映画『BLUE/ブルー』の公開記念舞台挨拶が、4月10日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の松山ケンイチをはじめ、共演の木村文乃、東出昌大、柄本時生、そして吉田恵輔監督が登壇した。
吉田監督が30年以上続けてきたボクシングを題材に自ら脚本を書きあげた本作は、成功が約束されていなくとも努力を尽くす挑戦者たちの熱い生き様を描いた青春ストーリー。情熱はあっても才能がなく、試合には勝てない・瓜田役を松山、瓜田と同じ事務所に所属する強さと才能を合わせ持つ後輩・小川役を東出、モテるために始めたボクシングにのめり込んでいく新人・樽埼役を柄本が演じ、瓜田の初恋の人であり、今は小川の婚約者の千佳役を木村が扮する。
公開を迎え、松山は「ホッとしている気もちと、（映画を観終わった）皆さんが良かったと拍手してくれて幸せな気持ちです」と笑顔を見せた。「東出くんも、時生も（頑張って）やっちゃう人なんで（自分が）足を引っ張らないようにとだけ思っていました」と話し、役に打つ込んだ様子。続けて、「東出くんなんて、いつも体を20秒くらい見ていたんだって？」とイジると、監督も「オレは20分って聞いた」と乗っかり、思わず東出が「ない、ない、ない･･･」とタジタジになって否定する。
東出は、「僕は初めての映画の舞台挨拶が、『桐島、部活やめるってよ』の時でこのバルト９でした。約10年経って、またこの劇場でたくさんのお客さんの前でこの日を迎えることができて感慨深く、ありがとうという気持ちと安心したという気持ちです」と感激もひとしお。
また、「僕も練習しようとジムに行ったんですが、プロのボクサーの人がシャドー（ボクシング）をしているなと思ったら松山さんだった。すっかりジムの住人になっていましたよ」と返し、松山を照れさせる東出だった。
柄本は普段あまり体を酷使することがないところから「頑張ってよかったなと思います」としみじみと語った。
一方、木村は「私は蚊帳の外だったんですが、皆さんが話ているところをこっそり聞いたら、『あいつのステップがいい』とか『このバンテージがいい』とか･･･。この人たちは役者じゃないのかと思いました(笑)」と明かし、会場の笑いを誘った。
劇中では、松山演じる瓜田が、木村演じる千佳にバンテージを巻くシーンも見どころの一つ。松山は「バンゲージを巻きながら話すので、間違えないようにとだけ思っていました」と告白するも、「あの瞬間だけは二人の世界になれた。変な意味じゃなくて、二人とも裸でいたような気持ちがした。邪魔なものが全部なくなっていた」と回顧。その言葉に木村も「（心が）裸だったと思う」と同調していた。
ラストのシャドーボクシングのシーンに注目が集まるが、松山は「監督からシャドーがお一番難しいと聞いていたので、皆が監督に追いつきたいと思ってやっていたと思う」と自信をのぞかせる。監督は「後楽園ホールのシーンに力を入れ過ぎて、そのあとのエキストラを呼ぶのを忘れていて、スーパーのシーンでは一般のお客さんに入ってもらったんです」と裏話も明かしていた。
最後に松山が「映画は、自分の背中を押してくれる、勇気を与えてくれる存在。自由に行動できない今の世の中ですが、エンターテイメントの力は変わっていません。映画の力を共有していただけたらと思ってこれからもやっていきたいです」と決意も新たにメッセージを送り舞台挨拶を締めくくった。
＜ストーリー＞
時に人生は残酷だ。
どれだけ努力しても、どれだけ才能があっても、約束された成功なんてない。
誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川に奪われた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。
松山ケンイチ 木村文乃 柄本時生 / 東出昌大
監督・脚本・殺陣指導：吉田恵輔 ※吉田恵輔の「吉」は「つちよし」が正式表記
主題歌:竹原ピストル「きーぷ、うぉーきんぐ！！」（ビクターエンタテインメント）
製作：『BLUE/ブルー』製作委員会（東映ビデオ 日活 ファントム・フィルム AMGエンタテインメント レイラインピクチャーズ）
製作幹事：東映ビデオ
制作プロダクション：ステアウェイ
配給・宣伝：ファントム・フィルム
2021年／カラー／ビスタ／5.1ch／107分
公式サイト：http://phantom-film.com/blue/
Twitter @bluemovie_21 #挑戦者たちの青春
©2021『BLUE/ブルー』製作委員会
全国公開中
