映画『アリーキャット』の初日舞台挨拶が、7月15日、東京・テアトル新宿で行われ、主演の窪塚洋介をはじめ、共演の市川由衣、品川祐(品川庄司)、高川裕也、岡本拓真、川瀬陽太、榊英雄監督が登壇した。
本作は、野良猫(alley cat)のように街の片隅でひっそり生きる男が、ひょんなことからバディとなった男と一緒に、一人の女を守るために奮闘し、熱い想いを取り戻していく物語。闇社会に絡んだクライムサスペンスの要素を持ちつつも、人生に躓いた人間の再生を描く。
元ボクサーで警備員の「マル」こと朝秀晃役を窪塚、中古自動車整備工場で働く「リリィ」こと梅津郁巳役を降谷建志が務める。
窪塚は「極寒の中、2週間という短い期間で撮影しました。過酷でしたが、マルとリリィの熱さを現場のみんなで盛り上げてもらいました」と振り返り、Dragon Ashのツアー中のため、残念ながら舞台挨拶を欠席した降谷について「kj(降谷)は今『Dragon Ash』に戻っているけど、いまだに僕を『マル』って呼んでくれるです。撮影が終わって1年、2年経っても役名で呼ばれると、そのたびにドキッとします。kjはこの先、『Dragon Ash』として、『アリーキャット』という映画を背負って進んで行くんだなと思う。いい時間を過ごすことができました」と感慨深げ。
品川は「リリィ役をつとめましたKjです。今日は少し顔がむくんでいますが本人です」とジョークを飛ばして挨拶し会場を沸かす。
劇中では市川演じる冴子の元恋人・玉木役の品川。そんな品川に対して、市川は「クランクインの品川さんとのシーンが印象深い」といい、「品川さんが遅刻してきて、しかもお酒臭かった」と暴露。それでも「現場に汁物を作って差し入れしてくださったりして、本当に優しかったです」とニッコリ。窪塚も「21年役者をやっていて、手作りの鶏汁を大鍋で持ってきてくれたのは初めて。みんなの心の温度も純度も高まったんじゃないかと思います」と語ると、品川も「自分の撮影が終わっても『みんな、やってるかな』って気になる現場だった」と楽しそうに話していた。
窪塚が「みんなで作ったという意識が強いですよね。監督もよく話を聞いてくれて、みんなで一致団結して駆け抜けた」と語るほど密度の高い撮影現場だったようだが、品川は「劇中で僕が書く怪文書を、美術さんが持ってきてくれたら、監督が『決めといてくれる?』って俺に言ってトイレに行っちゃうんですよ。なんだコイツって思いましたね(笑)」と告白。
すると、市川も「監督はセクシーなシーンになるとやたら張り切ってました!テンションが違う!」と明かす一幕も。和気あいあいとしながらも皆で集中して作品に向かっていた様子が伺える。
また、マルのボクサー時代の後援会長・羽柴役の火野正平とのエピソードにも話が及び、「火野さんが建志に『お前の親父(俳優の古谷一行)がくれた年賀状・・・火野の“ひ”の字が“日”になってたぞ』とクレーム入れていて、殴られるシーンで1発か2発は本当に入っていたと思う。あれは、ちょっとした事故ではないと思います(笑)」と語り、会場の笑いを誘っていた。
最後に窪塚が「色んな世代の方に観ていただき、この映画がみなさんのしたいことや、夢に向かって一歩でも前に進むきっかけになったら嬉しいです。ネクストステージでまたお会いしましょう!」とメッセージを伝え、舞台挨拶を締めくくった。
映画『アリーキャット』
【STORY】
主人公の朝秀晃(通称:マル)は元・ボクシングの東洋チャピンオン。試合中の頭の怪我で、引退に追い込まれ、今は 頭の後遺症に悩みながらもひっそり警備会社のアルバイトをしている。唯一、心を通わせていた野良猫の失踪をきっかけに自動車の整備工場で働く、梅津郁巳(通称:リリィ)に出会う。
ある時、秀晃は個人的な理由によりシングルマザーの女・土屋冴子(市川由衣)にボディーガードのアルバイトを頼まれる。
たまたまその場に居合わせた郁己は、女をストーカーしていた男・玉木敏郎(品川祐)を殴ってしまい、一緒に行動するはめに。秀晃と郁巳は、共に女を守るため東京へ向かうことになるが・・・。
出演:窪塚洋介 降谷建志
市川由衣 品川祐
柳英里紗 川瀬陽太 森岡豊 馬場良馬 岡本拓真 森本のぶ
三浦誠己 高川裕也 / 火野正平
監督:榊英雄
脚本:清水匡
音楽:榊いずみ
配給:アークエンタテインメント
R15+
(C)2017「アリーキャット」製作委員会
公式サイト:http://alleycat-movie.com
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