市川染五郎・杉咲花・イシグロキョウヘイ監督登壇
1 年2ヶ月の延期を経て公開、市川染五郎「率直に嬉しい」
人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガール Story、劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』(松竹配給)が 2021年7月22日(祝・木)初日を迎え、主演の市川染五郎、杉咲花、監督のイシグロキョウヘイが新宿ピカデリーにて初日舞台挨拶を行った。
1年2ヶ月の公開延期を経て、ようやく迎えた公開初日に全員感無量。とくに染五郎さんと杉咲さんは今日がお客様の前にたつイベントは初めて。染五郎さんは「本来ではあれば去年の 5 月に公開されるはずだったものが、2回も延期になってしまって、とても残念な思いと悔しい思いがありました。この日を迎えられて率直に嬉しい気持ちでいっ ぱいです。」と映画公開の喜びを口にした。
杉咲さんも「いつお客さまのもとに無事に届くのだろうと思っていたんですけど、今日この日を迎えられて、しかもこの映画にぴったりの夏の季節に公開になることが嬉しいです。」と公開初日を迎えての思いを語った。
そしてイシグロ 監督も「公開延期があったんですけど、怪我の功名だと考えております。結果、7 月22日の夏休みの初めの日に作品にそぐう形で迎えられたことを僕はポジティブに捉えております。」と話した。
この映画で初めての声優にチャレンジした染五郎さんは「チェリーという役はとても人見知りで自分の思ってる気持 ちをうまく言葉にできない、でも唯一自分の気持ちを表現できるのが俳句という少年なんですけど、自分自身も人見 知りでチェリーととても似ている部分がたくさんあって。不思議なご縁というか、ここまで似ている役をやらせてい ただくのはご縁を感じました。」と自分との共通点を語った。そして俳句という点に関して「歌舞伎のセリフも七五調という、台詞回しがありますので少し似ている部分があるので、それは通ずるものがあるんじゃないかなと思いま した。」と歌舞伎界の超新星ならではの目線で語った。
杉咲さんは「スマイルはコンプレックスがありながらもとっても前向きに進んでいく女の子で、彼女がいるだけでパッと明るくなるようなポジティブな空気を纏った人。個人的にはすごく好きなキャラクターです。」と明るく語った。
アフレコでは監督のこだわりで掛け合いを求めてキャストは 2 日に渡り、一緒に行ったという。アフレコ時のことや共演をした山寺宏一や花江夏樹の声優陣に対して染五郎さんは、「今、この状況であったら、同じブースで間近に実際にプロの方が行っているのを拝見できなかったと思うのですごく貴重な経験だったと思います。特に山寺さんはフジヤマ役を主にやられていましたけど、トムという猫の役もやられていて。自分はアフレコの日まで知らなかったのでいろんな声をお持ちなんだなと改めて思って。間近に見てすごいなと感動しました。」と語ると監督も笑顔。
また映画の好きなシーンを聞かれると「一番最後のクライマックスのシーンは、“チェリー頑張れ”と応援したくな る。自分が演じている間も、気持ちが一番高まってチェリーが感情をさらけ出した。タイトル通りサイダーのように 気持ちがスカッとなるシーンなので一番好きですね。」と語った。染五郎さんのアフレコの思い出としてイシグロ監督は「当時の彼は中学三年生で声変わりがようやく終わりかけで、叫ぶのは喉を痛めてしまうからリスキーだった。 それを説明した上でも 3 回も回して、しかも全部全力で。最後の3回目のを本編で使っているんですけど、音を聞いて欲しいですね。がらっとした声が入っている感じに気持ちが乗っていて素晴らしいシーンになっているんですよ ね。」とチェリーのお気に入りのシーンとしてあげた。
杉咲さんは「スマイルがチェリーの声を『可愛いと思う』って言うシーンがすごく好きです。相手のここが素敵だな と思ったところを素直に伝えられるスマイルも素敵ですし、きっとそういうふうに褒められることってチェリー自身 もあんまり経験してこなかったからこそ、二人の関係性にとっても希望を感じさせるシーンですごく印象的なシーン ですね。」
そして公開を記念してサイダー樽の鏡開きが行われた。小槌で割られた、樽からは勢いよく銀テープが噴射!登壇者 たちは驚きながらも笑顔が溢れた。
監督がこの作品を一言で表すと“ハッピーエンド”だと語る本作。「これから世の中どうなるか、僕たちは予測がなかなかつかない状態ですけど、爽やかになれるような映画をご用意しておりますので、ポジティブな気持ちになって明 日も頑張っていただければと思っております。」と呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。
【作品概要】
本作は、人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガール Story。監督を務めたのは、「四月は君の嘘」、「クジラの子らは砂上に歌う」などを手掛け、繊細で叙情的な演出に定評のあるアニメーション監督・イシグロキョウヘイ。バンドで活動した経歴を持ち、音楽にも造詣が深い彼が、言葉×音楽をキーワードに、少年少女の「ひと夏の青春」を描いたオリジナルアニメとなっている。
主人公であるチェリー役には、初映画、初声優、初主演となる歌舞伎界の超新星・八代目 市川染五郎を起用!ヒロインのスマイル役は、若手随一の確かな表現力で高い評価を受ける杉咲花が担当。また、山寺宏一や藩めぐみ、花江夏樹、神谷浩史、坂本真綾ら旬な声優陣も勢揃いし、フレッシュな競演が「ひと夏のできごと」を輝かせる!
音楽制作を務めるのは、「マクロス」シリーズをはじめ、アニメーションの劇伴やアニソン制作において第一線を走り続ける音楽レーベルフライングドッグ。同社の 10 周年記念作品ともなる本作は、『映画 聲の形』などの劇伴制作で知られる牛尾憲輔が担当。タイトルと同名の主題歌を never young beach が、劇中歌を大貫妙子が書き下ろすなど、注目を集めている。
【STORY】
17 回目の夏、地方都市——。
コミュニケーションが苦手で、俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがて SNS を通じて少しずつ言葉を交わしていく。
ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。
だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って——。
物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。
アニメ史に残る最もエモーショナルなラストシーンに、あなたの感情が湧き上がる!
【CAST】
市川染五郎 杉咲 花
潘 めぐみ 花江夏樹 梅原裕一郎 中島 愛 諸星すみれ 神谷浩史 坂本真綾 山寺宏一
【STAFF】
原作:フライングドッグ
監督・脚本・演出:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤 大
キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子
アニメーションプロデューサー:小川拓也
劇中歌:「YAMAZAKURA」大貫妙子 主題歌:「サイダーのように言葉が湧き上がる」never young beach
アニメーション制作:シグナル・エムディ×サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会
配給:松竹
公式 HP:http://cider-kotoba.jp
公式 Twitter:@CiderKotoba
©2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会
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