映画『暗黒女子』の初日舞台挨拶が、4月1日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の飯豊まりえをはじめ、共演の清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈、千葉雄大と、耶雲哉治監督が登壇した。
本作は秋吉理香子の同名ミステリー小説を実写映画化。聖母マリア女子高等学院で起こった女子生徒の謎の転落死。全校生徒の憧れの的だった、「白石いつみ」。彼女の死をテーマに文学サークルの部員たちが朗読する定例会を開催し、部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していく美しさの裏に潜む悪の姿を描く。
舞台挨拶がスタートすると、登場したのは、平祐奈と千葉雄大のみ。「本日は、『明白男子』の初日公開に来場していただきありがとうございます。僕たちの笑いあり涙ありのラブストーリーになっていたと思うんですけど、いや~大変でしたねぇ~」と、まるで漫才のようなテンポでトークを始める二人。実は、他の登壇者たちが別の場所で行なわれた舞台挨拶後の移動に時間がかかり、到着が遅れているところを、「僕たちがつなぎます」と買って出ということだった。まもなくして飯豊らが登場すると安堵の顔をみせ、全員揃って挨拶を行った。
本作で特に印象的なシーンを聞かれた飯豊は、「屋上で、『いやだ!』というシーン。監督から本当に憎たらしくやってくれと言われていたので、凄く力が入りました」と振り返った。
玉城は、自身が演じたディアナがいつみにすがりつくシーンだという。「クランクアップの日だったので、これが最後という気持ちとディアナの思いが重なりました」とコメント。さらに、飯豊との共演シーンには特に思いれがあったそうで、飯豊も「ティナがクランクアップしたときは号泣しちゃいました。私たちは高校が一緒で、在校中にいつか共演したいねって話していたんです。約束が叶って嬉しかったです」と満面の笑みを浮かべた。
全員悪女・・・という設定だが、撮影現場は和気あいあいとした雰囲気だったとのこと。特にみんなお菓子には目がなかったようで、監督も「あっという間になくなっていた」とこぼすほど。
飯豊と千葉のキスシーンに話題が及ぶと、耶雲監督が「ある程度の段取りを説明して、『あとは男子の心意気でよろしくね』と千葉くんに言ったら、雨に濡れた子犬のように不安そうな顔をされました。そんな千葉くんにキュンとしましたね(笑)」と暴露。すると千葉は「僕、誰にでもこの顔をやるんです」とニヤリ。すかさず飯豊らに「怖い~ 暗黒男子!」とツッコまれていた。
また、ダブル主演だった清水富美加の芸能界引退騒動もあり、一時は公開も危ぶまれていた本作。耶雲監督も「公開できて良かったです」と胸をなでおろしながら、飯豊らキャスト陣へ感謝の気持ちを綴った手紙を読み上げた。「主演の一人である清水富美加ちゃんが残念ながらこの場にいません。そのことにとても寂しく思っています。この映画の公開を心配する声をたくさん聞き、公開が決まっても宣伝プロモーションでは、取り沙汰されるのは映画の内容のことでなく、皆さんは複雑な気持ちだったと思います。それでも雑音にも負けず頑張ってくれた皆さんには、この映画に関わるすべてのスタッフがうれしく思っています。ありがとうございました」とし、重圧が大きかったであろう飯豊には「誰よりも苦労して大変な主演の責任を懸命に果たしました。飯豊まりえは本当の女優になった。本当に男前になりました!」とねぎらい、キャスト陣の頑張りを称えた。
思わず涙を流した飯豊は「富美加ちゃんのために自分が頑張らなきゃ、と頑張ってきました。富美加ちゃんにもきっと伝わっていると思うので、こういう場に立ててよかったなと思います。7人で映画を作れて幸せでした」と心境を明かし、映画公開を喜んだ。
映画『暗黒女子』
<ストーリー>
学園のカリスマ“白石いつみ”の謎の死―「この中の誰かが彼女を殺した。」
セレブ女子高生たちが通う、聖母マリア女子高等学院。ある日、学院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的だった〈白石いつみ〉が謎の死を遂げる。校舎の屋上から落下したのだが、自殺か他殺か、事故なのかもわからない。やがて、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が立つ。いつみの親友だった澄川小百合がサークルの会長を引き継ぎ、部員が自作の物語を朗読する定例会を開催する。今回のテーマは、「いつみの死」。それぞれを“犯人”と告発する作品が発表されていく。物語は5つ、動機と結末も5つ──果たして真実はあるのか?
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏/平祐奈/升毅 千葉雄大
原作:秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫)
監督:耶雲哉治
脚本:岡田麿里
制作プロダクション:ROBOT
配給:東映/ショウゲート
©2017「暗黒女子」製作委員会©秋吉理香子/双葉社
公式サイト:http://ankoku-movie.jp
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