映画『泣くな赤鬼』の公開御礼舞台挨拶が、6月15日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の堤真一はじめ、共演の柳楽優弥、川栄李奈、竜星涼、堀家一希、武藤潤と兼重淳監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、ベストセラー作家・重松清の短編集『せんせい。』所収の「泣くな赤鬼」を兼重淳監督の手で実写映画化。野球の素質を持ちながらも挫折して高校を中退した余命半年の元生徒と、鬼の熱血指導から“赤鬼先生”と呼ばれていた高校教師が最後に分かり合えた絆の物語。赤鬼こと、小渕隆役を堤、赤鬼先生の教え子・斎藤智之（愛称：ゴルゴ）役を柳楽が扮する。
前日公開を迎え、柳楽は「堤さんと先生と生徒の間がらをしっかりと描いた作品に出ることができて本当に最高でした！」と喜びをかみしめる。ゴルゴのライバル・和田を演じた竜星は「この熱い映画をやっと皆さんと共有できることを嬉しく思います」としみじみ。
高校時代のゴルゴ役を演じた堀家は、柳楽について「柳楽さんの芝居を拝見し、人としていい人なんだなと思って、好きになりました！ 笑顔がめちゃくちゃ可愛いんですよ」と熱く語ると、柳楽も照れくさそうに笑いながらも「僕も好きになりました」とお返しを。「橋の下で和田がバッティング練習しているところに堀家（ゴルゴ）が現れるシーンが凄く好き。自然でいいなと」と伝えた。
一方、高校時代の和田役を演じた武藤は、竜星より先に演技をしたため「僕の芝居はどうでしたか？」と竜星に問うと、「現場では一緒になることはなかったけれど、鋭い眼光がとても（自身が演じる上で）参考になりました」と感謝。
ゴルゴの妻を演じた川栄はゴルゴの母親役の木村緑子との共演シーンが多いが「4か月くらい前にドラマで私のお母さん役をやってくださったんです。とてもご縁を感じました。リハーサルから全力で号泣される緑子さんから、たくさんのものを学びました」と吐露。「実は連絡先を交換したんですが、携帯電話を変えてわからなくなってしまって･･･。またお会いした時にお聞きしたいと思います」と苦笑い。
昨日、映画の舞台となった群馬で初日舞台挨拶を実施した兼重監督は、「『アラジン』と『メン・イン・ブラック』抑えての動員で良かったです」とニッコリ。
また、本作の内容にちなみ、「今再会したい人は？」と問われると、提は「僕は中学の時に野球部だったんですが、これがまためちゃくちゃ怖い監督で。この作品で演じる上でも（彼を）イメージしました。ずっとお会いしてなかったんですが、ぜひこの作品を観ていただきたいと思っていたら、2か月くらい前にお亡くなりになってしまって･･･。生きていらしたら絶対に観てくれたと思います」と再会が果たせなかった恩師への想いを述べた。
中学生時代はサッカー部だったという柳楽は「僕もめっちゃ怖い監督でしたが、まあ、いま中学校へ行けば会えますが(笑)･･･。ぜひこの映画を観てもらいたいです」と話し、同じく中学時代にサッカーを経験。なでしこジャパンで活躍する岩渕真奈選手と一緒にサッカーをしていたという。「僕のほうが全然ボロ負けでしたけどね(笑)。ぜひまた会ってサッカーしたいですね」と微笑んだ。
ここで、映画公開を記念して赤鬼先生による“公開記念始球式”を実施。堤が軟式のボールを客席に投げ入れ、キャッチしたお客様に登壇者のサインが入ったボール（硬式ボールと交換）をプレゼントした。
最後に、川栄は「先生と生徒の絆はもちろんですが、いつも家族や友達に救われているのかを実感しました。この映画が皆さんの生きる活力になったらいいと思います」と挨拶。柳楽は「人間を深く描くような作品に参加させていただいて本当に嬉しかったです」と再度喜びを表すと、「今日が最後なので、ここで堤さん、ハグしてもらっていいですか？」とお願い。快く応えた堤と熱いハグを交わす。
提は「1年前に撮影しましたが、暑い夏を思い出し、若い人たちと交えてお仕事できたことは僕にとってもいい経験でした。人間を淡々と描いる作品です。少しでも多くの方に観ていただきたいです」とアピールし、舞台挨拶を締めくくった。
【物語】
城南工業野球部監督・小渕隆（堤 真一）。陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導で“赤鬼先生”と呼ばれていた。その厳しさで、甲子園出場一歩手前までいきながらも、夢叶わぬまま、10年の月日が流れた。今では、野球への情熱は随分と衰え、身体のあちこちにガタもきている50代の疲れた中年になっていた。ある日、診察を受けた病院でかつての教え子、斎藤智之＜愛称：ゴルゴ＞（柳楽優弥）と偶然再会する。ゴルゴは非凡な野球センスがありながら、堪え性のない性格ゆえに努力もせず、途中で挫折し、高校を中退した生徒である。今では、20代半ばを越え、妻・雪乃（川栄李奈）と息子・集と幸せな家庭を築く立派な大人に成長していた。そのゴルゴが末期がんで余命半年であることを知らされる。あの時なぜもっと言葉をかけてやらなかったのか、厳しさでしか教え子に向き合えなかったあの頃の後悔。「俺は、わかったつもりで全然わかってなかった―。」命の期限が刻々と迫るゴルゴの願い、それは「俺、また野球やりたいな。」 赤鬼先生は、ゴルゴのために最後に何ができるのか―。
堤 真一 ／ 柳楽優弥
川栄李奈 竜星 涼 キムラ緑子 麻生祐未
原作：重松 清 『せんせい。』所収 「泣くな赤鬼」（新潮文庫刊）
監督：兼重 淳
脚本：上平 満 兼重 淳
主題歌： 竹原ピストル「おーい！おーい！！」（ビクターエンタテインメント）
配給：KADOKAWA
制作プロダクション：松竹撮影所
©2019「泣くな赤鬼」製作委員会
公式サイト：https://akaoni-movie.jp/
全国公開中
