映画『35年目のラブレター』の公開記念舞台挨拶が、3月8日、東京・丸の内TOEIにて行われ、主演の笑福亭鶴瓶、原田知世、重岡大毅、上白石萌音のメインキャストと、主題歌を担当した秦基博、監督・脚本を務めた塚本連平が登壇した。
2003年に朝日新聞で紹介されるやテレビ・雑誌で取り上げられ、さらには創作落語にもなるなど、多くの感動を呼んだある夫婦の本当にあった話を映画化。戦時中に生まれ、十分な教育を受けることができず、読み書きができないまま大人になり、妻へのラブレターを書くために一から文字を習い奮闘する夫と長年支え続けた妻の心温まる感動の実話。
主人公・西畑保を笑福亭鶴瓶、その妻・皎子役を原田知世、西畑夫妻の若かりし頃を重岡大毅（WEST.）と上白石萌音が演じ、他にも安田顕、くわばたりえ、笹野高史、江口のりこら、豪華キャスト陣が顔を揃えた。
本作公開を迎え、鶴瓶は「あっという間に封切りを迎えましたが、（公開が）来てほしくない、終わらんといてほしいという気持ち。いい映画ですよね。3回4回と観に行っていただきたいです」としみじみと語り、原田も「こんな素敵な作品に参加させていただいたことを本当に心から幸せに思ってます。多くの方に届くように」と公開を喜んだ。
上白石は「撮影中や取材日、舞台挨拶とかでこの作品のことを考えるだけで幸せな気持ちになっていました。みんなで集まった時のほっこり感も大好きで幸せだったのですごく寂しいです」とコメントし、「この映画が実話だということが何よりも嬉しい。西畑さんが私たちと同じ今を生きていらっしゃることが嬉しい」と感激しきり。「この作品をたくさんの方に観てほしいと思っていた」と話す重岡は、「誰よりも寂しいのは、もうしばらく知世さんに会えない鶴瓶さんじゃないのかなと思っています」と続け、会場の笑いを誘った。
塚本監督は「映画を観終わって温かい気持ちになって、誰かに『ありがとう』と言えるよるような作品になるといいなと思って作りました」と語りつつ、「うちの妻と子どもたちにも“ありがとうさん”と言いたいです」と劇中で皎子が度々使うセリフとともに、この日会場に訪れていた家族へ感謝の気持を直接言葉にした。
鶴瓶が「凄くいい本（脚本）。監督が全部書かれて、ようあんなん書いたわ！」と監督を絶賛すると、原田も「ちょうど去年の今日は、西畑家のセットの最終日の日でした」と振り返り、「凄く和やかな現場だったので、いい映画に仕上がるんだなと思っていました。私は監督を信じて、ついてきて本当に素晴らしい景色を見せていただきました。そういう意味では監督の奥様にも感謝です」と述べ、監督が本作を制作するきっかけを作った奥様へも感謝の気持を伝えた。
鶴瓶が「2人の関西弁、めちゃくちゃいい」と原田と上白石が挑戦した関西弁を褒めると、2人から「ありがとうさん」と返され、鶴瓶は満面の笑みを浮かべて満足気。みんなが笑顔になり、会場に温かい空気が流れた。
また、舞台上には公開前に全国各地で実施した試写会から届いた感想の数々が掲出されたバックパネルが登場。その心温まるコメントを読み上げられると、「家族の優しさを感じ、笑いあり涙ありでハンカチなしでは見られませんでした。この春一番素敵な映画だと思います」という感想に、鶴瓶は「嬉しいです。うちの嫁も昨日観てきて、『凄く良かった』って。そんなこと普段あんまり言わないんですよ。嬉しかったですね」と感慨。
重岡は「何歳になっても何かにチャレンジすることの大切さを学ばせていただけました」という感想に対し、「僕もそこを学ばせていただいた。この映画のメッセージである“何歳になっても遅いということは無い”ということを僕も信じているつもりです。ずっとやりたかったこととか、心残りなことにチャレンジすることは凄く力がいることだけど、この役を通じてその先にある何かを一緒に見つける感覚でこの映画に参加させていただきました。この作品に出逢えて本当に感謝してます。ありがとうさん！」と充実感を滲ませた。
「ただ、保さんの隣にいるだけで皎子さんになれた」と声を揃える原田と上白石。上白石は「生きてればいろいろなことがありますけど、なるべく人のいい面、“ええとこ”を見て生きていきたいな、そうしたら大きな愛に出合えるんだということを教えてくれる映画だと思います」と話し、「台本に書かれている文字だけでなく心の底から気持ちが出てくるようになった。それは本当にシゲちゃんのおかげです。ありがとうさん！」と思いの丈を口にした。
そして、作品を温かく包み込むバラード主題歌「ずっと作りかけのラブソング」を書き上げた秦は、「秦さんの優しい歌声とともに、シーンを振り返りながらエンドロールを見終わると、心の中は温かさで溢れて、この作品に出会えてよかったという気持ちでいっぱいです」という言葉を受け、「この映画が持っている温かさとか映画を観終わったときにじんわり胸に迫るようなものをそのまま持って帰ってもらいたかったので、嬉しいですね」とお礼を述べ、「ラブレターを書くということは、胸にあるものを形にするので凄く難しいこと。それは歌を作ることと似ているのかなと思いました。映画と出合えたことで僕もこの曲と出合えました」と自身のことを重ねてコメントした。合わせて、キャストたちからも主題歌について賛美の言葉が贈られると、感動の面持ちの秦だった。
最後に、原田から「この作品がご自身の家族、友達、そして愛する人、大切な方々に感謝の気持ち“ありがとうさん”を伝えるきっかけになるといいなと思っています。多くの人に届いてほしいです」と話し、鶴瓶が「僕は52歳から落語を始めたんです。やれるかなと思っていたんですけと、やれるんですよね、50歳を過ぎてからでも自分がそういうスイッチを入れたら。ぜひこの映画をきっかけに何かを始めていただきたい。何回でも映画を観て自分の肥やしにしてほしいです」と思いを込めてメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画『35年目のラブレター』
出演：笑福亭鶴瓶 原田知世
重岡大毅 上白石萌音
徳永えり ぎぃ子 辻本祐樹 本多力
江口のりこ くわばたりえ 笹野高史 安田顕
監督・脚本：塚本連平
配給：東映
コピーライト：©2025「35年目のラブレター」製作委員会
公式サイト：https://35th-loveletter.com/
公式Xアカウント：＠35th_loveletter
公式Instagram：＠35th_loveletter
3月7日（金） 全国公開
