Amazon Original映画『Broken Rage』の配信記念記者会見が、2月５日にオークラ東京にて行われ、監督・脚本・主演を務める北野武をはじめ、共演の浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建が登壇した。
Prime Videoにて2月14日（金）より、240以上の国や地域で世界独占配信されるAmazon Original映画『Broken Rage』。本作は世界中で賞賛を浴び続けている北野武が監督・脚本・主演を務め、「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作され、約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使ってコメディタッチで描き出す。北野監督が映画の常識を覆すべく手掛けた衝撃作となっている。
日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品され高い評価を受けた本作。現地の反響を聞かれた北野は「着いた日にボートに乗ったんですけど、頭をぶつけてしまって。そこから記憶がないんですよ」とまさかの発言。「浅野くんと大森くんと（ステージに）立っているんですけど、記憶がない･･･。今はもう大丈夫です。一応、脳波を調べてもらったんですが、『衝撃を受けた形跡はありますがもう治っていますね』と。関係者に反響を聞くと、まあ俺には悪いことは言わないけど、写真で撮ったお客さんの反応を見ると“良かったんだな”と。恥ずかしいんだけど、覚えていないんです」と話し、会場には驚きの空気が流れる。
同行した大森と浅野も戸惑いながら、大森は「あんなに楽しい時間を過ごしたのに覚えていないなんて･･･」と苦笑い。浅野は「（観客は）前半では、今までの北野監督のテンションでいるんです。でも後半のパターンになるといきなり雰囲気が変わって、アットホームな雰囲気に包まれて。僕らも観客と一緒に笑って観ていました」と、現地の反応を明かしていた。
大森は「劇場に入ると、たけしさんの古くからのファンの方がいっぱいいて。レッドカーペットでは僕にも写真を見せて“サインして”と言ってくれるんですが、だいたいが浅野くん写真なんですよ･･･」とぼやき、会場の笑いを誘った。
また、本作は北野監督にとっても、映画界の常識を打ち砕く意欲作。北野は「ネット配信ということはわかっていたが、２時間半以上ある作品をどうやって編集しようかと思っていた。家で寝転がっているような雰囲気で編集をしていたら、えらく短くなったんです。配信と（劇場で観る）映画と同じテンションで撮影しているので、編集でこうも変わるのかと･･･」と、新しい試みに監督自身にとっても発見があった様子。
さらに、「絵画は何千年の歴史があるが、映画の歴史は何百年程度。これをとっかかりにして進化していくべきだと思う。今作は実験的な映画だと思っています」と、映画界の発展に思いを馳せる。
タイトルの『Broken Rage』について問われると、「『アウトレイジ』でそれなりの成功を収めたので、（アウトレイジの）暴力、現代的なヤクザに対してのパロディーという意味も含まれていますし、自分のこれまでの“映画のキャリア”を壊す（Broken）という意味も含めていますが、まぁ、あんまり深い意味はないんですよ(笑)」とあっけらかんと笑っていた。
この日の会見では、海外からも質問が届き、「監督がコメディアンであり俳優だったということを知らなかった」という人には「映画は総合芸だと思っている。小説が言葉を並べているのに対し、映像でそれを伝えたらたくさんのことが伝わる。（映画は）いま一番の芸術だと思っています。今思うと、コメディアンの経験も映画に繋がってきていると思うし、一番楽しめるエンターテインメントにかかわってこれたことを嬉しく思います」と、映画への愛情を口にした。
最後に北野監督が「かなり実験的な映画です。グレードとしてはそんなにひどくないと思いますよ。お金を払って損したとは思われないだろうと思う。ここにいる役者が（演技が）上手いし。映画の方しておし、ベクトルがまた違うものになっていると思いますが、たくさん届くことを期待しています」とメッセージを送り、会見を締めくくった。
Amazon Original 映画『Broken Rage』
監督・脚本・編集:北野武
出演:ビートたけし
浅野忠信 大森南朋
仁科貴 宇野祥平 國本鍾建 馬場園梓 長谷川雅紀(錦鯉) 矢野聖人 佳久創 前田志良(ビコー
ン!) 秋山準 鈴木もぐら(空気階段)
劇団ひとり
白竜
中村獅童
音楽:清塚信也
製作：Amazon MGMスタジオ
制作プロダクション：北野エージェンシー
コピーライト: ©2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
※作品の視聴には会員登録が必要です。(Amazon プライムについて詳しくは amazon.co.jp/prime へ)。
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