コンシューマーゲームシリーズ計15万本以上、コミカライズシリーズ100万部以上、そのほかにノベライズ、オリジナルアニメ、ドラマCDなど幅広く展開したホラーゲームシリーズ「コープスパーティー」。2015年8月に生駒里奈(乃木坂46)主演に迎え、実写映画化、ネットシネマとしても公開された。そのシリーズ最新作『コープスパーティー Book of Shadows』が、いよいよ7月30日に公開される。
そして、今作より新キャラクターとして登場する“刻命裕也”を演じるのは、映画、舞台、ドラマで幅広く活躍する青木玄徳。強烈なキャラクターを務めた彼が、役への思い、映画作りへの熱い思いを語ってくれた。
― 出演オファーを受けていかがでしたか?
前作があることは知っていましたが、実は原作についてはよく知らなかったんです。役作りをするために色々調べさせていただきました。強烈なキャラクターでしたので、それが映画に上手く出ているといいんですが・・・。
― 最初から最後まで気が抜けない映画。この作品に臨むときのお気持ちは?
久しぶりに「来たな!」と。自分が演じる上で、色々ぶつけやすいキャラクターではあるんです。腰を入れてしっかりと振っていこうという感じのキャラクター。自分の中に溜まっているものをこのキャラクターを通してぶつけていっている感じですね(笑)。
― “刻命裕也(きざみゆうや)”という強烈なキャラクターですが、ご自身と似ていると思うところはありますか?
“刻命裕也”のキャラクターに対して、特に共感するところはないし、自分と似ているとは思わないです。でも、異次元のキャラクターで、実際にはあまりいないタイプ。それはアニメやゲームなどの2.5次元だからこそ表現できるキャラクターであり、ファンタジーの中にいる存在なので、普通の芝居ではできないことができて、楽しかったです。
顔面半分失って歩くなんてありえないし・・・(笑)。普通ではありえないシチュエーションということが演じやすかったですね。
― 青木さん演じる“刻命裕也”は、他のキャラクターとは違うタイプですね?
最初に監督から「今回は、人間の狂気でも勝負していきたい」という話がありました。僕は二極化したキャラクター、前半と後半では全然違う雰囲気にしました。でも、心の中は真実にしておこうと思って。観てくださる方の受け止め方は千差万別ですから。みんなと逃げて、何とか助かろうとする “刻命”と、人を襲ってしまう“刻命”の両方とも本物として嘘なく(人物像を)作れたらいいなと思いました。僕の気持ちは、彼は最初からみんなを騙そうとしているのではなく、何かのタイミングで、彼の中でスイッチが入ってしまい心変わりをしてしまった・・・かわいそうな奴かなと。
― 確かに、ここでスイッチが入ってしまったのかな?と思うシーンがありますね。
戦場の兵士の心理にも、ちょっと似たようなものがあるんじゃないかな。自分の理性を保っている、みんなを守らなくてはいけない、何かのために生きている・・・そういうものがパチッと切れる瞬間があるかもしれない。仲間や人が目の前で死んでいく状況に置かれて、「もういいや」と諦めてしまう。自分の中に湧いてくる焦燥感や納得できない感情、そして自分の欲を満たすために生きてしまおう、という心理。映画の後半ではそんなスイッチが入ったんですね。
― 撮影は順調でしたか?
僕の撮影はタイトなスケジュールで、ほとんどNGなしで進み、ほぼ一回でOKを出してもらえました。僕自身も撮影一回目に合わせて準備していったので、監督が瞬発的な演技をかってくれたんだと思います。瞬発的でなければできないキャラクターでしたから。凄くエネルギーを使う演技だったので、何十回も演るにはしんどいなと思っていたし。僕の中で「ここに向かって進むだけ」という1つの答えができていたので、そのところを山田監督に評価していただけたと思っています。
― 張り詰めた撮影が続いたようですが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
みんな仲良かったですよ。バカ話ばかりしていて(笑)。恐い映画の現場なので、オンとオフはしっかり切り替えていました。休んでいる時まで怖がっていると、楽しくない現場になってしまう。僕はそういうふうにはしたくなかったし、作品は恐いけれど、みんなとは楽しく和気あいあいの方がいい。役者同士、芝居という一つのものに繋がっているので、その協調性は崩したくなかったですね。
― “刻命裕也”は17歳。高校生役は抵抗なかったですか?
あはは、そうですよね(笑)。でも、僕の中では、高校生ということは途中でポーンと抜けてしまって、「これは、高校生とかいう問題ではないな」と。高校生というより、大人だからこういう行動に走ってしまうんだろうなと考えました。ただ単純に純粋な高校生ではなかったと思ったので、かえって高校生ぽくないほうが、つじつまが合うんじゃないかと。僕が演じたことで、いい意味で(キャラクターが)浮いたんじゃないかな(笑)。
― 青木さんが役者さんたちのリーダー的存在でした?
リーダー的存在というよりも、いい仲間でした。みんなが一生懸命一つのシーンを作ろうとしている中で、刻命の見せ場となるシーンがあったんです。そのシーンは、周りのみんなが僕を引き立ててくれました。人を刺すシーンでは、刺される側の芝居が僕を立ててくれたと思います。
― いいチームワークだったのですね。
はい、僕は凄くやりやすかったです。
― ホラー映画が苦手という女子もいますが・・・
無理することはないですけれど、この作品で僕は頑張りましたので、その頑張りは評価してもらえると嬉しいですね。作品的に謎めいている部分が多いので、この作品を観ておいてくださったほうが次に続いたときに見やすいかな~と(笑)。
― 撮影中のエピソードがあったら教えてください
石森虹花さんが、僕の特殊メイクを見て泣いちゃったんです。マジ泣きです(笑)。
以前、「仮面ライダー鎧武/ガイム」に出演したとき、顔が飛ぶシーンで特殊メイクをしてくださった方が担当してくださったんです。凄く腕のいい特殊メイクさんなんです。
― 皮膚が取れて、中の筋まで見えるような細かいメイクでしたね。
そうなんです。貼っているはずなのに、凹んで見えるんです。肉が本当に落ちているみたい。素晴らしいです。ぜひ、夜中に一人で見てもらいたい(笑)。
― それにも増して、青木さんの豹変ぶりが恐い。。。
本当ですか?嬉しいなぁ(笑)
― 映画や舞台など、日々忙しく活躍されている青木さん。俳優としての今後の目標は?
僕はたまたま、この業界に入ったんですが、昔、好きな映画があって、好きな監督がいて、その方と一緒に仕事をしてみたいなとずっと思っていたんです。一度諦めたこともあるんですが、今は映画の現場に出ることができて、凄く楽しいんです。憧れていたこと、とても好きなことの裏側(作っている側)に今、自分がいることが嬉しい。もう三度の飯より、映画・映像の現場が好きなんです!
何かヒット作品ができるか、もしくは憧れの監督と一緒に仕事ができるまでは頑張ってみたいと思っています。その監督の作品に少しでも携わることが僕の夢ですね。
舞台から始まって、今、映像・映画の仕事をするようになりましたが、これまでの経験は一つも無駄なことはなかったと思っています。そして、何よりも好きで楽しいと思える仕事を見つけられたのは幸運なことだと感じています。この幸運を手放さないように自分の出演作が、もっと世の中で認めていただけるように、頑張っていきます。
― 舞台と映画の違いは何だと考えますか?
“空”があるかないかですね。映画はフレームの中に本物の“空・太陽”“自然”がある。舞台はそれを感じさせるように自分で作らなければいけない。どちらが好きとか嫌いというのではなく、そういう違いがあると思います。
― 俳優以外にやってみたかったことは?
そうですね・・・。(しばし考えて) 音楽をやってみたかったです。表に出るのではなくて、裏側。作る側をやってみたかったですね。趣味で少しだけやっていたんですけど、楽しかった。音楽は好きで、レコードを集めていました。
― オフの時、リラックスするときは何をしていますか?
やっぱり音楽を聴いていますね。僕、電話しているときもイヤフォンつけているくらいですから(笑)。
― 好きなジャンルは?
本当にいろんなジャンルが好きです。最近は、色々なジャンルを聞く人がロックをやっていたり、オルタナティブが好きだという人がラップをやっていたり、今はアメリカンポップも多くて。そうそう、レディオヘッドが好きなのにラップやっているという人もいるんですよ。その人の曲は本当にカッコいいなぁ~って思うんです。いつまでたっても飽きさせなくて、凄いです。
あと、漫画も好きですよ。『ハンターハンター』が休載してショックでした。
― 漫画は普段からよく読むのですか?
幅広く知っているわけではないけれど、結構好きです。アニメではなく、漫画ですね。
― 作品にちなんで、青木さんにとっての最近の悲劇は?
ロケ先で牡蠣にあたっちゃったことかな? ちょっとだけ汁を口に含んだだけで、当たっちゃった。それだけで、次の日一日中お腹が痛くて、点滴打ちました。
― 仲良くしている俳優さんはいますか?
俳優の友達はあまりいないんですが、赤澤燈(あかざわともる)君とは、ときどき連絡とったりしています。
― 最後に本作の見どころを教えてください。
今作は、前回とは違うホラーになっています。新しい学校の新しいキャラクターが出てきますので、そこが一つの見どころです。原作のキャラクターですので、楽しみにしてくださっている方もいると思います。僕もその中のひとりなので、是非楽しみしていてください!
メイク:佐藤友勝
【青木玄徳(あおき つねのり)プロフィール】
青木玄徳(あおき・つねのり)/ 1987年10月19日生まれ、埼玉県出身。O型。
ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン跡部景吾役で俳優デビュー。
その後舞台やミュージカルに数多く出演。ドラマ『仮面ライダー鎧武/ガイム』に戦極凌馬役でレギュラ-出演し、自身が主演を務めた『鎧武/ガイム外伝仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックルロックシード版』DVDはシリーズ初のオリコンDVDランキング首位を獲得し話題となった。映画『闇金ドッグス』シリーズに1から3まで出演、『闇金ドッグス3』では主演を務めた。2016年9月より主演舞台『瞑るおおかみ黒き鴨』で齋藤一を、12月には舞台『パタリロ』でバンコランを演じる。映画『コープスパーティー Book of Shadows』は2016年7月31日公開。昨年公開された出演映画『Mr.マックスマン』(第7回沖縄国際映画祭出品作品)の続編映画『Bros.マックスマン』は今秋公開予定。映画『インターン!』は2016年11月公開予定。最新作の主演映画『くらわんか!』は来夏公開予定。他解禁を待つ映画も多数ある。
【Twitter】@tsunenori_aoki
映画『コープスパーティー Book of Shadows』
命と心を弄ぶ、残酷な運命の歯車は、再びゆっくりと廻り始める…。
<STORY>
呪いのおまじない「しあわせのサチコさん」を行い、怨霊の棲む異空間へと飛ばされた女子高校生の直美は、幼なじみの哲志や親友の世以子など、多くの仲間を失った。あれから半年。生き延びたあゆみと直美は、死んだ友達を取り戻すべく、悲劇の舞台となった天神小学校へと戻ってくる。同じおまじないで別の学校から囚われて来た刻命たちとも合流。切なる想いで生還の道を模索する。だが、待っていたのは繰り返す「死の運命」に囚われた、仲間たちとの再会だった。命と心を弄ぶ、残酷な運命の歯車は、ゆっくりと廻り始める……。
出演:生駒里奈(乃木坂46)
前田希美、池岡亮介、石川恋、水石亜飛夢、JUN(BEE SHUFFLE)
石森虹花(欅坂46)/青木玄徳
監督:山田雅史
原作:Team GrisGris /5pb.Games(MAGES.)
配給:ツインピークス/キャンター
©2016 Team GrisGris / MAGES. / 5pb. /映画「コープスパーティー Book of Shadows」製作委員会
公式サイト:http://cp-movie.jp
7月30日(土)シネ・リーブル池袋、立川シネマシティほか
全国順次ロードショー!
同日「niconico」ネットシネマでも公開
青木玄徳 サイン付き自撮りチェキプレゼント