映画『ばるぼら』の公開記念舞台挨拶が、11月21日、東京・神楽座にて行われ、W主演の稲垣吾郎と二階堂ふみ、監督の手塚眞が登壇。
漫画の王様と言われた手塚治虫が1970年代に「ビッグコミック」(小学館)に連載し、禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した大人向け漫画「ばるぼら」を実写化した本作は、手塚治虫生誕90周年を記念し、日本・ドイツ・イギリスの合作で映画化。人気小説家美倉洋介がある日出会った少女ばるぼらの魅力に翻弄されていく様を描く究極のラブストーリー。
二階堂との共演について、稲垣は「ずっと共演させていただきたいと思っていました。二階堂さんはばるぼらとしてそのまま存在してくれた。美倉の才能が開花したのはミューズであるばるばらのおかげ。そして、僕が役を全うできたのは二階堂さんのおかげだと思っています。僕にとってのミューズでした」と二階堂を称えた。
一方の二階堂は、稲垣について「私が物心ついたころからスターでした。吾郎さんの聡明さと博学なところが美倉とリンクしてとても魅力的になるだろうと思っていました。現場で学ばせていただいたことがたくさんあって感謝でいっぱいです」と共演を喜んだ。
手塚監督も「内容的に難しいものがあるが、二人ともプロフェッショナル。この二人がいなかったら映画は出来上がっていなかった。とても幸運に恵まれました。二人とこの場に立てて嬉しいです」と二人を絶賛し、満面の笑みを浮かべる。
海外のスタッフとの共同作業も新しい経験になったようだが、稲垣は「夢のような現場でした」と目を輝かせ、二階堂も「みんな同じ方向を向いて集結し、1つの作品を作るという芸術のあるべき姿を学びました」と充実感を滲ませる。
中国語、英語、日本語が飛び交った現場だったそうだが、「それでもバランスよい現場だったのは、(それぞれの)信頼があったからこそ」と稲垣。
美倉を演じ自身と似ているところは?と聞かれると、稲垣は「原作ではもっとマッチョな男らしいイメージがあったのですが、今の時代ではそこまで男性的なところをださないほうがいいかなと考えました。でも、愛におぼれる・・・そこまで振り切れることはないので、憧れたりもしますね」とコメント。
ばるぼらを演じた二階堂は「実態にないキャラクターなので、自意識を持たないようにしました。現場でもあまり考えないようにしていました」と話し、役がらと向き合った様子。
今月は手塚治氏の月命日となるが、監督は「父はヨーロッパのような映画が好きでした。この二人で父親も納得していると思います。太鼓判を押します」と自信。さらに「世界でも認められ、ぼく以上に父のほうが喜んでいると思います」と頬をほころばせていた。
また、この日のイベントではクリストファー・ドイル氏からサプライズでメッセージも届き、稲垣は「嬉しいですね。またどこかで再会できると思っています」と吐露。
最後に手塚監督から二人に感謝の気持ちを込め、それぞれをイメージした花束を贈呈した。
《STORY》
人気小説家美倉洋介は、新宿駅の片隅でホームレスのような酔払った少女ばるぼらに出会い、つい家に連れて帰る。大酒飲みでだらしないばるぼらだが、美倉はなぜか奇妙な魅力を感じて追い出すことができなかった。彼女を手元に置いておくと不思議と美倉の手は動きだし、新たな小説を創造する意欲がわき起こるのだ。ばるぼらはあたかも芸術家を守るミューズのようだった。その一方、美倉はエロティックで異常な幻覚に悩まされる。次第に彼の周囲は現実離れしてゆく。ついに美倉はばるぼらとの結婚を決意するが、それは同時に破滅への入口だった。
映画『ばるぼら』
稲垣吾郎 二階堂ふみ
渋川清彦 石橋静河 美波 大谷亮介 ISSAY 片山萌美 / 渡辺えり
◾️監督・編集:手塚眞
◾️撮影監督:クリストファー・ドイル/蔡高比
◾️原作:手塚治虫
◾️脚本:黒沢久子
◾️ 配給:イオンエンターテイメント
◾️コピーライト:(C)2019『ばるぼら』製作委員会
◾️スペック:2019年/100分/カラー
◾️ 映倫区分:R15+
◾️公式HP:barbara-themovie.com
シネマート新宿、ユーロスペースほか全国公開中
◆本予告