ミュージカル『ラ・マンチャの男』が9月7日(土)に大阪・フェスティバルホールにて幕を開けた。前日9月6日にフェスティバルホールにて囲み取材が行われた。
ミュージカル『ラ・マンチャの男』は小説「ドン・キホーテ」を原作としたミュージカルで、1965年にブロードウェイで初演、翌年のトニー賞ではミュージカル作品賞を含む計5部門を受賞した名作中の名作ミュージカル。いかに困難な状況でも“あるべき姿のために戦う ”人々の姿が描かれた、心打つストーリーと、「見果てぬ夢」をはじめとする美しい楽曲の数々により、永く愛され続ける名作中の名作。
1969年に主演・松本白鸚(当時市川染五郎)により日本初演。松本は翌1970年にはブロードウェイからの招待を受け、マーチンベック劇場にて全編英語で現地の役者と渡り合い、計60ステージに立った。日本での上演回数は1,265回にのぼり、いよいよ今年50周年を迎える。
開幕を前に、幕開けの地・大阪フェスティバルホールで囲み取材を開催し、演出・主演を務める松本白鸚、今回作品初参加となるアルドンザ役・瀬奈じゅん、そして1995年から作品に出演し、ラバ追い、床屋を演じ、2009年からはサンチョ役を務める駒田一が出席した。
【松本白鸚コメント】
『ラ・マンチャの男』を含め1作、1作大事に一生懸命やってきたつもりですが、あっという間に初演から50年経ってしまいました。本当に感無量です。「あるがままの人生にただ折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わないこと」というのが作品のテーマ。夢とは、夢をかなえようとするその人の心意気、あるべき姿のために戦う思いを胸に秘めた方が僕は素敵だなと思います。
この作品は私の亡き父と、亡き菊田一夫さん、という二人の男の「見果てぬ夢」なんです。
50年前の日本では、ミュージカルは年間に数本しか上演されていませんでした。お二人はミュージカルがもっと多くの人から愛されるようにと夢を抱いていた。私は「見果てぬ夢」を歌う時、お二人へのレクイエムと思い、感謝と祈りを込めて
50年間歌い続けてきました。
これからも『ラ・マンチャの男』のともしびが絶えず灯されるようにしたい。皆さんに見ていただく価値がある、良い芝居だと思うから、今まで50年間上演してきました。ぜひ今回の舞台をご覧になって、『ラ・マンチャの男』を愛していただきたいと思います。
【瀬奈じゅんコメント】
2か月間お稽古を積み重ねてきましたが、毎日があっという間に過ぎていきました。この役をいただいたことは私の女優人生の中で本当に大きな出来事だと思います。今回初めて参加させていただき、白鸚さんをはじめ、出演者の皆さんが、常
に新しい発見をされようと挑戦している稽古場で、とても良い刺激をいただきました。私は初めてなので分からないことが多かったのですが、皆さんが同じ目線で一緒に戦ってくださいました。カンパニーの空気が素晴らしく、出演者、そしてスタッフの皆さんから沢山の影響を受けました。
【駒田一コメント】
私は24年前に初めて出演させていただきました。役者人生の中で『ラ・マンチャの男』の比重がとても大きく、出演させていただくたびに身が引き締まる思いです。今、興奮と緊張と色んな思いが駆け巡っています。
役者でいる旦那様と演出でいる旦那様が二人いらっしゃって。旦那様(松本白鸚)から演出を受けているときは、誰よりも一つ先を行こう、新しいことをしようと挑戦されている姿を見ると、自分も頑張らなくてはと絶えず思わせてくれる日々です。
カンパニー一丸となって皆様にお届けできればと思います。
ミュージカル『ラ・マンチャの男』
【日程】2019年9月7日(土)~12日(木)フェスティバルホール
【脚本】デール・ワッサーマン【作詞】ジョオ・ダリオン【音楽】ミッチ・リー【演出】松本白鸚
【出演】松本白鸚、瀬奈じゅん、駒田一、松原凜子、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進、大塚雅夫、
白木美貴子、宮川浩、上條恒彦ほか
【製作】東宝<宮城・愛知・東京公演あり>