映画『ちょっと今から仕事やめてくる』の初日舞台挨拶が、5月27日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、主演の福士蒼汰をはじめ、共演キャストの工藤阿須加、小池栄子、吉田鋼太郎と、成島出監督が登壇した。
本作は、「長時間労働」「パワハラ」「自殺」など、今の時代に即した重いテーマで、働く人の共感の涙を誘った、累計70万部を突破した北川恵海のベストセラー小説を実写映画化。
『八日目の蝉』や『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』で知られる成島出監督がメガホンをとり、ブラック企業に勤める青山隆役を工藤が務め、幼なじみだと名乗る謎の男・ヤマモトを福士が演じ、働くことの意味、生きるということは何なのかを問う感動の物語。
劇中で初の大阪弁を披露した福士は、バヌアツ共和国のロケで撮影されたシーンではビスラマ語にも挑戦している。「さぞ大変だったでしょう?」と問われると、「大変でしたが、言語は好きなので楽しく勉強しました」と爽やかな笑顔を見せ、「バヌアツは海も空も人の心もきれい。現地の子供たちと触れ合うことができて、その心のきれいさと豊かさに癒されました」と振り返った。
工藤もバヌアツロケに同行したそうだが、5日間滞在のうち撮影は1日だけ。「撮影以外の日は、ホテル前の海でボーッとしたり、青山はバヌアツ来てどんなことするんだろう?と考えたりしていました」と話すと、吉田に「せっかく行ったのに大したことしていないな」とツッコまれ、小池からは「うらやましい。お土産くらい欲しかったわ」と言われ、苦笑い。
また、映画のタイトルにちなみ、「ちょっと今から俳優やめてくる」と題し、もし俳優をやめたら何になりたい?という問いに、農業の勉強をしていたという工藤は「農家。野菜作りがしたいです」と答え、福士は「俳優をやめたら何もしないで、世界一周したいです。予定を立てずに旅したい」と明かした。小池から「福士くんは英語ペラペラだもんね」と言われると「ペラペラではないですね。ペッ、くらいです(笑)」と返して、会場の笑いを誘う場面も。
吉田は、「飛行機が嫌いなので、あえてパイロットになりたい。だいたい、他人の運転を信用していないんですよ」と笑い、小池は「スナックのママになって人生相談にのってあげたい」と語っていた。
イベントの終盤には、サプライズで成島監督から福士と工藤にねぎらいの言葉が送られた。
撮影時には厳しくあたっていたという監督。「最初は正直きついかなと思ったので、相当二人を追い詰めました。そこから5か月間、1日も休まずに本当に頑張ってくれました」とし、「みなさんが今日、目にしたものはその成果です。この作品で二人とも一皮向けたと思うし、これから日本映画界を背負っていく俳優がここに誕生したと思います。これまで二人を褒めたことがなかったのでちゃんとお礼を言いたい。本当にありがとうございました」と称えメッセージを伝え、熱い抱擁を交わした。
神妙に監督の話を聞き入っていた二人だが、感激のあまり声が出ない。福士は「ありがとうと言うのは、僕の方だと思います」と声を詰まらせ、「僕を役者として育ててくれたのは成島監督だと思います。これからも僕は役者人生を歩んでいきますが、今の気持ちはたぶん一生忘れない。監督に出会えたことは僕の大きな財産になりました」と大粒の涙を流し、感謝の気持ちを表した。
一方の工藤も「不安しかなかったところに、どうやって役者として生きていったらいいかを監督が愛をもって教えてくれました」と声を震わせ、「よく二人でも話したのですが、次に成島監督の作品に出させていただくときは、僕らが監督を助けられる役者になって、いつか必ず成島さんに恩返ししたいと思っています!」と涙ながらに力強く語った。
最後に、福士が「この映画は、社会問題などのメッセージや家族の愛の物語など、いろいろな見方があって、感想がとても気になります。生きること、死ぬことを考え、僕も全力で自分の時間を生きて、全力で生きている人を助けたいと思います。観た人にもそういう風に感じてもらえたら嬉しいです」と伝え、舞台挨拶を締めくくった。
『ちょっと今から仕事やめてくる』
【ストーリー】
ブラック企業で働く青山隆(工藤阿須加)は、仕事のノルマが厳しく精神的に追い詰められていた。疲労のあまり駅のホームで意識を失い、危うく電車に跳ねられそうになってしまう。すんでのところで青山を救ったのは、幼馴染みのヤマモト(福士蒼汰)と名乗る男。だが、青山には彼の記憶がまったく無かった――
大阪弁でいつでも爽やかな笑顔をみせる謎の男、ヤマモトと出会ってからというもの、青山は本来の明るさを取り戻し、仕事の成績も次第に上がってゆく。そんなある日、青山はヤマモトが深刻な表情で墓地行きのバスに乗車するところを見かける。不審に思った青山がヤマモトについて調べてゆくと、何と3年前に自殺していたことが分かる。それではヤマモトと名乗る、あの男は一体何者なのか?
その真実が明らかとなるラストに、誰もが涙する感動の物語。
福士蒼汰 工藤阿須加
黒木華 小池栄子 吉田鋼太郎
原作:北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
監督:成島出
脚本:多和田久美 成島出
(C)2017 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」製作委員会
公式サイト:http://choi-yame.jp/
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