教科書には詳しく載らないような歴史上の人物や出来事を、エンターテインメント舞台として表現するシリーズ企画「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」。2014年からスタートし、多くの感動・共感を得て回を重ね、6月14日(木)~6月24日(日)にはシリーズ第6弾となる舞台「ジョン万次郎」がEXシアター六本木(東京)にて上演される。
舞台「ジョン万次郎」は、全米ベストセラーとなった「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」(集英社文庫)を原案に、幕末に初めてアメリカの地を踏んだ日本人と言われ、その後の開国に大きな影響を与えた人物として有名なジョン万次郎と彼の生きた時代を描いていく。
溝口琢矢
主役のジョン万次郎役は、仮面ライダーシリーズや、5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!R」のメインキャラクター5名によるユニットDearDreamの一員として活躍、またミュージカル『Indigo Tomato』(2018年5~6月)、『宝塚BOYS』(2018年8~9月)の出演を控える溝口琢矢。「人柄や仕事への取り組み方が、誠実でポジティブなジョン万次郎のイメージに結びついた」と抜擢された。本作が初主演舞台作品となる。
石原壮馬
今回、Astageは本作に出演する三人…溝口と、溝口と共にDearDreamでも活躍する石原壮馬、本シリーズに欠かせない山崎樹範に取材が叶った。
山崎樹範
時は幕末、日米を舞台に描かれるスケールの大きな物語、舞台「ジョン万次郎」への意気込みを聞いた。
石原壮馬 溝口琢矢 山崎樹範
―溝口さん、石原さんは山崎さんとすでにお会いになっていますか?
溝口、石原:はい。ご一緒して、山崎さんが楽しくて、大好きです!
―6作目を迎える本シリーズ。全作に出演されている山崎さんは、シリーズへの思いも深いと思います。
山崎: 続けてこられたことはすごいことだと思いますが、シリーズを守ろうというような気持ちはありません。変わり続けないといけないと思うので、今回、また新たな若い力が入ってくるのは、楽しみですし頼もしいです。「こういう出会いがあるからいいな」と思っています。
―本作への出演がきまった、今のお気持ちをお聞かせ下さい。
溝口:原案は一気に読んでしまいました。話には聞いたことがありましたが、ジョン万次郎がこんなにも奇跡の連続の結果でサムライになったとは思いませんでした。今はひたすら楽しみです。
―溝口さんは本作が初主演舞台になりますね?
溝口:はい。でも脚本を頂いて実際に稽古場に立つまで、主演だという実感はわかないのかな…と思い始めています。座長という感覚がわからないので、一生懸命頑張るしかないです。主人公、主役として立たせて頂いている以上、観た方にそのキャラクターを好きになってもらいたい。そこが一番の挑戦だと思っています。
これまでも「演じているキャラクターを好きになって欲しい」と思う作品もありましたが、それよりも作品の中の一人として何を担っているかを感じて演じていました。
今回は原案を読ませて頂いた時に「かっこいいな」「すごいな」とジョン万次郎の虜になってしまったので、その少年心みたいなものを訴えかけていけるようにしたい。そして、「ジョン万次郎」という人を好きになってもらえるように稽古場では試行錯誤していこうと思っています。
―山崎さんは勝海舟役とのこと、楽しみです。
山崎:基本的に「他人の期待には応えない」というスタンスなので(笑)、僕の持っているひょうひょうとしている部分が上手く出せればと思っています。
―石原さんの意気込みをお聞かせ下さい。
石原:劇団プレステージ以外での舞台出演は、2年半ぶり2回目です。多くのキャストのみなさんと舞台でご一緒するのは初めてと言ってもいいくらいなので、新しい刺激もいっぱいありそうですし、稽古場の熱はどんなのだろうかとすごく楽しみにしています。
―本シリーズの稽古場はいかがですか?
山崎:そうですね。2次元の台本を3次元に起こすのは、いつでもどこでも大変なことで、これは稽古場でやるしかない。違っていたら、また別のアプローチを探してみる。ずっと紆余曲折を繰り返す作業を、本番まで、本番開けてからも続けていきます。いかに真摯に向き合うか…というだけです。稽古が始まるのが楽しみです。
―このシリーズはオリジナル作品だけに稽古場でつくり上げていく部分が大きいのですね?
山崎:そうですね、何をやってもいいんです。だって歴史上の人物とはいえ、誰もジョン万次郎本人を知らないんですから(笑)。正解を誰も見たことがないんですから、舞台は自由です。
溝口:この作品をきっかけに、ジョン万次郎と聞けば僕を思い浮かべていただけるくらいのインパクトを残さなきゃいけないですね。
―でも稽古は大変そうですね…。
山崎:いや、舞台の稽古はいつも大変なんです。そして、その大変なのが好きなんです(笑)。
―溝口さん、石原さんも大変なのがお好きですか?
溝口、石原:はい!(笑)
山崎:今はそう頷くしかないでしょう!(笑)
溝口:(稽古が)好きかどうか、あまり考えたことがなかったですが、好きじゃなければやっていないと思うので、たぶん好きなんですね。稽古場ではひたすら苦悩しているんですけど…。
石原:そうですね。
溝口:「稽古場ではどんなお話していますか?」というお手紙を頂くことがありますが、稽古場では世間話などはまったく無く、稽古場に入れば皆さんわき目もふらず、稽古が始まればすっと立って芝居を始めて…と雑念の無い状態が稽古場なんです。想像されがちなパラダイスのような環境とは違いますね。きっとパラダイスは舞台の上だと思います。両方ないとダメですよね。
山崎:本番がなければ、ぜったい稽古なんてしたくないです。
溝口:そうなんです!でも本番が好きな方も、稽古場の苦悩があるから舞台の上で見せることができるものがあるので。心の底から人前に出るのが好きな方は、芝居に執着しなくてもいいのかもしれませんね。
石原:本番は初めて観て下さる方々からのリアクションがある。稽古場は試行錯誤を重ねる良さがある。どっちもいいところがあって、どっちも楽しいです。
溝口:リアルタイムに快感を得られるのは本番中で、後になって振り返って考えた時に幸福感を感じるのは稽古中かもしれませんね。
―では「ジョン万次郎」に話を戻して…見せ場になりそうなのはどんなところでしょうか?
山崎:どうやって船酔いを表現するかですね(笑)。普通に考えると、オープニングは嵐に遭って漂着して「なんとか助かった!」から始まるんじゃないかな?船のシーンが多いと思いますが、舞台という限られた空間で表現するのは難しそうですね。アメリカでの場面も日本語で演じるので、それもまたどう演出されていくのか、楽しみです。
溝口:ジョン万次郎の人生を奇跡の物語と銘打つとキラキラしたものをイメージすると思いますが、僕は人間の生きざまはきれいなことばかりではないと思っています。万次郎本人になったつもりで原案を読んでみて、死にもの狂いで「生きること」にしがみついて、その結果としてこのストーリーになったととらえることができたので、合っているのか、わかりませんが、僕は泥臭く「命にしがみつく」というところからスタートしたいと思っています。嵐のシーンもそうです。死んでもいいと思っていたら、死んでしまっていると思いますから。
石原:万次郎は、それまでの日本人は見たことがない光景を見た人ですよね。今なら当たり前だけど、その当時の本人は誰も知らなかったいろいろなものを見た。その衝撃は今とは比べられないほど大きかったと思います。「そういうものも、昔はなかったんだな」と改めて感じてもらえる作品になるのではないかと思います。
そして架空の人物を演じるのではなく、昔本当に生きていた人を、生きていたんだと思いながら、その生きている姿を想像しながら演じるのはとても面白いと感じています。その時代のことも学んで役としてしっかり生きて「昔、こういう人が本当に生きていたんだ」と見てもらえるように臨みたいです。
山崎:時代にも運命にも翻弄されて大変な人生を歩む万次郎ですが、海で遭難した時も「死にたくない」ではなく「生きたい」というポジティブなエネルギーが強かったのではないかと感じています。観た方にポジティブなエネルギーを感じてもらえるような、「万次郎も頑張ったのだから、私も頑張ろう」と思って頂けるような作品になったらと思うので、そこへ向けて頑張っていきたいと思っています。
■舞台「ジョン万次郎」公演概要
日程:2018年6月14日(木)~6月24日(日) (全14公演)
会場:EXシアター六本木
原案: 「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」(集英社文庫)
マーギー・プロイス(著) 金原瑞人(訳)
脚本:鈴木哲也/金沢知樹
演出:大関真(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)
企画:座間隆司
制作:株式会社テレビ朝日ミュージック
企画協力:株式会社タトル・モリ エイジェンシー/集英社
主催:「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」製作委員会
株式会社テレビ朝日ミュージック
株式会社ローソンHMVエンタテイメント
主演:溝口琢矢(ジョン万次郎)
出演:荒木宏文、石原壮馬、正木郁、石賀和輝/山下聖菜/細貝圭、石井智也、井深克彦、寿里、輝山立/鷲尾昇、武智健二/山崎樹範
■チケット料金(税込) 発売中
・全席指定席:¥8,800
※当日券は¥500増し。残席がある席種のみ販売予定。
※未就学児のご入場はできません
■オフィシャルサイト
http://mottorekishi.com/johnmung/
クレジット表記:
©Based on “HEART OF A SAMURAI” by Margi Preus
Japanese language theatrical live performance rights arranged with
Margi Preus c/o Jennifer De Chiara Agency and Books Crossing Borders, New York
through Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo
© Mizuhito Kanehara/Shueisha
©「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」製作委員会(テレビ朝日ミュージック ローソンHMVエンタテイメント)
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