シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』公開記念「父の日」舞台挨拶が、6月17日、東京・東劇にて行われ、歌舞伎役者の歌舞伎俳優の市川染五郎と市川團子が登壇。
染五郎は父と言えば松本幸四郎、團子の父は市川中車(香川照之)。本作でもそれぞれ親子共演を果たしており、「父の日」のこの日、父親とのエピソードを語った。
歌舞伎の舞台を映画館で楽しむというテーマのもと制作された“シネマ歌舞伎”の最新作『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』が、絶賛公開中だ。物語は、お伊勢参りから帰ってきた弥次郎兵衛(松本幸四郎、当時=市川染五郎)と喜多八(市川猿之助)のお騒がせコンビがアルバイト先の歌舞伎座で起こった事件の奇想天外な謎に挑むという“やじきた”初のミステリー。
自身の父親はどんな人?と問われると、染五郎は「変な人です」と。「ポテトチップスは野菜じゃない」と続ける。MCから「息子ながらに変だなと思っているということですか?」と聞かれると、「そうです。変なことは数え切れない・・・」とこぼし、会場の笑いを誘った。
團子は、「昆虫の心を理解している(人)」と。「家の洗面所に昆虫の本が置いてある。リビングに行くとそこにもある。台所にもある」と、あきれ顔(?)。「何というか、父のことより昆虫のことのほうが思い浮かんでしまいました」と明かし、笑った。
父親の尊敬しているところは?と聞かれると、染五郎は「いつも挑戦しているところです。“挑戦”という言葉において高麗屋(の精神)を受け継いでいて凄いと思います」と伝え、團子は「歌舞伎のことではないですが、以前、映画『ゆれる』を見て、感情をあらわにしている演技がすごいなと思いました」と吐露。MCから「(NHK Eテレの教養番組の)『香川照之の昆虫すごいぜ!』の演技も含めてですか?」と問われると、「あれは、演技なんですか? あれは演技ではないじゃないですか」と淡々と答えていた。
「東海道中膝栗毛」は、今年も歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で新作が上映されることが決まっており、猿之助、幸四郎、染五郎、團子の4人で宙乗りをすることでも話題を集めているが、染五郎は「市川猿之助さんの宙乗りをしている姿を見て、『いつかやりたいね』と二人で話していたんです」と目を輝かす。これまで宙乗りの演目はあったものの、4人同時にするのは初めてのこと。歴史的な挑戦について、團子も「凄く嬉しいです。憧れの宙乗りをこんなに早い歳でさせていただき光栄です」と微笑んだ。
最後に父に向けて、染五郎はカードを書いたそうで、「いつもありがとうございます。これからもお芝居のことを教えてください」と明かし、「何も用意してません」と苦笑いの團子は「これからもよろしくお願いします」と照れながらメッセージを送っていた。
シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』
制作・配給:松竹
公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/