韓国の歌手兼俳優のアン・ジェウクが、1月22日、東京マリオットホテルにて、韓流ぴあ/株式会社ポニーキャニオン主催公演『Ahn Jae Wook Fan Meeting 2016』を昼夜2回にわたって開催した。人気歌手を演じたドラマ『星に願いを』で韓国、中国、日本のみならずアジア各国で大ブレイク。韓流スターの先駆け的存在といっても過言ではない彼が、日本において約3年ぶりにファンミーティングを行い、ファンとの触れ合いを楽しんだ。今回は、「今まで応援してくれた日本のファンに恩返しがしたい」という本人たっての希望で、自身初となるディナーショー形式で行われ、お洒落でアットホームな温かい公演となった。
豪華フルコースディナーを楽しんだあとに、いよいよ待望のアン・ジェウクが登場! 夜公演では、2014年にリリースされた「今さら」を歌ってショーがスタートした。大歓声で迎えられると、「こんばんは! 3年ぶりですね。お久しぶりです」と日本語で挨拶。ディナーショーを企画したことについて、「韓国では“ディナーショー”はベテランで年配の60〜70歳の人がするものという感覚なので、今回ちょっと戸惑いました」と苦笑い。「韓国は今、マイナス20度近くの気温ですが、そんな寒い中、ドラマの撮影をしているのでちょっと風邪気味なんです」と明かし、ちょっぴり心配させるも、「(ディナーコースの)ゆず味のデザートは、みなさんが風邪をひかないように、僕がアイディアを出しました」と伝え、その優しさにファンの感激もひとしお。今年の冬は暖かいと言われていた日本も、数日前から寒波に見舞われていたが、「昨年のクリスマスは妻と東京で過ごしましたが、暖かかったです。出産前の最後の旅行でね」と告白すると、会場からは「え~っ!?」と驚きの声が上がった。
また、『Jack the Ripper』や『皇太子ルドルフ』など、ミュージカル俳優としての活躍も著しいアン・ジェウク。続いては、「この歌で妻を口説いたんです」と屈託ない笑顔を見せながら、ミュージカル『皇太子ルドルフ』から「私を試す瞬間(The Measure of a man)」を歌唱。迫力ある歌声を披露し、会場のファンを一気にミュージカルの世界へいざなった。
その後のトークコーナーでは、22年のキャリアを振り返りながら、アン・ジェウクの過去、今、未来について語り合った。
まず、「最初にディナーショーと聞いて、『みなさんと一緒にご飯を食べるのかな?』と思った」とお茶目なジェウクに会場は大ウケ。「みなさんと会ったのは、体調を崩す前のコンサートが最後だったので、今日こうやって元気な姿をお見せできてとても嬉しいです」と、心配をかけたお詫びと、3年ぶりに日本のファンと会うことできた喜びを伝えた。
あらためてここまでのキャリアを振り返ると、「欲張ることなく、急がずゆっくりとやってきたので今に至っていると思います。分不相応なくらいみなさんから多くの愛をいただきながら、自分の才能が発揮できる範囲でやってきたことが22年続いてきた秘訣だと思います」と分析。
これまで多くの作品に出演しているが、自身に一番近い役は?という質問に、「どの役にも何処か自分の性質を表現していると思うけれど、あえて言うなら『オー!ピルスン』かな。ピルスンは、出しゃばらないけれど情に厚いキャラクターだったから」と答えた。
また、ミュージカルなどの生の舞台はその一瞬の演技が魅力の一つでもあるが、彼はアドリブが苦手だという。「アドリブは何かアクシデントがあったときにするもの。勝手にアドリブをすると相対する役者さんが戸惑ってしまうと思うから」と述べ、真面目な一面を見せるも、「実は、誰よりも自分のアドリブが面白いと思っているから、他の人にやって欲しくないんですよ(笑)」とイタズラな笑顔を見せる一幕も。
ファンからの質問コーナーでは、MCが抱えきれないほどの多くの質問用紙が集められた。「時代劇はやらないのですか?」という質問には、「きっと上手くでき過ぎてしまうんじゃないかと思って・・・」と笑いながら、「40歳過ぎてからやりたいと思っていました。自分の声が合う年齢になってからね。いい台本を待っているところです」と話し、ファンの期待を煽った。
「生まれてくる子供はどんなふうに育ってほしい?」との問いには、「2月22日が予定日で、娘だということが分かっています」と目尻を下げる。「自分か妻か、どちらの性格に似るか心配ですが、親切で優しくありながらも堂々とした女性になって欲しいですね。友達のようなお父さんになれたらいいな、と思っています」と優しい父のような目で微笑んだ。
さらに、「次はいつ(日本に)来てくれますか?コンサートはいつ?」と問われ、「今撮影中のドラマが8月まであるので、今年が終わる前にはコンサートをしましょうか?」と言うと、会場は割れんばかりの拍手が。
中盤には、コンサート映像とともに22年間の歩みを示した年表がスクリーンに映し出され、会場後方から本人が登場すると、悲鳴にも似た歓声があがり会場は興奮のるつぼに。「友よ」を歌いながら、一人一人の顔を確かめるようにゆっくりと会場を練り歩き、ファンを魅了した。
私物プレゼントでは、20周年記念コンサートのオープニング衣装と、プライベートで使用していたビンテージ風のショルダーバックを抽選でプレゼント。
「死ぬまでにしたい3つのことは?」には、
1.家を建てて、両親、弟夫婦そして私の家族が一緒に(できるだけ近くの場所に)住むこと。
2.80歳を越えても俳優として残っていること。(80歳になってもメロドラマをやりたい)
3.海辺に住んでみること。(海が大好き! 沖縄や横浜の海が好きです)
とのことだ。
現在、撮影中のドラマ『子供が5人』は、シングルマザーとシングルファーザーが恋に落ち、2つの家族が困難を乗り越えながらも幸せを探していくホームドラマ。妻が死んだ後、二人の子供を育てるシングルファーザーを演じるアン・ジェウクは、「みなさんが共感できる楽しいドラマにしたい」と意気込んだ。
最後は、「今日はみなさんとお会い出来て嬉しかったです。私も新しい家族ができて今まで以上に家族のことを考えるようになりました。みなさんと、これからもずっと家族のように過ごしていけたらと思います。ありがとうございました」と挨拶し、予定にはなかった「君という空」を届け、さらに「Forever」ではファンと一緒に大合唱。幸せな雰囲気に包まれながらショーの幕を閉じた。