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池松壮亮、母校に凱旋!「皆さんで新しい世界を作って行ってほしい」奥山大史監督とともに学生たちにエール! 映画『ぼくのお日さま』Q&A付き試写会

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映画『ぼくのお日さま』の公開を記念し、7月25日に⽇本⼤学藝術学部 江古⽥キャンパスにて、学⽣に向けて Q&A 付き試写会を実施し、奥⼭⼤史監督と池松壮亮が登壇した。

奥山大史監督オリジナル作品となる本作は、田舎街のスケートリンクを舞台に、吃音のあるホッケーが苦手な少年、選手の夢を諦めたスケートのコーチ、コーチに憧れるスケート少女の3つの心がひとつになっていく・・・雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない小さな恋たちの物語が描かれる。

大学在学中に制作した長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』が、第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞、長編2作目となる商業映画デビュー作の『ぼくのお日さま』でカンヌデビューし、第 26 回台北映画祭では「審査員特別賞」「観客賞」「台湾監督協会賞」をトリプル受賞した奥山大史監督。そして、劇中で日藝の卒業生でもあり、夢に敗れた元フィギュアスケート選手のコーチ・荒川を池松壮亮が演じる。

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満席となった教室で、、学⽣たちの温かい拍⼿で迎えられた奥⼭監督と池松。監督は「初めてこの⼤学に来ましたが、感激しています。こんな設備があるんですね」と笑顔を⾒せ、久しぶりに⺟校におとずれた池松は「実は、今⽇の試写は、⼀般の⽅に初めてのお披露⽬なんです。⾃分の⺟校ということもありますが、これから未来に⽻ばたいていく皆さんにお届けできるということは本当に光栄だなと思っています」と感慨深げ。

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3⼈のスケートシーンについて「どのように撮ったのか︖」と問われた監督は「⾃分もスケートの経験があったので、スケート靴を履きながら撮りました」と状況を説明し、「スケートリンクにはけっこう照明にもこだわって、窓の数だけ⼤きい照明(器具)を⽤意してもらいました。基本的にスケートのシーンはドキュメンタリーであって、台本には“だんだん上⼿くなっていく 3 ⼈”としか書いてなく、池松さんに演出していただきながら演技をしてもらいました。ほとんどアドリブでしたね」と振り返る。司会者から「スケートがお上⼿でしたね」と⾔われた池松は「上⼿じゃないですよ。ごまかし、ごまかしね・・・(笑)」と照れながら、「これまでも⾊々なことに取り組ませていただきましたが、今までで⼀番難しかったです」と本⾳も。「奥⼭さんも監督をしながらカメラを回して、実際に滑りながら撮影していますから。湖のシーンは 4 ⼈で 2 ⽇間(カメラを)回しっぱなしでした」と苦労を語る。

池松のクランクインは湖の 3 ⼈のシーンで、「⼦供たち 2 ⼈には脚本を渡していないので、カメラの前であらかじめ決められたことをやるというよりも、新鮮に物語と出会っていくというスタイルだったんです。なので、どうしても⾃分がコーチ役として 2 ⼈を導いていかなければいけなかったですし、とにかく 2 ⼈のキラキラした輝きをどれくらい映画に残していけるかでした。俳優は皆そうですが、⼈は反射するものなので⾃構えることなく本当に⼼を通わせるということの⼀点勝負だったと思います」と役と向き合った様⼦。

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この⽇は学⽣からも多くの質問が⾶び交い、1 つ1つ丁寧に答えた監督と池松。「タクヤの学校が円形校舎でしたが、それを選んだ理由は︖」という質問に、監督は「⽯狩にある校舎だったんですが、物語を 2000 年くらいの時代に設定したかったんです。限定した時代ではなく余⽩を作りたかった。今はあまり⾒なくなった校舎で 2000 年代がピーク(に建設された)らしいんです。独特な画も作れて、屋上の景⾊がとにかく素晴らしくて」と答える。

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フィギュアスケート経験者だという学⽣から「指導の⽅法の表現が凄く良かったです。どのようにその場⾯を作っていったのか︖」と、突っ込んだ質問も。監督は「元フィギュアスケーターの⽅に監修に⼊ってもらい、その⽅と池松さんとでリアリティーあるシーンを作ってもらいました」と明かす。

また、奥⼭監督の代表作でもある『僕はイエス様が嫌い』も本作も監督の⼦供のころの経験をヒントに制作されているが、「⼦供のころの経験を作品にするうえで⼤切にしていることは︖」という問いに、監督は「やっぱり⼦供のころって、今よりももっともっと感情起伏があったというか、本当に些細な事で凄く落ち込んだり、舞い上がったりとして、あのときの時間がとても⻑く感じたし、キラキラして⾒えるし、そういったものがカメラのレンズを通せば、もう 1 回呼び起こされるんじゃないかと思うし、そういう映画を作りたいと思っています」とし、「実体験ではないところの感情をどう取り⼊れいくか、考えながら撮影していきました」と、⾃⾝の映画作りの根底となる感情を伝えた。

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⼀⽅で、池松は「学⽣の頃の経験は全部活きていると思います。いい学校ですもんね(笑)。(⼤学の)社会に出る前の4年間は、本当にギリギリに残された猶予として、(⾃分は)あまり褒められた学⽣ではなかったんですが、映画を観たり、ひたすら考えたり・・・そういう時間を過ごしたことが、その後の⾃分の俳優活動にもの凄く活きてきたと思っています。幼少時代では、今回の⼦役の⼦たちと同じくらいの 11〜12 歳がデビューだったので、初めて俳優に触れたくらいの歳。何もわからない状態でしたが、そんな中で映画を体験するってどういうことなのか、⾃分は初めて映画に参加した時に何を思っていたか、どういうふうに世界を⾒ていたのか
を、今回たくさん振り返る時間になりました」と、⾃⾝の経験をも振り返っていた。

さらに、「⾃分の表現を磨いていく⽅法があったら教えてもらいたい」という⾔葉に、監督は「それは僕も探し中ですが、結局は何か好きな作品を⾒つけたら、その作品に関してなぜ⾃分が好きだと思ったかを⾔葉にしていく。それを繰り返していくしかないと思います」と持論を展開。池松は「僕は常に流動的でありたいと思っていますし、様々なスタイルを獲得していきたいと思っています。昔は⾃分のスタイルって何なのかなと考えましたけど、今はいろんなものをマネしていいし、そして⾃分の表現に対して素直になることだと思っています。そうしたら必ず⾃分のスタイルというのは結果として出てきますから。どんどん取り込んで、どんどん素直に表現していけばいい」と、俳優としての観点から意⾒を述べた。

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池松は本校で監督のコースを専攻していたが、監督から「どうして監督コースだったの︖」と問われると、「監督は専⾨的なことを知らないとできないですが、演技は誰かに教えてもらうものではないのではないかと若いころから勝⼿に思っていて。技術ではない表現が、⾃分のお芝居の理想だと思っていたところがあった」と答えていた。

最後に監督は「これだけ素晴らしい技術と素晴らしい先輩がいるなかでその背中を追いかけながら学べるのは最⾼に羨ましいです。そう思われる場所にいることに誇りを持って、映画作りを⽬指していってほしい。いつかお仕事でご⼀緒できたら」と声をかけ、池松が「監督は皆さんとあまり歳が変わらないんです。⼤活躍の監督が脚本もカメラもやるという、これまでのルールを破っていく。いい映画を作っていくのにルールを必要ない。これまでのルールをぶち壊して新しい世界を作って⾏きたいと思いますし、ぜひ僕も皆さんとお仕事できる⽇を楽しみにしています」とエールを送り、イベントを終了した。

映画『ぼくのお日さま』
【ストーリー】
吃音のあるアイスホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、「月の光」に合わせフィギュアスケートを練習する少女・さくら(中西希亜良)の姿に、心を奪われてしまう。ある日、さくらのコーチ荒川(池松壮亮)は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似て何度も転ぶタクヤを見つける。タクヤの恋の応援をしたくなった荒川は、スケート靴を貸してあげ、タクヤの練習をつきあうことに。しばらくして荒川の提案から、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習をはじめることになり……。

監督・撮影・脚本・編集:奥山大史
出演:越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也、山田真歩、潤浩ほか
主題歌:ハンバート ハンバート
本編:90分
公式HP bokunoohisama.com
配給:東京テアトル
(C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

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9月6日(金)テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテにて先行公開
9月13日(金)全国公開