映画『明日を綴る写真館』の大ヒット舞台挨拶が、6月22日、東京・TOHOシネマズ日本橋にて行われ、主演の平泉成と、共演の佐野晶哉(Aぇ! group)、秋山純監督が登壇した。
あるた梨沙による同名漫画を原作に実写映画化した本作は、自分に素直になれない2人が、人々の抱える人生の思い残しのために奔走し、やがて思いもよらない奇跡を起こす様を描く、美しくて優しい感動作。
60年のキャリアを誇り、先日80歳を迎えた平泉成が、さびれた写真館を営むカメラマン・鮫島役で初主演を飾り、ファッション誌からのオファーが止まない気鋭のカメラマンで、鮫島の写真に心奪われ鮫島の弟子となる・太一を佐野晶哉が演じる。さらに佐藤浩市・吉瀬美智子・高橋克典・田中健・美保純・赤井英和・黒木瞳・市毛良枝ら錚々たる豪華俳優陣が集結した。
公開されるや、大きな反響を受けている本作。平泉は、「素晴らしい反応ばかりで。『久しぶりにこんなに温かい優しい映画が見られて嬉しいです』とか、『娘や息子たちにも観せたいなぁ』と言ってくれてるおじいちゃんやおばあちゃんがいらっしゃいましたし、 若い人からは『お父さんやお母さんにこの映画をプレゼントしたい』という方もいましたね」と喜ぶ。
佐野は「反響めちゃめちゃありました。中学の時の先生から友だち経由で『映画観たよ。成長して、こんな素敵な映画に出て』という連絡いただきました。また、僕は今22(歳)なんですけど、大学と同時に東京に出て、なかなか実家に帰れていない僕らの同世代の友達から、『そろそろ実家に帰らなあかんな』という感想をもらって。日常の中の些細なことやけど、友達の心を動かせた。こういう方が少しでもいたらいいなと思って、めっちゃ嬉しかったです」と充実感を滲ませる。
監督も本作の反響の多さに驚きつつも、毎日のようにエゴサの鬼と化しているそうで、「『親の写真撮りたくなった』とか、『子供に電話してみようと思った』とか、いろいろ家族のことを書いてくれると嬉しくて、ほぼ、“いいね”をしてるんです」と笑っていた。
この日も先日の誕生日祝いに佐野からプレゼントされた“メンカラ”ネクタイを締めて登場した平泉。登壇前から一緒に自撮りをしたりと相変わらず仲が良い平泉と佐野だ。佐野は「うちのおじいちゃんです(笑)」と満面の笑みを浮かべる。
家族思いの平泉のことを、佐野が「成さんの写真フォルダーの中はお孫さんの写真ばっかりですよ」と明かすと、平泉は「孫が可愛くてねぇ~」と目じりを下げる。
すると、MCから平泉本人には内緒で40年以上連れ添った妻、そして孫など家族から手紙が届いていることが告げられ、MCが代読することに。奥様から「『大輪の花 咲かずとも 充つる日々』は色紙に成さんがずっと書いて来た言葉です。今回、主人に大輪の花をプレゼントして下さった秋山監督や出演者、スタッフの皆様に心から感謝申し上げます。成さん おめでとう! 大輪の花 咲かせたね!(抜粋)」と言葉を送られると、思わず涙を流す平泉。他にも子供や孫など家族から送られた温かい手紙に「ありがとう」「ありがとうね」と返す。
「家族のために」と60年に渡る俳優人生を歩み続け、「積年の“想い残し”だった」と語っていた念願の初主演を果たした平泉だが、「いま一つ格好が良くない俺を、カミさんは40年以上もずっと支え続けてくれました。 だからそれ(大輪の花を咲かすこと)ができない自分が悔しくてね、ずっと自分に腹が立ってました。だから“大輪の花を咲かせなくても、俺はみんなに愛されて幸せだよ”ということをサインに書いていましたが・・・。カミさんや家族がずっと支えてくれて感謝しています。ありがとう」と、思いの丈を口にした。
一方で、佐野は「僕は、しんどいなって思う日もあるし、疲れたなって思う時もあるし、この仕事をやっていて、もちろん楽しいことがほとんどやけど、そうじゃない部分も経験する中で、こうやって成さんと出会えました。1日中撮影の時も、成さんが『こういう撮影初めてだな、主演っていいな』って言いながら楽しんでやっていらして、年齢も芸歴も1番上の成さんがスタッフさん全員に気遣いして、 僕らみたいな60年後輩に対しても気さくに話しかけてくれて、気遣わせへんようにしてくれて・・・そういう背中を見ていて、自分もここから戦っていけると思った。ほんまにこのタイミングで成さんに出会えて幸せで、俺って運がいいな!と改めて感じました」と涙をこらえながら言葉を紡いでいた。
最後に佐野は「太一が鮫島さんに出会って人生が豊かになったように、僕も成さんに出会えて人生が何倍も何十倍も豊かになりました。その出会いを作ってくれた監督にも感謝やし、58コ下(の僕)と、これだけ仲良くしてくださった成さんには本当に頭が上がりません。皆さんがこの映画に出会って、日常の中で、何か少しでも心の中に変化があれば、こんな幸せなことはないです」とコメント。平泉が「こんな晴れがましいところに立たせていただけるのは、生涯で一度きりかもわかりません。 でもまあ、まだなんとか元気ですので、やれるだけ頑張ってこれかもやっていきたいと思いますので、 またこんな時がありましたら、皆さんぜひ応援してください」とにこやかにメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
映画『明日を綴る写真館』
【ストーリー】
誰もが抱えている人生の“想い残し”。私たちに出来ることは、まだある。
さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)。彼の写真に心を奪われた気鋭カメラマン・太一(佐野晶哉)は華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えてまで深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた“想い残し”があることを知る。変わりゆく太一が、悔いのない未来のために踏み出した一歩。その先に続く、思いもよらない奇跡に涙する――。
出演:
平泉 成
佐野晶哉(Aぇ! group)
嘉島 陸 咲貴 田中洸希 吉田 玲 林田岬優
佐藤浩市 吉瀬美智子 高橋克典 田中 健 美保 純 赤井英和
黒木 瞳 / 市毛良枝
原作:あるた梨沙『明日を綴る写真館』(BRIDGE COMICS / KADOKAWA刊)
企画・監督・プロデュース:秋山 純
脚本:中井由梨子
企画協力:PPM
製作:ジュン・秋山クリエイティブ
配給:アスミック・エース
■公式サイト:https://ashita-shashinkan-movie.asmik-ace.co.jp/
■公式X:@shashinkan_m (https://twitter.com/shashinkan_m)
©2024「明日を綴る写真館」製作委員会 ©あるた梨沙/KADOKAWA
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