業界を震盪させる、最強で単純な異色の映画『バラシファイト』が、いよいよ7月28日より公開される。
本作は、公演後に劇場内を現場復帰する撤収作業「バラシ」にスポットを当てた、撤収作業×アクションの舞台裏バトルエンターテインメント。バラシは舞台に関わるスタッフたちにとって最も危険が伴い、集中力を要し、常に時間との戦いを強いられている。「演劇」に関わるすべてにリスペクトを込めた映画が完成。そして放送作家・演出家の開沼豊監督の映画デビュー作であり、アクション監督にシェイン・コスギを迎えた本格アクション映画だ。
アクションに欠かせない武器をバラシ道具に変え、戦いに挑むキャストたち。主人公の若手舞台監督・巴川健一役を小澤雄太(劇団EXILE)、演出部デビューの新人・手賀沼啓之役を寺坂頼我が熱演。偶然にも、『ウルトラマンジード』と『ウルトラマントリガー』に出演している“ウルトラマン”繋がりの2人に、インタビューを遂行! 劇中さながらに(?)息の合ったトークを展開し、本作の魅力を語ってくれた。
― 珍しい題材の作品ですが、本作の出演が決まったときの気持ちと脚本を読んだときの感想をお聞かせください。
寺坂頼我(以下、寺坂):オーディションの時から「絶対やりたいです!」って凄く前のめりでした。役をいただけて嬉しかったですし、アクション監督をはじめ、スタッフの方々も皆さん一流の方なので、教わることも多いだろうし、絶対に吸収するぞという思いで臨みました。最初に脚本を読んだときは、本当に面白くて笑いながらあっという間に読んでしまいました。どこをどのように映像化してくんだろう・・・と想像しながら読むのがめちゃくちゃ楽しくて。とても高揚しながら読みました。
小澤雄太(以下、小澤):僕はこの作品の企画段階からプロデューサーとお話をさせていただいていたのですが、主演を任せてもらえることになりまして。僕も(単独主演は)初めての挑戦なので、どこまでできるだろうかと緊張しましたが、プロデューサーの浅野さんが「僕の一番初めの作品は、小澤さんに出て欲しい」と言ってくださったので、二つ返事でお受けしました。ただ、体が追いつくかという不安もありましたが・・・、いい歳なんで(笑)。
準備する時間もあったので、とにかく“やってやるぞ!”という気持ちが大きかったです。脚本・監督の開沼さんとは準備稿の時点で初めてお会いして、僕の人間性を見ていただきながら、セリフを少し変えたりして僕に当て書きもしていただいた脚本になっていきました。出来上がった脚本を読んだときは、面白いと思いました。くだらないなぁ・・・とって笑ってしまうところもあるんですが、そこを真面目に本気になっている俳優たちのお芝居が面白いんですよ。
― 確かに、最初は「何を始めるの?」と俯瞰して観ているんですが、だんだん俳優さんたちの行動にハマっている自分がいます。
小澤:本当に最初は(みんながやっていることが)バカみたいだな・・・って思いますよね(笑)。でも、ふと気づいたときに、「あれ?ちょっと待って。本当に何かおかしいぞ」と感じてくる。空想と現実の境目のようなものをエンタテインメントとして表現できる作品ですし、エンタメ業界の裏側の一面を描いているので、業界の人にも刺さるだろうし、一般の人たちにもこうやって1つのエンタテインメントが出来上がってるんだということを知ってもらえる機会になればいいなと思ってます。
― 今日も役の衣装で登場していただきましたが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
寺坂:時々、スタッフさんと俳優の見分けがつかなくなるときがあって(笑)。顔を見たらわかるんですが、後ろ姿だと分からなくて。一体化していて、今までにないちょっと不思議な光景でしたね。
小澤:そうそう、確かに(笑)。凄く思いました。この作品の中でのメインキャストの“演者”は長谷川初範さんだけで、それ以外の俳優さんはみんな“スタッフ”役ですから。(俳優が)スタッフさんと話をしていたら、どっちがどっちかわからないという現象が起きてたよね。
寺坂:スタッフさんだと思って声をかけたら俳優さんだったということもありました。
― 座長の小澤さんから見た現場は?
小澤:僕はみんなが和気あいあいとして、楽しい現場になればいいなと思っていました。
映画の現場では、1人1人と喋る時間が作りづらいので、どうしたら現場を盛り上げることができるかと考えて、差し入れをしたり、みんなが笑顔で頑張れるように心がけました。
― テクニカルスタッフさんからしてみれば大切な道具を武器にされてしまうわけですが、「それ、使うんですか?」というようなクレームは出なかったですか?
小澤:まだ出てないですね(笑)。みんな面白がってました。もちろん演じるときはダミーの道具を使っていますし、本物と間違えないようにちゃんと管理してますから。ただ、わざと誇張している部分もあるので、スタッフさんたちが観て「わかる、わかる」という瞬間もたくさんあったと思います。
例えば、照明さんと音響さんの見えない戦いみたいなものがあるわけですよ。照明さんがセットを組み終わらないと音響チェックできないとか、音響さんがチェックしてるときに照明をいじると、今ちょっと音響やってるから・・・みたいな。そんな裏側の攻防をアクションで見せる。そこから人間の見えない裏側も垣間見えてきて凄く人間臭くて面白いんです。
― 今回は偶然にも“ウルトラマン”同士ということでしたが、お互いの印象はいかがでしたか?
小澤:はい。偶然にも。現場で会ったときに頼我くんから「勝手に先輩だと思ってます!」と言われたんですよ(笑)。「迷惑だから(笑)」って返しましたけど(笑)。
寺坂:だって、その頃凄く緊張してましたもん(笑)。僕は小澤さんのこれまでの作品も観ていましたし、「『ウルトラマンジード』のウルトラマンゼロの方だ!」と思って凄くドキドキしていました。初めてお会いしたときも、カッコいいなと思って・・・。
小澤:勘弁してくださいよ(笑)。何か食べたいものあるの? (・・・と、大照れ)
寺坂:いやいや(笑)。カッコいいんですけど、会話させていただくと、誰とでも気さくに飾らず、場を盛り上げて下さっていて、僕も真似したいな、小澤さんから色々吸収したいと思いました。
小澤:「はい!」「はい!」って、もうチワワみたいで可愛いんです。「頑張ってね、応援してるよ!」という感じでした。
― 劇中ではけっこう顔を近づけて対峙するシーンもありますが。
小澤:やりづらかったですよ(笑)、もう熱が凄くて(笑)。その熱が画面から伝わっているといいですね。若い人の熱量は、若いときにしか出せない熱さみたいなものがあるんです。売れてやるぞ、いい芝居をしようとがむしゃらになれる。開沼さんはそこを上手く出せる監督なんです。監督の要望通りに演じてくれた頼我くんは凄かったです。
― 若い方から人生を経験されてきた方まで幅広い年齢層の方が出演されているので、色々な角度から観ることができるかもしれません。長谷川初範さんをはじめ、レジェンドと呼ばれるような先輩たちとご一緒されていかがでしたか?
寺坂:長谷川さんは想像以上におちゃめな方で驚きました。でも、いざ撮影現場に入ると、セリフ1つでも言い方を追及されていて、少しでもお芝居を良くしていこうという精神と、お芝居が大好きなんだなということを肌で感じられて、めちゃくちゃ刺激的でした。こうなりたい、こんなに芝居が好きな大人になりたいと思いました。
小澤:僕はもう楽しくて仕方なかったです。これまで僕が関わってきた方たちが集まってくださいました。石倉さんに電話で「お願いします」と伝えたら、「お前、やると思ってたよ」と言ってくださって。現場で挨拶したら「もう楽しみだぞ!今日」と言いながら、「ただ、遅くなると眠くなっちゃうから早く帰せよ(笑)」みたいな。初範さんもワクワクしながら「ここ、どうする?」と言ってきてくださるし、浅野和之さんは一年前から出演をお願いしていました。関係性の中で自然に演じられたと思いますし、僕の中では、「これが僕の全部です!」と言える作品になっています。
― アクションをはじめ、演じていて大変だったところはありますか?
寺坂:今回の僕は“がむしゃらファイトでいく”という役柄だったので、荒々しさを出すためにアクロバットを入れたり、ずっと突っ走ったりしていますが、その中でちょっと小技を入れたりするので、緊張感を持って臨みました。あと、僕は初めて朝日を見つめながら撮影が終わるということを経験しました。どうしてもタイトな撮影になるので、体力的には大変でしたが、そこで食べたケイタリングがめちゃくちゃ美味しくて。あの豚汁の味が忘れられないです。
小澤:そうね、豚汁を作ったんですよ。寸胴(鍋)を現場に持ってきてもらって、材料を買ってきてもらってね。全部ぶっこんで、夜中にみんなで食べたんだよね。
僕が苦労した部分は、歳をとってくると、怪我が怖くなってくるんです(笑)。なので、この運動量をもって1週間で撮り続けることを考えて、トレーニングや体力づくりを1~2か月やりました。あと、今回アクション監督をシェイン・コスギさんが担当してくださったのですが、カメラワークもハードでしたし、アクションチームが凄く頑張ってくれました。撮影の前にちゃんとアクションの段取りを全部組んで、その準備も含めて緻密なアクションができあがったと思います。ぜひ注目して観ていただきたいです。
寺坂:クライマックスに近づいてくると、どんどんアクションも増えていくんですが、演じていてもなんか感動しちゃって、脳がじわ~としてくるんです。他の人のアクションを見ていても「僕もやりたい、アクションしてみたい」と思ってくるんです。観ている方が、この映画の世界に没入していくと思いいます。やっぱり最後の戦いが見どころかと思います。脳の素敵な部分が開花します(笑)。
小澤:脳の素敵な部分って、どの辺?(笑)
寺坂:こめかみのあたりかな。ここがグーっと来たんです! 泣きそうになりました。本当に小澤さんがカッコいいんです。
― やっぱり一番はアクションが見どころですね。
小澤:そうですね。もちろん、題名の通りアクションが見どころですが、アクションコメディというところにこだわりました。アクションコメディを日本で撮ることはなかなかないんです。アクションを全面に出していますが、その裏にはストーリーがあって、コメディの部分では全員が全力でふざけてる。そんな異次元なところがある。
アクションの中で登場するキャストの人間模様を面白おかしく描くのは難しいんですが、ちゃんと叶ってる。僕はこの映画1本丸々が見どころと考えているので、まずは観てほしいです。
― 本作の魅力が伝わってきました。それでは、これから劇場でご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
寺坂:ぜひ、この映画を観ながら一緒に戦ってください!お願いします。
小澤:全国で順次公開です。全国の皆さんに観ていただけるように、僕たちも頑張りますので、ぜひ映画館に足を運んで観てください。よろしくお願いします。
【小澤雄太(劇団EXILE)】
1985年10月8日生まれ。 2009年、参加した「第1回劇団EXILEオーディション」に合格し、俳優として活動を開始。2017年~2018年『ウルトラマンジード』への出演始め、映画『記憶にございません!』(19)や舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』(22)など話題作などにも出演し、俳優として長年活躍を続けている。
【寺坂頼我】
1999年12月26日生まれ。映画『ウルトラマントリガーエピソードZ』(22)に出演のほか、BS松竹東急「土曜日のトオルとカヲル」では司会も務め、歌手としてCDシングル発売し、多方面で活躍中。
撮影:ナカムラヨシノーブ
映画『バラシファイト』
【出演】 小澤雄太(劇団EXILE)
寺坂頼我 濵尾咲綺 石崎なつみ 浅野寛介 外岡えりか / 長戸勝彦 福井博章
石倉三郎 / 浅野和之(友情出演) 長谷川初範
【スタッフ】 監督・脚本:開沼豊 音楽:YOSHIZUMI Director of Photography:矢﨑よしかつ
【コピーライト表記】 ©K-Entertainment
【公式HP】 barashifight-movie.com
【公式Twitter】 @barashi_fight
TOHOシネマズ池袋、大阪ステーションシティシネマほかにて
7月28日全国順次公開
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◆予告編