河合優実、入江悠監督からの手紙に感謝！ 稲垣吾郎、生きていると感じる瞬間は「“朝”と“心が動いたとき“ 」 映画『あんのこと』公開記念舞台挨拶

映画『あんのこと』の公開記念舞台挨拶が、6月８日、東京・丸の内TOEIにて行われ、主演の河合優実をはじめ、共演の佐藤二朗、稲垣吾郎と、入江悠監督が舞台挨拶に登壇した。

2020年6月に新聞に掲載された「少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て、実話をもとに映画化。本作は、社会の中で「見えない存在」にされてしまった人々を、鎮魂と後悔の思いを込めて、まっすぐに見つめる衝撃の人間ドラマ。
監督は『ビジランテ』や『ギャングース』の入江悠。底辺から抜け出そうともがく少女・香川杏を河合優実、杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅を佐藤二朗、2人を取材するジャーナリスト・桐野を稲垣吾郎が演じ、『PLAN 75』のスタッフがとして再集結し、現代社会のリアルな縮図を描き出す。

全国公開を迎え、河合は「実在のハナさん（仮名）に思いを馳せることから始めました。昨日、映画を観た方の『簡単ではないけれどハナさんのことを考えて、怖さや恐れがあった』という感想を読んでいて、皆さんがハナさんや杏のことを考えてくださったことが本当に嬉しかったです。1人でも多くの方に観ていただきたいです」と語り、「満席だと聞いて心から良かったなと思いました」としみじみ。

佐藤は「ある種矛盾を抱えている男ですが･･･」と話し始め、「ネタばれにならないかな？」と言葉を選んでいると、稲垣が「大丈夫です。皆さんもあと2時間後には（内容が）分かってますから」と声をかけ、思わず佐藤が「それじゃ何にもならない！」と冒頭から笑いを誘う。

一方で、同じく難しい役どころを演じた稲垣も「最初に台本を読んだときに、事実に基づいた話ということで、動揺して胸が張り裂けそうになりました。その思いを忘れずに杏ちゃんの思いを1人でも多くの方に伝えたいと思って臨みました」と振り返りつつ、「僕（の役）もある種矛盾があって、葛藤と戦う役。前半は僕の目線でフラットに観ていただいていただけるのでは？ 」とお勧め。「やりがいのある役に出会えました」と充実感を滲ませた。

映画化するにあたり、河合に手紙を送ったという監督。自分たちは手紙をもらっていないと少し不満を漏らす佐藤と稲垣だったが、監督が「内容的に、喫茶店で話すようなことではないし。とてもセンシティブなことなので」と言葉を選びながら役について言葉を送ったことを伝える。河合は「手紙は嬉しかったです。演じていて悩んだとき、立ち返るよう指針になった」と感謝。佐藤からは「僕には“タバコのポイ捨てしていいですか？”」と聞かれて、稲垣には「カラオケの歌、歌ったことありますか？」と聞いたくらいだったといい、2人とは気の置けない関係だったことを話す監督。すると、佐藤と稲垣も「杏は特別。深い話になるよね」と納得。それでも、「僕らは浅い話しかしてないのは、気にしていないから」と監督に言い寄り、会場を沸かしていた。

また、映画の内容にちなみ、「生きていると感じる瞬間は？」と問われた登壇者たち。稲垣は「朝起きたとき。今日も始まるなと」と答え、「僕は朝5時か6時には起きます。それから植物やペットの世話をして、朝の散歩に出かけます。朝食も作って」と話すと、佐藤から「吾郎ちゃん、僕と結婚してくれない？」と言われ、「いいですよ(笑)」と。さらに、「心が動いたときかな」と述べると、「なんちゅー、カッコいいことを！」と声を上げる佐藤。稲垣は「大丈夫です。元からカッコいいから(笑)」と返し、会場から大きな拍手が送られていた。

河合は、稲垣の言葉に同調し「客席で映画を観ていて、声を出しそうになるくらい感動したとき」と話す。最初に「晩酌です」と答えた佐藤はバツが悪そうに、「僕も朝起きたときと、心が動いたときかな･･･」とつぶやいていた。

映画『あんのこと』
＜あらすじ＞
21歳の主人公・杏は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、10代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会う。大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。週刊誌記者の桐野は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。

出演：河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかり
監督・脚本：入江悠
製作：木下グループ　鈍牛倶楽部
制作プロダクション：コギトワークス
配給：キノフィルムズ
© 2023『あんのこと』製作委員会
公式サイト：annokoto.jp
公式X：@annokoto_movie

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