シネマ歌舞伎『三谷かぶき 月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち』
歌舞伎を映画館でお楽しみいただく「シネマ歌舞伎」最新作『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』がついに 10月2日(金)より全国公開する。
公開に先駆けて完成披露上映会が開催され、本作の作・演出そしてシネマ歌舞伎の監修をめた三谷幸喜(59)と本作に出演した松本幸四郎(47)、片岡愛之助(48)が上映前の舞台挨拶に登場し、本作の見どころや公演時の思い出などをたっぷりと語った。
話題のドラマでも活躍中の歌舞伎俳優の魅力について、三谷は「普通のお芝居ではアドリブを言うのは認めていないが、歌舞伎俳優はお芝居がしっかりしていて、型が出来ているか ら、どんなに外れても上手く戻すことができる。なので、僕は歌舞伎に関してはアドリブ解 禁したんです。」と語り、「ある日、志村けんさんのギャグのアドリブを出演者みんながするので、おかしいと思ったら、客席で志村さんがご覧になっていたんです。」というエピソードも披露。
幸四郎は、「ロシアに漂流する物語の歌舞伎で、一体どうなるか分からない中、自分たちは漂流してはいけない。目指すゴールに向かってまっすぐ進んで行くだけという想いでやり切った。三谷さんの作品は、いつの間にかお芝居の世界に引き込まれていて、楽しい。絶対 に凄いものになるという安心感があり、(自分たちは)皆さんにお見せするのに徹すること が出来ました。」と話し、続けて愛之助も「あて書きされる三谷さんなので、稽古場でも皆とコミュニケーションをとって、目立たない役も膨らんで台詞が増えたり、日々進化していく様子が印象的でした。」と稽古場でのエピソードを披露した。
また、この後映画を観る観客を前に、三谷は「大学の頃からファンだった、原作『風雲児たち』の作者みなもと太郎さんの描き下ろしアニメーションが本作の冒頭に入るんです!」と嬉々として話し、幸四郎に「ネタバレになるから」と制されていた。
本作シネマ歌舞伎『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』は 10 月 2 日(金)より、全国の映画館にて公開。
◆シネマ歌舞伎『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』
収録公演:令和元年六月 歌舞伎座公演 本編尺:130分(予定)
原作:みなもと太郎 作・演出:三谷幸喜
出演:松本幸四郎 市川猿之助 片岡愛之助 八嶋智人 坂東新悟 大谷廣太郎
中村種之助 市川染五郎 市川弘太郎 中村鶴松 片岡松之助 市川寿猿
澤村宗之助 松本錦吾 市川男女蔵 市川高麗蔵 坂東竹三郎 坂東彌十郎
松本白鸚
語り 尾上松也
公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/44/
【あらすじ】
鎖国によって外国との交流が厳しく制限される江戸時代後期。
大黒屋の息子光太夫は、商船神昌丸の船頭(ふながしら)として伊勢を出帆します。
しかし江戸に向かう途中で激しい嵐に見舞われて帆は折れ、大海原を漂流することになるのでした。
海をさまよう神昌丸には17人の乗組員たち。
船頭の光太夫、経験豊富な船親司(ふなおやじ)三五郎、最年長の乗組員九右衛門、喧嘩ばかりの水主(かこ)庄蔵と新蔵、どこか抜けている小市、三五郎の息子の青年磯吉…。
光太夫はくじけそうになる乗組員を必死で奮い立たせ、再び故郷の伊勢へ戻るため方角もわからない海の上で陸地を探し求めます。
漂流を始めて8カ月─。
神昌丸はようやく発見した陸地に上陸します。ところがそこは日本ではなく、なんとロシア領のアリューシャン列島アムチトカ島。
異国の言葉と文化に戸惑いながらも、島での生活を始める光太夫たち。厳しい暮らしの中で次々と仲間を失いますが、光太夫らは力を合わせ、日本への帰国の許しを得るため、ロシアの大地を奥へ奥へと進みます。
異国から来た日本人である光太夫たちに対して、親切なキリル・ラックスマンをはじめ、行く先々でさまざまな人の助けを得て、ようやく光太夫はサンクトペテルブルグにて、女帝エカテリーナに謁見することが叶い…。
2020年10月2日(金)より、東劇・新宿ピカデリーほか全国公開