今年高校生になったばかりの俳優・豊嶋花は、1歳で芸能活動をはじめ、これまでも多くの作品に出演し、キャリアは15年。現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」では、徳川家康の正室・瀬名(有村架純)の侍女・たねを演じている。そんな豊嶋が2月23日より配信・劇場公開されたNetflix映画『ちひろさん』で、ちひろに心惹かれる高校二年生・瀬尾久仁子(通称:オカジ)として出演。
彼女は、偶然にも大河ドラマと続けて有村と共演し「凄く嬉しかったです!」と笑顔を見せ、「オカジが好き」と目を輝かせる15歳のキュートな女の子。今回出演した『ちひろさん』の魅力、そして自身の夢を語ってくれた。
― 本作への出演が決まったときのお気持ちと、原作を読んだときの感想をお聞かせいただけますか?
原作を読ませていただいて、とても独特な雰囲気があって面白い作品だと思いました。1人の女性がたくさんの人を成長させる姿が素敵だなと感じました。
― ご自身と近い年齢ですが、少し年上の高校生を演じられました。オカジという役をどのように捉えて演じましたか?
撮影当時はまだ中学生だったので、高校生の様子があまり分かっていなかったので、どんな感じなのか、兄に聞いてみたりしました。オカジのキャラクターは原作をよく読んで彼女の雰囲気を自分の中に落とし込んでいきました。
― オカジも“ちひろさん”と関わっていくうちに成長していくわけですが、成長していく変化を少しずつ表現していくのは難しくなかったですか?
やはり難しかったです。でも、オカジにとってその成長こそが見どころだと思うので、周りの方にも助けられながら、何とか演じきるように頑張りました。
― 撮影現場の雰囲気も良かったのですね。
はい。現場はいつも明るくて、和やかでした。ただ、私とマコト役の嶋田鉄太くんが20時までに撮影を終えなければいけないという時間的な制限があったので、時間に追われると少し張りつめた感じになることはありましたが、基本的にはとても良い雰囲気でした。
― 有村さんとの共演はいかがでしたか? 現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」でも共演されているんですね。
そうなんです。大河ドラマでお会いしたときに、有村さんから「またすぐ会えて嬉しいよ」って言っていただいて本当に嬉しかったです。大河ドラマでの役どころ(侍女役)は時代こそ違いますが、『ちひろさん』の有村さんとの関係がポジション的に近いものがあると感じて、そんな形でまた共演できて凄く嬉しかったです。
― 有村さんとはどんなお話しをされたのですか?
有村さんは物静かな感じなので、たくさんお話をするということはなかったのですが、「普段どんなことしてるの?」とか、寒い日は「大丈夫?寒くない?」とか、声をかけてくださいました。本当に優しくて、役者さんという前に人として素敵な方でした。
― あと、オカジとマコトくんとのコンビがとても楽しいですね。
鉄太は本当にやんちゃで大変でしたが(笑)、一緒にいてとても楽しかったですし、素で演技をしてくれるのでアドリブもやりやすかったです。
― アドリブのセリフもあったのですか? 二人のやりとりがとても自然です。
アドリブはけっこうありました。私も等身大の女の子を演じることができたと思うので、アドリブも自然に出てきた感じがします。
― なるほど。オカジとご自身と似てると思うところはありましたか?
オカジは、自分が納得できないことや嫌だなと思うことがあっても我慢していたけれど、ちひろさんと出会って自分に正直に生きている人のことは素直に受け入れていき、どんどん前向きになっていきます。そんなオカジの姿が好きですし、私も自分らしく生きたいと思いました。私も人の影響を受けやすいので、そこはオカジと似ているかもしれません(笑)。
『ちひろさん』場面写真
―ちひろさんが何気なく言うセリフが心に響きます。豊嶋さんから見て、この作品の魅力は何だと思いますか?
ちひろさんが本当に魅力的な人なんです。ちひろさんがたくさんの方を笑顔にしたり、前向きにさせていくところが、とても素敵。オカジもちひろさんと出会って前向きに生きていく自信を持つことができました。でも、ちひろさんは決して誰かに“こうしたほうがいい”というような押しつけるような気持ちはないんです。オカジがちひろさんから受けた影響を上手く表現できていればいいなと思っています。この作品をご覧になった皆さんも、きっとちひろさんから得るものがあると思います。あと、この物語には悪い人が一人も出てこないんです。
― ちょっと哀愁を帯びた、とても心が温かくなる作品ですね。そんな作品を手掛けられた今泉監督の印象は? 監督からはどんな演出がありましたか?
今泉監督には今回初めてお会いしました。最初は独特な雰囲気を持っている方だなって思いましたが、お話しをすると凄く優しい方でした。演技中でも、助監督さん越しにではなくて、その都度演技しているところまで来てくださって、役者さんと直接話をすることが多かったです。作品に対する強い気持ちが感じられて、ついていきたいと思う監督さんでした。
オカジは、底抜けに明るいキャラでもないし、かといってめちゃめちゃ暗いわけでもないので、その絶妙なところを表現することが難しくて、監督とよく話し合っていきました。
今泉監督は「こう演じて」というのではなくて、「このシーンはこういうシーンにしたいんだよね」という感じなので、それをどうやって演じるかは自分で考えなきゃいけないんです。もちろん監督が具体的に教えてくださるときもありますが、やっぱり自分で考えた方がしっくりくるので、自然に(演技が)できたのはそのおかげかなって思っています。
― 本作に出演して、豊嶋さんが新たに得たものは何かありますか?
作品の内容とは関係ないんですが、1人でロケ地の静岡に滞在する期間が長かったので、少し自立することができました。色々なことを自分でやらなきゃいけないので、いいきっかけになりました。ロケ地が海の近くで、自然豊かなのどかな場所だったので、凄くリフレッシュできました。
― 豊嶋さんは幼いころから俳優のお仕事をされていますが、演じる上で心がけていることはありますか?
う~ん、なんだろうな・・・。(しばらく考えて・・・)練習しすぎないことが一番大事かなって思っています。小学生のときぐらいまでは「言い方はこういう感じで」とか、「全部台本を覚えて、ここで声を張り上げよう」みたいに考えてやっていました。それだとやっぱりわざとらしくなっちゃうんですよね。だから無感情でセリフを覚えて、演じるときにそのセリフに初めて感情を乗せるというやり方が、今の自分には合っていると思います。現場で作っていくのが一番自然に表現できるのかなと。
― 俳優としての目標や夢があったら教えてください。
一番大きな目標は、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞することです。もう少し近い夢で言えば、サイコパスの役を演じてみたいです。
― 似合うかも! ぜひ、豊嶋さんのサイコパス、見てみたいです!
本当ですか? やったぁ!私はけっこう童顔なので、そういう役はあまり似合わないかもしれませんが、ぜひやりたいです。
― これからも色々な顔をたくさん見せてくださいね。俳優をやっていなかったら何をやっていると思いますか? お仕事以外でやりたいことは? また何かハマっていることはありますか?
ディズニーランドのキャストさんとかやりたいと思ったこともあります(笑)。あとは、海外に行ってみたいです。たとえば英語などの外国語を学んで、アメリカや他の国に触れることで自分がより成長できることができるかなと思っていて。あと、今はUVレジンでアクセサリーを作ることにハマっています。樹脂でできている透明の液体なんですけど、それをシリコンの型に入れてUVライトで固めて作るんですが、作り始めるともう夢中になっちゃって(笑)。
― それでは最後に、映画『ちひろさん』のPRと俳優としての今後の意気込みをお聞かせください。
『ちひろさん』は本当に素敵な作品です。ぜひ、ちひろさんから強運をもらっていただきたいです。私もちひろさんみたいにたくさんの方の人生を前向きにできるような、そんな演技ができる女優さんになりたいなと思っておりますので、皆さん応援よろしくお願いします。
【豊嶋 花 Hana Toyoshima】
2007年3月27日生まれ、東京都出身。主な出演作として、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』『あまちゃん』『ごちそうさん』、NHK大河ドラマ『八重の桜』、『昼顔~平日午後3時の恋人たち』(フジテレビ)、『トットちゃん!』(テレビ朝日)、『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』(フジテレビ)、映画『外事警察 その男に騙されるな』『真夏の方程式』『恋妻家宮本』ほか多くの話題作に出演。2021年に放送された『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ)で一躍注目を集め、第34回フジテレビヤングシナリオ大賞『瑠璃も玻璃も照らせば光る』(フジテレビ)ではドラマ初主演を務める。2023年にはNHK大河ドラマ「どうする家康」に出演。
ヘアメイク:亀田 雅
撮影:ナカムラヨシノーブ
Netflix映画『ちひろさん』
<ストーリー>
きっと彼女に、会いたくなるー。
ちひろは、海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働く元・風俗嬢。
ちょっと口が悪くて、マイペース。そして自由。そんな彼女は街では浮いている。へんな”おとな”だ。
でもなんでだろう、彼女に会いたい。
ひとり母の帰りを待つ小学生、本音が言えない女子高生、そして無口なホームレスのおじさん・・・・ちひろの優しくない言葉と素っ気ない態度が、さびしくて不思議とあったかい。
この不思議を体験しに、さあ、ちひろさんに会いに行こう。
有村架純
豊嶋花 嶋田鉄太 van
若葉竜也 佐久間由衣 長澤樹 市川実和子
鈴木慶一 根岸季衣 平田満
リリー・フランキー 風吹ジュン
原作:安田弘之『ちひろさん』(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織 今泉力哉
音楽:岸田繁
主題歌:くるり「愛の太陽」(VICTOR ENTERTAINMENT / SPEEDSTAR RECORDS)
製作:Netflix、アスミック・エース
制作プロダクション:アスミック・エース、デジタル・フロンティア
配給:アスミック・エース
PG12
公式HP:https://chihiro-san.asmik-ace.co.jp/
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/ちひろさん
©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014
2月23日(木・祝)より
Netflix世界配信中&新宿武蔵野館にて劇場公開中
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