Mayday「Re:DNA 〜2017 復刻版〜」 at 日本武道館　2017.2.4（土）

2015年8月28～29日、華人バンドとして初めて武道館で単独コンサートを開催したMayday(五月天)が、再び武道館に帰って来た。
世界中の中華系の人々の多くが休暇をとる旧正月シーズン直後の週末となった2月3～4日に、Maydayはやって来た。チケットは両日とも完売御礼！それも彼らにすれば当然のこと。北京では9万人を収容する北京国家体育場（鳥の巣）を2日間も満杯にするアジアのスーパーバンドなのだから。

今回は2009年12月5日に高雄国家体育場で55,555人を集客し、台湾コンサート史上最高の観客動員数を記録したことでも語り継がれる伝説のツアー「Mayday D.N.A.「創造」ワールドツアー」をベースにしたコンサート。
さらに、この2月1日に発売になった最新アルバムの日本盤「自伝History of Tomorrow」からの曲を次々と披露し、武道館は熱く盛り上がった。

武道館に入ると、ステージの後ろには巨大なスクリーン、そしてステージの両サイドには小さなスクリーンが準備されていた。その小さなスクリーンではニューアルバムに収録されている♪「Buzzin’」の色鮮やかなMVが、圧倒的なエネルギーを放って流れていた。
やがて客電が落ちると、客席はブルーの海に。壮大なオープニング映像はハリウッド映画顔負けスケール。炎に突っ込んだ車から抜け出た（！）、阿信（アシン）、石頭（ストーン）、冠佑（ミン）怪獣（モンスター）瑪沙（マサ）が揃ってステージに登場し♪「モーター・ロック / 軋車」でライブはスタート。万雷の拍手と歓声に包まれた。
2曲目には、はやくも日本語で♪「Do You Ever Shine?」を、そして「HoSee」「DNA」とヒット曲で駆け抜ける。1曲ごとに客席のペンライトの海は色を変え、巨大スクリーンの映像は別世界を描いて、楽曲の世界観を耳と目で楽しませてくれる。

ここでアシンが「わ～い、こんばんは！武道館に帰ってきたよ！」とご挨拶。「2回目だから楽しい」と語る姿を見て初めて、前回の武道館ライブの時に彼らが緊張していたことに気付いた。

5曲目の♪「幸せじゃないのに / 你不是幸福」からはじっくりと聞かせてくれる。♪「人生有限会社 / 人生有限公司」など、自らの生き方を振り返る曲や人生の応援歌が続く。客席から自然に合唱が起きる。
Maydayのライブでは、中国語の歌詞と、その歌詞の意味を大切にした日本語訳詞が常に表示される。スタッフの労力は大変なものだと思うが、おかげで中国語の分からないファンはMaydayのハートをライブで堪能することができる。と同時に、日本人ファンを大切にしたいという思いが伝わってきて嬉しい。

♪「満ち足りた想い出 / 知足」のイントロが響くと、前回の武道館ではアシンが「みんな、携帯のライトをつけてよ」と呼びかけたのだが、今回の観客は当然のように携帯電話のライトをつける。客席が星空のように輝く様に、もう国境はなかった。
舞台両サイドには短い花道も設けられ、モンスターとストーンがギター演奏したまま２階の高さまでアップ。観客との距離を縮めた。

トークでは前回よりも進化した翻訳器が活躍。メンバーも無理に日本語を話そうとする様子もなくリラックスした様子。ミンが剣人と賤人（卑しい人）という同音のジョークを放つと会場が沸いた。
前日のライブで「店でMaydayにあったら奢るよ」と約束したそうで、Maydayに会えたラッキーなファンは店で一番高いカツ丼を頼んだそうだ。アシンは「この約束はさらに12時間有効」と再宣言。誰かMaydayに会えただろうか？

♪「瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面」では武道館が揺れるほどに観客がジャンプ。♪「Dancin’ Dancin’ feat. TERU (GLAY)」とまた盛り上がると、メンバーは黒と黄色のジャンバーにサングラスと衣装をチェンジして、♪「孫悟空 / 孫悟空」♪「乾杯」と少し懐かしいヒット曲へ。
「D.N.A創造」らしい楽曲♪「John Lennon+僕 / 約翰藍儂+我」ではサイケな映像も楽しいが、自己存在を問いかけ、自分を信じて夢を追いかける歌詞に心動かされた。♪「大切な何でもない事 / 最重要的小事」ではこれまでのMaydayを振り返る映像も流れ、台湾語の♪「馬鹿 / 憨人」が大合唱となって本編ラストを締めくくった。

アンコールは、ポルノグラフィティの新藤晴一が作詞した♪「Buzzin’」日本語曲から。
♪「出陣の歌 / 入陣曲」♪「頑固」の後には、ポルノグラフィティの岡野昭仁が登場。ファンを思って書いたという♪「Song for you feat. Akihito Okano(PORNOGRAFFITTI)」をアシンとデュエット。３月に行われるポルノグラフィティの台湾コンサートも大成功間違いなしだ。

ラストはflumpoolの山村隆太が日本語詞を書いた♪「OAOA」で「みんな、がんばるんだよ！」とメッセージを発する。♪「愛の記憶は突然に / 突然好想你」で会場は何度目かの大合唱。そして前日には無かった♪「最好的一天 / 最高の一日」をメンバーがソロで歌い継いで、暖かい気持ちにあふれるコンサートが終わった。全27曲。Maydayにとってもファンにとっても“最好的（最高の）”武道館ライブとなった。

Photo：RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)

Mayday Japanese Official Website：http://www.mayday.jp/

Mayday「Re：DNA ～2017 復刻版～」at 日本武道館　セットリスト（2017/2/4）
1 モーター・ロック / 軋車
2 Do You Ever Shine?
3 HoSee
4 DNA
5 君は幸せじゃないのに / 你不是真正的快樂
6 生存以上生活以下
7 人生有限会社 / 人生有限公司
8 Crazy world+migratory（渡り鳥）/ 瘋狂世界＋候鳥
9 The Yet Unbroken Part of My Heart / 我心中尚未崩壞的地方
10 満ち足りた想い出 / 知足
11 人生は海のよう / 人生海海
12 春の叫び / 春天的吶喊
13 瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面
14 Dancin’ Dancin’ feat. TERU (GLAY)
15 孫悟空
16 乾杯
17 John Lennon+僕 / 約翰藍儂＋我
18 大切な何でもない事 / 最重要的小事
19 天使
20 馬鹿 / 憨人
-アンコール-
EN1 Buzzin’
EN2 出陣の歌 / 入陣曲
EN3 頑固
EN4 Song for you feat. Akihito Okano (PORNOGRAFFITTI)
EN5 OAOA
-ダブルアンコール-
W EN1 愛の記憶は突然に / 突然好想你
W EN2 最高の一日 / 最好的一天