シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎II ワンピース』の応援上映会が、11月4日、東京・新宿ピカデリーにて開催され、中村隼人と福士誠治が舞台挨拶に登壇した。
国民的人気マンガ「ONE PIECE」の世界と四代目市川猿之助による「スーパー歌舞伎Ⅱ」が奇跡の融合を果たした舞台スーパー歌舞伎Ⅱ 『ワンピース』。2015年11月に新橋演舞場公演を撮影し、映像ならではのカットをふんだんに盛り込んで、舞台版の魅力のエッセンスを凝縮したシネマ歌舞伎となって全国95館の映画館で公開中。その公開を記念し、ファン待望の「シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎II ワンピース』応援上映 ~宴だ!みんなで盛り上がろう!すーぱーふぁーふぁーたいむ~」と題したイベントが実現した。
応援上映は、声援OK、コスプレOK、サイリウムOKという特別な上映会で、生の舞台に参加しているような体感的に楽しめるというもの。サンジ、イナズマの2役を演じた中村隼人と、エース役を演じた福士誠治が登場すると会場は早くも大喝采。
「サンジが大好きなんです!」と、役にあわせてダブルのスーツと小さめのネクタイ姿決めた中村は「マンガをずっと読んでいて、一番好きなキャラクターがサンジでした。でも、最初に猿之助兄さんから(中村の役は)ゾロだと連絡が来ていて・・・。殺陣まわりはどうするんだろうと考えていたら、後から『ごめん、サンジだった』とLINEで連絡が来たんです(笑)」と明かし、念願のサンジ役を喜んだ。
一方の福士も「実は、出演が決まったとき、僕には3役やらせたいと言われたんです。こりゃ大変だと思っていたら、ただ今回はストーリー的に、エース救出がメインとなるので、あまり他の役をやらせないほうが良いかもしれないということになり、仕方なく“一役で”となりました(笑)」と裏話を吐露。
舞台の上演中は、隣り合わせの楽屋だったが間の麩を開け放し、部屋にして一緒に使っていたというほど仲の良い二人。福士は中村から見得を教わり「10歳も下なんですが、教え方も上手で、ていねいに教えてくれるんです。隼人が隣り(部屋)じゃなかったら、もっとカッコ悪いエースだったかも(笑)」と感謝の気持ちを表わすと、中村も「逆に歌舞伎ではない部分やアクションなど、よりサンジがカッコよくなるように。色々教えていただきました」とお互いを称えあった。また、福士が「水が流れる場面では隼人が濡れて楽屋に帰ってくるんですが、僕は毎日、裸にバスローブ姿の隼人を見ていました(笑)」と暴露すると、会場から黄色い歓声が上がる場面も。
人気マンガの歌舞伎として表現することについて、中村は「アクションシーンや立ち回りは、歌舞伎ではリアルにやるのではなく、刀同士もあてないでやるんです。“悪魔の実”などの再現とか、どうやるんだろうと不安がありましたが楽しみでもありました」と話しつつ、「リアルさを追求しすぎなかったところが良かった。プロジェクトマッピングでエースの火拳を表現するのは舞台ならでは。さらに歌舞伎の技法でもある水をたくさん使う演出などを上手に取り入れることができて良かったです」と振り返り、その出来栄えに満足げ。
福士も「歌舞伎役者は芝居の仕方が違うので、難しい部分もありましたが、お客様に心を伝えるという長い歴史の芝居の原点として、とても勉強になりました」と歌舞伎に敬意を見せていた。
イベントでは、中村が見得や歌舞伎の掛け声などを観客にレクチャー。最後に福祉が「サイリウムを持って映画を見ることもなかなかないと思いますので、存分に盛り上がってください!」と声をかけ舞台挨拶締めくくり、応援上映をスタートさせた。
シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎II ワンピース』
市川猿之助 市川右近 坂東巳之助 中村隼人 市川春猿 市川弘太郎 坂東竹三郎
市川笑三郎 市川猿弥
市川笑也 市川男女蔵 市川門之助 福士誠治 嘉島典俊 浅野和之
【原作】尾田栄一郎
【脚本・演出】横内謙介
【演出】市川猿之助
【スーパーバイザー】市川猿翁
【主題歌】『TETOTE』楽曲提供:北川悠仁(ゆず)
【製作・配給】松竹
(C)尾田栄一郎/集英社・スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』パートナーズ
【上映時間】118分
特設サイト
東劇・新宿ピカデリーほかにて全国公開中!