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第28回東京国際映画祭 クロージングセレモニー 東京グランプリは『ニーゼ』に!各賞受賞作品・受賞者の発表!

クロージングセレモニー受賞者

10月22日に開幕した日本最大級の映画祭・東京国際映画祭が10月31日、閉幕を迎え、クロージングセレモニーが開催された。“ARIGATŌ(ありがとう)賞授賞式、”各賞の発表・表彰式、またクロージング作品『起終点駅 ターミナル』の舞台挨拶が行われ、東京グランプリを始めとする各賞の受賞作品と受賞者が発表された。

各賞受賞作品・受賞者

コンペティション部門
東京グランプリ  『ニーゼ』
審査員特別賞  『スリー・オブ・アス』
最優秀監督賞  ムスタファ・カラ監督『カランダールの雪』
最優秀女優賞  グロリア・ピレス『ニーゼ』
最優秀男優賞  ローラン・モラー/ルイス・ホフマン『地雷と少年兵』
最優秀芸術貢献賞 『家族の映画』

アジアの未来部門
作品賞  『孤島の葬列』
国際交流基金特別賞  デグナー監督『告別』

日本映画スプラッシュ部門
作品賞  『ケンとカズ』

WOWOW 賞 『カランダールの雪』
観客賞  『神様の思し召し』

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]ARIGATŌ(ありがとう)賞
樹木希林 コメント
「昨日、高齢者免許取得の為の事前講習会に3時間行ってまいりました。歳をとるという事は大変なことだと思います。それにも関わらず、皆さまから「ありがとう」などと言ってもらえるという事は、いえいえ、こちらこそ、ありがとう!」

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日野晃博 コメント
「僕はゲームソフトを作っていまして、今回は「妖怪ウォッチ」という作品でゲームだけでなく、テレビアニメ、 映画、漫画、などと言ったクロスメディアで子供たちを楽しませる事を計画し、それが大きく成功しました。さらに、このような映画業界での賞を頂けるというのは、非常に光栄だと思っています。クロスメディアというものを8年程やっており、これからも、全国の家族みんなが楽しめるものを作り続けるという事を心がけ、映画を含め、色々なコンテンツを作っていきたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。」

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広瀬すず コメント
「今回、このような賞を贈って頂き、本当にありがとうございます。日本でこのような授賞式に参加する事が初めてなので、少し恥ずかしい気持ちもありますが、たくさんの人々にこのご恩と感謝の意を込めて、これからもがんばっていきます。」

細田守 コメント
「私は、アニメーション監督として、スタッフやキャストに「この作品に参加してくれて、ありがとう」とか「良い画を描いてくれてありがとう」とか「良い演技をしてくれて感謝します」などと、いつも言っている訳なんですけれど、逆に本日は「ありがとう」と声をかけられた感じでありまして、ちょっと照れくさいような、でも嬉しいような気持ちです。この賞を頂けたのも、スタッフ・キャストのおかげだと思っています。」

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リリー・フランキー コメント
「映画の世界から「ありがとう」と言われる程、樹木さんの様に長く貢献した訳でもなく、なぜ僕が(この賞を)頂けたのか分からないです。どちらかというと、僕は広瀬すずさん(と同じ)枠で(会場に)“爽やかな風” を吹かせたと考えております。ここにいらっしゃる細田監督をはじめ、才能ある監督が、僕のような者を面白がって呼んでいただいた結果が、こういう事なんだと思います。いち映画ファンとして、この賞を頂けたんだと思っております。」

日本映画スプラッシュ部門作品賞 『ケンとカズ』
マーク・ペランソン審査員のコメント(日本語訳を渡辺真起子 審査員がコメント)
「審査員として、日本映画スプラッシュの映画を思う存分観させて頂く機会を頂き、誠に感謝しております。会期中、皆さんと素晴らしい時間を過ごす事ができ、作品に関して色々な話をする事が出来ました。ノミネートされた作品、全てを楽しむ事ができ、中にはエンターテイメント性の高いもの、感動を与えてくれるものもありました。賞に選ばれなかった作品も含めて大変面白い作品が沢山ありました。今回のノミネート作品すべてに将来性を感じ、際立った演技力・質の高さを感じました。今回受賞した作品に関しては特にそうです。この 作品の二人の主演の社会における生き方、また、個人としてのそれぞれの生き方にメタファーを感じました。この主演二人のデビュー作となりますが、精神的な葛藤や、複雑な気持ち、運命に翻弄されるキャラクターを 見事に捉えていたと思います。短い時間のストーリー展開で正確な編集をこなしていますし、この若い監督は カメラワークで主人公たちの悩みを捉え、二人の悲しい旅をシェイクスピアの様に描いております。」

小路紘史(監督)のコメント
「この作品は本当に多くの方々の善意で最後まで作りました。スタッフやキャスト、そしてその家族、本当に「ありがとう」と言いたいです。そして、最後までついてきてくれた主演の二人にも本当に「ありがとう」と言いたいです。この作品は、やっと一歩を踏み出したと思っています。そして、この賞に恥じないように頑張っていきたいと思います。」

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東京グランプリ 『ニーゼ』
ブライアン・シンガー審査委員長のコメント
「作品をつくるにあたって、とにかくその作がファンタジーであろうと、実話に基づいたものであろうと観た観客が本当だと思うということが本当に大事だと思います。それを考えた時に、この作品は、本当にその要素が 全部含まれていました。寂しさもあり、ユーモアもあり、そして最終的には勝負もあり、この作品に決めました。個人の意見として、今回グランプリに「ニーゼ」に決まって本当に嬉しく思います。何故かというと、自閉症の子供たちのバスドライバーをした経験があります。そうゆう意味でこの映画は私の心を打つ映画でした。そして、もう一つ皆さんに言いたいことは、グランプリ作品の審議には長い時間がかかりました。素晴らしいフィルムメーカーの皆さま、素晴らしい演技者がいる中で、たったの6賞しかないことが残念です。 個人的な友人イーサン・ホークも非常にいい演技をしたと思いますし、「地雷と少年兵」の少年兵たちなど、皆すごくいい演技をしていました。そして特に、「ニーゼ」に登場する犬の演技も最高でした。動物に演技をさせる難しさが私にはよくわかるので、犬の素晴らしい演技に賞を差し上げたかったくらいです。映画祭の中で、この審査員達と映画を観たりランチをしたり、素晴らしい時間を過ごしたことを皆さんに報告したいと思います。東京の皆さん、日本の皆さん、本当にありがとうございました。」

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ホベルト・ベルリネール監督のコメント
「時々自分が、特別なことをしていると感じる時があります。まさにこの作品をつくっている時にそう感じまし た。でもそれ以上に私にとって大変な経験になりました。病院の精神科の患者と5ヶ月程一緒に過ごし、そして彼らは私たちと一緒に撮影に付き合い、そしてスタッフにもなり、キャストの一員にもなったわけです。こういった体験が私の人生を変えました。それは、この映画の中に全部出ています。もっともっと言いたいこと はたくさんありますが、この映画を観て頂ければ、全部感じて頂けると思います。日本が本当に大好きです。 皆さんに感謝をしています。ありがとうございました。」

審査員特別賞 『スリー・オブ・アス』
ベント・ハーメル審査員のコメント
「実話に基づくこのストーリーの背景には、暗く、時には希望のない絶望さ、でも作品には生き抜く力、活気に満ちた希望が溢れています。そして、より素晴らしい将来を求めながら、捨てざるを得なかった母国の将来、 そして、今新天地に来て、そこに住み着き新しい環境に溶け込んでいこうとしている姿が描かれています。」

ケイロン監督によるビデオメッセージコメント
「まずは私の作品を東京国際映画祭に選んでくださったことに感謝しています。本当は出席したかったのですが、残念ながら叶いませんでした。賞を頂き、本当にありがとうございます。大変な名誉で、とても嬉しいです。 早く皆さまにお会いして、個人的にお礼を申し上げたいです。ありがとうございました。」

最優秀監督賞 ムスタファ・カラ監督 『カランダールの雪』
トラン・アン・ユン審査員のコメント
「大胆的で感動的な作品の監督、ムスタファ・カラさんに賞を差し上げたいと思います。」

ムスタファ・カラ監督のコメント
「正直なところ、このような賞を頂けるとは期待していませんでした。サポートをしてくれた製作チームの皆様 に、この賞を捧げたいと思います。そして、いつも私に対する貢献とサポート、困難な時に傍にいてくれた脚 本のビラル・セルト、プロデューサーのネルミン・アイキテン、主演のハイダル・シシマンに改めてお礼申し上げ、この賞を捧げます。」

最優秀女優賞 グロリア・ピレス 『ニーゼ』
スネンサ・ビア審査員のコメント
「彼女の素晴らしい演技に私たちは圧倒され、真心のこもった誠実さ、卓越されたスマートさ、気品、そしてセンタメンタルリズムなしに私たちの心をこれだけ動かすことのできるすばらしい演技力に魅了されました。」

グロリア・ピレスの代理としてホベルト・ベリネール監督のコメント
「まず、東京国際映画祭に呼んで頂いた方に感謝致します。この作品で世界の観客へのドアを開いてもらいました。そして、グロリア・ピレスは素晴らしい女優であるとともに、人間としてもすごく優秀な素晴らしい方です。どうもありがとうございました。」

最優秀男優賞 ローラン・モラー/ルイス・ホフマン 『地雷と少年兵』
大森一樹 審査員のコメント
「映画的な興奮と感動に溢れる作品は、もちろん監督他、スタッフの力による者ですが、それらを画面の中で表現する俳優の力によるものということも決して忘れてはいけません。 複雑なキャラクターを見事に表現し、絶望的な状況の中でも希望を捨てない人の表情、それらを演じた人に対 して私は最大の敬意を表します。」

ローラン・モラーのビデオメッセージコメント
「改めまして東京国際映画祭の皆さん、審査員の皆さん、観客の皆さん、ありがとうございます。皆さんとの温かい Q&A セッションをとてもよく覚えています。日本が本当に大好きです。また戻ってきます。デンマークより愛を込めて。」

ルイス・ホフマンのビデオメッセージコメント
「このすばらしい賞をありがとうございます。とても光栄に思っています。特にローラン・モラーと一緒に受賞できることは僕にとって大きな誇りです。モーラン、元気? 彼は素晴らしい役者です。互いの賞を共有でき ることは心から嬉しく思います。日本の皆さん、本当にありがとうございます」

デンマーク大使館よりフレディ・スヴェイネ大使のコメント
「優れたデンマークの役者2人の代理で、賞を頂いたことを嬉しく思っています。審査員の方や他の作品に感謝しています。この作品の強いメッセージは戦争で勝っての勝つということではということです。デンマークの 役者が賞を頂いたことは大変嬉しいことです。」

最優秀芸術貢献賞 『家族の映画』
ナンサン・シー審査員のコメント
「この映画(「家族の映画」)は、私たち自分たちの人生の中で、様々な葛藤や、愛情を欲しがったり、またそれを取り戻す、そういう意味において、これほど感情を上手く描いている作品は他にないでしょう。」

オルモ・オメルズ監督のコメント
「非常に嬉しいです。今日この場には、撮影クルースタッフ、プロデューサー、俳優陣もいらっしゃいます。この作品は合作で、プロデューサーの資金の援助などがなかったら、撮るのは難しかった作品です。フランス、ドイツ、スロベニア、スロバキア、チェコの合作で、海外で仕事をする者として、今回映画祭で皆様に手伝って頂き、感謝しています。また、映画に登場している、3匹の犬のトレーナーのフィリップにも感謝しています。どうもありがとうございました。」

アジアの未来部門作品賞 『孤島の葬列』
オリヴィエ・ペール審査員のコメント
「『孤島の葬列』は、空間への旅に私たちを誘ってくれ、ファンタジックや神秘的な世界へ連れて行ってくれま した。強い政治的な背景もありながらも、情熱的で、夢をみているようなムードが漂っており、フィルムアートの可能性もあり、そして感情を通じて観客を魅了してくれました。また、複雑な世の中まで反映させてくれた斬新な映画監督(ピムパカー・トーウィラ監督)のお陰で映画はエクサイティングで近代的な冒険であると いうことを再確認する機会を与えてくれました。」

ピムパカー・トーウィラ(製作/監督/脚本)のコメント
「とても興奮しています。なんと言ったらいいか、長い年月をかけて製作した作品です、なかなか撮り終らないと何度も思うことがありましたが、東京国際映画祭で上映して頂き心より感謝しています。また、この作品に 関わった全ての撮影スタッフ、そして出演した3人の役者にも感謝を述べたいです。この作品を作り上げた一 員の脚本のコン・リッディーさんにもお礼を言いたいです。また、他の映画監督からもたくさんサポートして 貰いました。本当にこの映画の製作はとても困難でした。友人、家族の支援がなければ撮れなかったでしょう。 関わった全ての方にお礼を言いたいです。世界に伝えたかったことをこの作品で表すことができました。感謝しています。」

国際交流基金特別賞 デグナー監督 『告別』
佐藤忠男 審査員のコメント
「よい作品を選ぶというのも、各国それぞれの国の状況がそれぞれ違っておりまして、現実に直面している問題・状況そういったものに真っ向から取り組んでいるという作品が多かったものですから、そういった作品に 甲乙つけるものが非常に難しかったです。非常に初々しい作品からその国でなければつくれない独特な雰囲気 を持った作品がございました。全体に共通していたものは、のし上がってくる力強さがあり、どの作品もよかったです。その中で、受賞作品は本当に堂々たる立派な作品だと思っています。」

デグナー監督の代理としてチャオ・イエンミン ラインプロデューサーのコメント
「感激しています。監督はここにはおいでになりませんが、大変な栄誉に喜ばれていると思います。監督にとって一作目の作品が高い評価を頂いたということは本当に名誉なことで、デグナー監督をはじめ、全ての人たちを代表して、心から感謝を申し上げます。 この作品は卒業制作であります。若い力を結集した若い作品に評価を頂いたということで本当に嬉しく思いま す。こうやって日本にお招き頂き、東京国際映画祭に大変感謝申し上げます。この作品を認めてもらえたこと。これを励みにこれからも一生懸命努力して、いい作品を撮っていきたいと思います。また、いい作品を持って この東京国際映画祭に参加したいと思います。その際には日本の皆さんに、お目にかかりたいと思います。」

椎名ディレクター・ジェネラルのコメント
「受賞者の皆様、おめでとうございます。心から御礼申し上げます。第 28 回 東京国際映画祭は、天候にも恵まれ、10 日間無事に、六本木・新宿・歌舞伎座と盛大に開くことができました。これもひとえに、皆様のお陰でございます。また、東京国際映画祭は大勢のボランティアの力で成り立っております。今年も学生を中心としたインターン、並びに一般の方々のボランティア、総勢 200 名の方にご協力頂きました。皆様、本当にありがとうございました。 東京国際映画祭は若い才能ある人たちに色んな経験の場を設けられるように、成長の場としても今後も力を入れていきたいと思います。」

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クロージング作品 『起終点駅 ターミナル』舞台挨拶
佐藤浩市のコメント
「何度か東京国際映画祭に参加しておりますが、今回このような形で参加させて頂き感謝しております。『起終点駅 ターミナル』という日本らしい映画を持ってこられたことが、自分としても光栄なことだと思っております。」

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本田翼のコメント
「本日はありがとうございます。最後まで作品を楽しんで観て頂けたらと思います。 原作と設定の役が違うので、映画になる時にどういった役にしていくかを考えました。」

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尾野真千子のコメント
「こんなにもたくさんのフラッシュを浴びて、とても緊張しています。とてもいい作品に出会えたこと、この場に立たせて頂いていること、本当に幸せに思っておます。」

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篠原哲雄監督のコメント
「人が自分の罪を考え、罰を自分に課しながら生きていく男の人生を通して、人はもう一度生きなおすことができることを、この映画の中で描いていたつもりです。日本映画というと、最近は仕掛けのあるものがうける風潮がありますが、我々が作ったのは日本映画の中でも王道できめの細かい感情を描きました。人間の深いところをご自身と照らし合わせながら、自分の人生を考えるキッカケとなってもらえれば嬉しいと思い作りました。」