全国公開を迎えた映画『blank13』の舞台挨拶が都内で実施され、主演の高橋一生(37)、神野三鈴(51)、佐藤二朗(48)、村上淳(44)、リリー・フランキー(54)、永野(36)と、監督齊藤工(36)がイベントに登壇した。
本作は、13年前に突然失踪した父が余命3カ月で見つかったことから始まるある家族の物語で、実力派、個性派俳優陣が集結し。家族の歴史が紐解かれていく前半パートと、何が飛び出すかわからないアドリブ全開の後半パートを見事に融合させている。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて“最優秀作品賞”にあたる、ゆうばりファンタランド大賞の受賞を皮切りに、第20回上海国際映画祭[アジア新人賞部門]では、日本人俳優として初となる《最優秀監督賞》受賞、第15回ウラジオストク国際映画祭【長編コンペティション部門】にて、高橋一生、リリー・フランキー、斎藤工の3人が最優秀男優賞トリプル受賞(日本人初&映画祭史上初)、第3回シドニー・インディ映画祭では4部門【最優秀脚本賞(西条みつとし)/最優秀楽曲賞(金子ノブアキ)/最優秀編集賞(小川弾/木村悦子)/最優秀ドラマ賞】にノミネートされ《最優秀脚本賞》を受賞する快挙を成し遂げるなど、世界中の映画祭を席巻している作品だ。(14カ国/18映画祭に出品/6冠獲得※1/15現在)
高橋は登壇すると「ようこそいらっしゃいました。楽しんでいってください」と笑顔で挨拶し客席からは悲鳴とも取れる歓声があがった。その後挨拶を振られた永野は「まだ役が抜けなくて…芝居だと喋れるんですがこういうバラエティの場だと…」とクールに話し始めるが、すかさず「これバラエティじゃないですから!」と齊藤につっこまれ、チームワークの良さを伺わせた。村上は「ずっと舞台を観てきた神野さんと共演できて本当に嬉しかった。工君、ありがとう!」と感謝の意を述べ、佐藤は「僕と村淳が出ているシーンは動物園のようなシーンなんですが、僕たちだけ浮いてないか不安だったんですよね。完成後もなかなか観る勇気が出ませんでした。まぁ浮いてるんですけどね」と佐藤節を炸裂。
さらに、バスケットボールを手に登場した村上について高橋は「僕が小学生のときに校庭でタンクトップ姿でバスケをしている格好良い男性がいた。バスケットボールは放物線を描くように山なりに投げるんだよ、って教えてくれたので山なり兄さんって僕は呼んでたのですが、その山なり兄さんが村上淳さんだったんです」と驚きのエピソードを披露すると、村上は持っていたボールを観客にプレゼントし、会場を沸かせた。続いて神野は「私は家族のシーンばかりでしたが、とにかくリリーさんと共演できてとっても幸せでした」と満面の笑みで語るとリリーも同調し、「家族のシーンはとにかく濃度が濃かった。入るだけで楽しかったですね。でも一番思い出に残っているのはファーストカットを撮影した日に蛭子さんが1時間遅刻したことですね」と裏話を暴露して会場は爆笑に包まれた。
そして今世界中が盛り上がっているオリンピックとかけて、個人の力が発揮されるフィギュアスケートとチームワークが求められるカーリング、どちらの方がblank13に近いかという質問に対して永野が「カーリングですね!誰か一人でも抜けたら成立しない」と熱弁し、会場は大盛り上がり。
終始和やかな雰囲気で過ぎた舞台挨拶だったが、佐藤が「最初は低予算な自主映画の企画だと思っていた。それがこんなに大きな劇場でこれだけの人が集まって、感慨深い。都内1館から始まって、口コミで徐々に全国に広がっていくというのも映画として素晴らしいよね」と熱く語ると、齊藤も「最初は劇場に空きがなくて、公開するまでに1年かかりました。今後は台湾でも上映を予定していて、先日の地震で被害を受けた方々にグッズの売り上げの一部を義援金としてお渡しするつもりです」と話し、会場からは拍手が起こった。
『blank13』は全国順次公開中。
《ストーリー》
借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3ヶ月で見つかった。しかし家族との溝は埋まらないまま、父はこの世を去ってしまう。果たして父は13年間なにをしていたのか? もう取り戻せないと思っていた13年間の空白が、葬儀の参列者が語る父のエピソードで、家族のだれも知らなかった父の真実とともに埋まっていく…。
映画『blank13』
監督:齊藤工
出演:高橋一生、松岡茉優、斎藤工、神野三鈴、佐藤二朗、リリー・フランキーほか
原作:はしもとこうじ
脚本:西条みつとし
音楽:金子ノブアキ
配給:クロックワークス
(c)2017「blank13」製作委員会
公式サイト:http://www.blank13.com/
全国順次公開中