年刑事役のように見えますが、過去に何かあったことを匂わせるところもあります。なかなか難しい役だと思いますが、どのように役と向き合っていったのでしょうか?
古手川という男は、純粋で真っ直ぐで、素直に感じたまま行動してしまうタイプです。共感できるところもありますが、古手川が背負っているトラウマをどう表現していくかを常に考え芝居をしていました。
― 役というより、古手川という人物を自分のなかに取り入れて演じたということでしょうか?
そうですね。役に近づける方もいると思うんですが、僕は寄り添うというか、歩み寄って、どちらかというと自分に寄せて考えるほうかもしれません。人間、経験したことない感情を作るのは難しいと思うんです。それはイメージというか、自分がどれだけ想像力を駆使できるかということを役者には求められる。だからこそ、映画もたくさん観ますし、いろんな方と話もします。色々な情報を得て、少しずつでも(イメージを)膨らませていくことが重要かと思っています。
― 今回、どのあたりが役に入り込めたのでしょうか?
古手川の過去のトラウマの部分が凄くわかるんです。僕も似たような経験をしたことがあるんです。古手川を演じる上で、今となってはその経験があって良かったなと思えるです。とても深みを出すことができたんじゃないでしょうか。
― その経験とは?
昔、僕自身にも苦しい時期もありました。痛みという部分を言葉にして伝えるのは難しいんですが、古手川の気持ちがなんとなく理解できるような気がしました。もちろん古手川のトラウマとは違うんですが、どこか身近に感じられる部分もありました。監督もそのあたりを丁寧にくみ取ってくださいました。
― バディを組む渡瀬役の鶴見さんとの共演はいかがでしたか? お二人ともスポーツマンでいらっしゃいますが、鶴見さんと言えば“自転車”。現場には自転車で来られていました?
いえ、現場には自転車では来られてなかったです(笑)。鶴見さんとはたくさんお話をさせていただきましたし、自転車の話も聞かせていただきました。
鶴見さんも刑事役ですが、「最近、上司や椅子に座っているだけの役が多かったから、あまり体を鍛える必要がなかったからさ。今回、半年前から体を作ってきたんだよね」とおっしゃって。僕より体が大きいんです。僕も大きいほうだと思っていたんですが・・・。
― では、いい化学反応が起きていい感じのバディが作れたのですね。
はい、作れたと思います。そこは強く自信をもって言えます。鶴見さんが凄く僕に寄り添ってくださって、僕が悩んでいるときも「こうしなよ」と言うのではなく、導いてくれる方でした。そして沢山ヒントをくれるんです。ステキな出会いでした。
― このドラマはサスペンスでありますが、刑法39条ということも1つのテーマになっていて、重厚さが増していますが、それも含めて工藤さんから観たドラマの魅力を教えていただけますか?
とてもセンシティブな内容ではありますが、このドラマに臨むにあたって、その部分とちゃんと向き合っていかないと失礼になると思ったので、僕自身も勉強しました。ただ、その部分に捕らわれてしまうとお芝居としてもう1歩が踏み込めないところもある。そこは監督の演出に身をまかせ、自分たちの感じたことを素直に表現してみるということに重点を置きました。重厚感、緊張感のあるドラマですが、観てくださった方の心に響くものがあるドラマにできあがったと思っています。僕は最終的にはヒューマンドラマだと思ったので、観てくだる方も構えることなく観ていただければ嬉しいです。
― 2019年も大変ご活躍された1年でしたが、2020年を迎え、本年の抱負をお聞きできますか? 何か、チャレンジしたいことはありますか?
僕に関わってくれる人たちがみんな健康であってほしいと願います。そして、若いお父さん役をいつかやってみたいと思っているので、機会があればチャレンジしてみたいです。若いと言っても、30歳になってからじゃなくて20代のうちにやってみたいです。僕、子供が大好きなんです。
【工藤阿須加(くどう・あすか)プロフィール】
2013年、NHK大河ドラマ「八重の桜」で本格俳優デビュー。その後もドラマ、映画で活躍。2014年には第24回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。2018年には「ザ・ブラックカンパニー」でドラマ初主演を務める。近年の出演作にはドラマ「みかづき」「長閑の庭」「家売るオンナの逆襲」「なつぞら」「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」(‘19)、新春放送『教場』(’20)など。さらに情報番組『ZIP!』の水曜パーソナリティーを務める。
インタビュー撮影:ナカムラ ヨシノーブ
ドラマ「連続殺人鬼カエル男」
<あらすじ>
無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?そして正体は?
荒れ果てたマンションの高層階で軒に吊るされた女性の死体が見つかった。死体が包まれていたシートの内側には「きょう、かえるをつかまえたよ。みのむしにしてみよう」と書かれた犯行声明文らしきものが。このことから、マスコミは猟奇的な事件として大々的に報道する。刑事の古手川(工藤阿須加)と渡瀬(鶴見辰吾)は精神障害が疑われる犯人を追うが、何の手がかりも掴めないまま同一犯による第2の殺人事件が起きてしまう。今度は廃車工場の車のトランクから潰れた死体が見つかったのだ。「かえるはぜんぶ、ぼくのおもちゃだ」と書かれた紙が再び現場で見つかったことで犯人は「カエル男」と呼ばれ、街の住人達を恐怖と混乱の渦に陥れていく。果たして古手川と渡瀬は「カエル男」の正体を暴き逮捕することができるのか!?
出演:工藤阿須加 鶴見辰吾
野波麻帆、前田航基、水澤紳吾、嶋田久作 ほか
監督:熊澤尚人
原作:宝島社文庫『連続殺人鬼カエル男』中山七里・著
<配信&放送情報>
■尺・話数:1話30分×全8話
■スケジュール:2020年1月9日(木)より放送/10日(金)より配信開始
■放送局:カンテレ 毎週木曜日 24:25〜24:55(関西ローカル放送)
※第1回放送は9日(木)24:40~25:10となります。
※放送時間が変更になる可能性がございますので、ドラマ公式サイトでご確認ください。
■独占配信:U-NEXT 毎週金曜日10:00より配信スタート
http://bit.ly/2PSTTP6
「連続殺人鬼カエル男」公式サイトhttps://www.ktv.jp/konomys/kaeruotoko/
『このミス』大賞ドラマシリーズ公式サイト:http://ktv.jp/konomys
公式ツイッター:@ konomys_dramas
<スタッフクレジット>
ヘア&メイク:SHINYA(Primal art)
スタイリスト:壽村太一
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