EXILE HIRO、SSFF & ASIA 代表 別所哲也、作詞家 小竹正人の3人によって打ち出された、詩と音楽、映像を一つに融合するプロジェクトの第4弾 『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』。
本作は、短篇6作それぞれの主題歌からインスパイアされ生み出された物語に、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが主演、主題歌を担当し全員が参加。SABU、新城毅彦、山下敦弘、森義隆、真利子哲也、久保茂昭ら、数々の名作を世に送り出してきた監督たちがGENERATIONSの“今”を切り取った。今日という一瞬一瞬を重ね、明日へと歩みを進める我々には、いつもそっと寄り添ってくれる歌がある。映画と音楽の力に込められメッセージが織りなす珠玉の短編集がここに誕生した。
今回は、『真夜中のひとりたち』(新城毅彦監督)に主演された関口メンディーさんと、『水のない海』(久保茂昭監督)に主演された小森隼さんにインタビューを遂行! これまでのイメージを封印して作品に臨んだ彼らが感じたこととは? それぞれの撮影の裏話や作品の魅力について語ってもらった。
― 本作に挑戦することで、新しい自分を発見するようだったとお聞きしましたが、役作りのために、キャラクターのバックボーンを考えたりしましたか?
関口メンディー(以下、関口):自分の中で整理をするために監督に話を聞いたりしましたが、その上で簡単に自分なりに生い立ちを設定してみました。でも、あまり考え込まずにそのまま素直に演じるように心がけました。
小森隼:(以下、小森):僕が今回参加するにあたって、監督が二つ作品を用意してくださっていたんです。そこで、僕がやりたいとお願いしたのが『水のない海』でした。実は監督も『水のない海』のほうがいいなと思われていたそうなんです。今までの僕のイメージにないものを撮るということが、僕と監督の共通のテーマでした。ユキオに対して、僕自身とは真反対の感情や表現方法を意識すると、おのずとそちらに近づいていきました。演じるために役のバックボーンを作るというより、自分を投影しながら作品に臨ませていただきました。
― 関口さんはそのまま素直に演じられたとのことですが、ご自身と共通することや共感する部分があったのでしょうか?
関口:「それ、凄くわかる」というようなことが特にあったわけではありませんが、青木という役になりきることを考えました。そして、これまで自分はコミカルな役を演じることが多かったので、その部分をできるだけ削ぎ落して、普通に演じることを強く意識しました。
― また、それぞれ素晴らしい女優さんと共演されていますが、関口さんは阿部純子さんとご一緒されていかがでしたか?
関口:阿部さんのお芝居から自分の色々な感情を引き出してもらいました。阿部さんがいなければ今回の役を演じることができなかったと思っています。現場で一緒に役を作り上げていった感じでした。
― 小森さんは、ルナさんとの共演はいかがでしたか?
小森:ルナさんはとても明るい方で、気さくにお話させていただき、現場の雰囲気は凄く和やかでした。
― 演じていて特に難しかったところはありましたか。
小森:僕は日本語同士の会話ではなく、相手は全部中国語の言葉でコミュニケーションが取れない中での演技でした。監督から中国語が本当にわからない状態で現場に来てほしいと言われていたので、何を言っているのかわからない状態で本番が始まりました。どこで自分のセリフを言ったらいいんだろうかとか、間合いを掴むのが難しかったです。でも、逆にそのぎこちなさが自然体な演技として表情や動きに繋がったのかなと完成作品を観て感じました。
― ずっと自転車で渋谷の街を走り回っていて大変ではなかったですか?
小森:大変でした(笑)。体力的には全然余裕だったんですけど、人目が・・・ちょっと恥ずかしかったですね。渋谷の中心を通勤の時間帯に走っていましたから。
― 関口さんは朝も早く、夜通しの撮影だったとか?
小森:あれは大変そうだよね。
関口:はい。通勤の時間帯とかもありますし、朝焼けのこともあるので、時間的な緊張がある中での撮影でした。
― 関口さんが朝焼けを見たときの顔がとても素敵です。
関口:ありがとうございます!
小森:うん、素敵だったよね。
関口:僕の新しい表情を見ていただけると嬉しいです。
― 本作は6つのショート作品が揃っていますが、ほかのメンバーの作品で気になる作品があったら教えてください。
小森:僕は(白濱)亜嵐くんの『言えない二人』です。この作品は僕の『水のない海』の“言葉でコミュニケーション取れない”とはまた違う環境ですが、お互いがコミュニケーション能力も高くて友達同士で関係性があっても、一歩踏み出す勇気が出ないと、人って言葉が出なくなるものかなと感じました。改札のシーンでは言葉は出せないけど体だけ動いてしまうという驚きともどかしさ・・・。誰か想うときの心の機微って美しいなと思いました。
関口:僕は(中務)裕太くんの『怪談 満月蛤坂』です。台本を読んだときに裕太くんに濡れ場のシーンがあるとわかって「マジか!」と驚きました。もう全然想像がつかなかったです。
小森:うん。確かに!
関口:なので、どうなるんだろうと、ちょっとワクワクドキドキしながら完成作品を観させていただいたんですが、全く違和感なくて「凄いな裕太くん!」と感動しました。裕太くんもこれまで芝居経験があまりないのですが、それを全く感じさせなくて、本当に役に入り込んでいました。
小森:あれは完璧だったよね。
― 皆さんの個性が詰まった作品が一つの映画として上映されていますが、この『昨日より赤く明日より青く』という題名をどのように受け取りましたか?
関口:全部作品ができた後にこのタイトルが決まったんです。たぶん小竹さんとHIROさんが話し合って決められたと思うんですけど・・・。
小森:僕はこの意味を聞きました。これは(片寄)涼太くんの小竹正人さんとの往復書簡集「ラウンドトリップ 往復書簡」にも書かれていますが、僕たちは未成年の頃からGENERATIONSというグループを始めていて、人として成長していく過程を共にしていく中であの頃より確実に成長したけど今の段階ではまだまだ成熟しきっていない、これからまだ先がある・・・という過渡期にいます。そんな僕らに、昨日より確実に成長しているけど、これから先まだまだ成長できるよねっていう意味を込めて『昨日より赤く明日より青く』という言葉を、小竹さんが思いついたそうです。
「君たちは全然まだまだなんだよ。でも自分でその良さを認めてあげてほしい」という優しい気持ちですよね。それはやっぱり小竹さんが僕らがデビューする前から見てくださっていたからこそ。小竹さんでなければ出てこないタイトルだと思います。改めてこの言葉は自分にグッとくるものがあります。
― なるほど。思いのこもったタイトルなんですね。また各作品がショートフィルムなので、観た方にまだ想像する余白が残っているところもあり、受け方によっても作品の幅が広がってくるという未知数を感じられるのかもしれません。
小森:そうですね。もしかしたら今日感じたことは明日には全然違うものになっているかもしれないですし、そういうところに紐づけられる方もいると思います。人それぞれの解釈があると思います。
― そういう意味でも何回も観ていただきたいですね。
小森・関口:ぜひ、何回も観ていただけたら嬉しいです。
― では最後に、ご自身の作品の中でおすすめポイントをお聞かせいただけますか?
関口:僕が一番好きなシーンで、一番楽しみにしていたシーンは村上淳さんとのシーンです。あまり長いシーンではないのですが、あの撮影がとても楽しかったです。村上さんのお芝居がテイクの度に毎回変わるんです(笑)。そのときのその言葉の引き出しとか、そう来るんだと、カルチャーショックというか、一流の役者さんはこうなんだと痛感させられました。
小森:わぁ、おもしろそう! いいね。
関口:シーンのインパクトはもちろん、存在感もあってその場所に残してくる感じは、やっぱり一流なんだなと。素敵な出会いでした。
小森:この作品で出会ってから何度も食事に行ってね・・・。
関口:行ってないから(笑)。「HIROくんによろしく!」で終わっているから(笑)。
小森:僕は、ユキオがルナさんの家で頭にコップを置いてピンポン玉で遊ぶというゲームのシーンです。あれが冗談抜きで見事に決まりまくって。本当に3連続で決まっちゃって、リアルに「うわー!」って言っているんです。あのシーンだけ素の小森隼になっています(笑)。そのシーンを嘘なく使っているっていうのがいいなと思っていて。冒頭でもお話ししましたが、この役に自分を投影させていると思っているので、ユキオが本当に喜ぶ瞬間ってこれぐらい喜びたいんだなというレンジが一気に広がる瞬間でもあるので、そこは見どころですし、ぜひ注目していただきたいポイントです。
撮影:ナカムラヨシノーブ
映画『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』
【イントロダクション】
詩と音楽、映像を一つに融合したプロジェクトの第4弾。今回は6篇全てにGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが参加。SABU「BLUE BIRD」はドジな兄と陽気な弟とのかけがえのない絆を、新城毅彦「真夜中のひとりたち」はそれぞれ大切な人を喪失した男女が歩く東京の一夜を、山下敦弘「言えない二人」は幼馴染に想いを伝えられない男のもどかしい気持ちを、森義隆「怪談 満月蛤坂」は美しい女の幽霊に愛された料理人の怪異を、真利子哲也「COYOTE」は新型コロナ禍で急変する世界を、久保茂昭「水のない海」は他人との関わりを避けてきた青年と中国人留学生との出会いを、監督それぞれの個性あふれる物語が展開する。
●「BLUE BIRD」
監督:SABU 出演:佐野玲於、醍醐虎汰朗 主題歌:「あおいとり」 KAZUKI(DOBERMAN INFINITY)
●「真夜中のひとりたち」
監督:新城毅彦 出演:関口メンディー、阿部純子、村上淳
主題歌:「笑うしかないトラジディー」 数原龍友(GENERATIONS from EXILE TRIBE)
●「言えない二人」
監督:山下敦弘 出演:白濱亜嵐、門脇麦、坂井真紀 主題歌:「そんなことキミに言えない」 DEEP SQUAD
●「怪談 満月蛤坂」
監督:森義隆 出演:中務裕太、山田真歩、久保井研、筒井真理子 主題歌:「散る散る満ちる」 伶
●「COYOTE」
監督:真利子哲也 出演:片寄涼太、ステファニー・パーク、藤井武美、板倉武志
主題歌:「サクライロ」 片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)
●「水のない海」
監督:久保茂昭 出演:小森隼、ルナ、聡太郎 主題歌:「愛だけは・・・」 iScream
エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO
企画・プロデュース:別所哲也
コンセプトプロデューサー:小竹正人
企画製作 LDH JAPAN
制作:パシフィックボイス
配給:LDH PICTURES
©2021 CINEMA FIGHTERS project
公式HP:www.akakuaoku.toeiad.co.jp
Twitter:@cinema_fighters
公式YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/channel/UCsht3aMCewt7lmsDka-3AnA
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