映画『ディア・ファミリー』の完成披露試写会が、5月13日、東京国際フォーラムにて行われ、主演の大泉洋をはじめ、共演の菅野美穂、福本莉子、川栄李奈、新井美羽、
上杉柊平、松村北斗(SixTONES)、光石研の豪華キャスト陣と、月川翔監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、生まれつき心臓病疾患を持っていた幼い娘に突き付けられた「余命10年」という宣告を受けた町工場を経営する父が、娘の命を救いたい一心で人工心臓の開発を始め、その後、世界で17万人もの命を救うことになるIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルを誕生させた、23年間におよぶ家族の愛の実話を基にした物語。『君の膵臓をたべたい』『君は月夜に光り輝く』『そして、生きる』などで知られる月川翔監督がメガホンを取り、主題歌は、Mrs.GREEN APPLEが本作の為に書き下ろした「Dear」が、家族の物語に寄り添う。
主人公・坪井宣政を大泉洋、宣政の・陽子を菅野美穂、心臓疾患を抱える次女・佳美を福本莉子、長女・奈美を川栄李奈、三女・寿美を新井美羽が坪井家に、そして、人工心臓の研究を続けている東京都市医科大学の教授・石黒英二を光石研、研究医の佐々木肇を上杉柊平、研究を手伝うことになる医師役の松村北斗が演じる。
登場早々に、会場の大きさに驚いた大泉は「今日は僕のリサイタルかと。Mrs.GREEN APPLEを歌うのかと思いましたよ」と言って会場を沸かすも、実話の映画化について、「完成作品を観て、撮影のときから手ごたえのある映画だとは思っていましたが、あらためて監督手腕と作品への愛情があふれていると思いました。他人ごととは思えない映画」と絶賛。
菅野も「試写のときに大泉さんが涙しているのを感じました。辛い現実を乗り越えていくエールをくれるような映画」とコメント。福本は「実話だとは思えないようなお話で苦しいところもあるけれど、観終わったら勇気をもらえるような映画でした。お父さんがこんなに頑張ってくれていたんだなと、映像を観て改めて感じることができました」と感慨深げ。
新井は「人の温かさ、決心の強さ、言葉の強さを凄く感じて、こんなに人のために動ける愛の深い人たち、親の偉大さ、家族の愛の大きさをとても感じました」と感想を熱く語った。
上杉は「どんな時代でも、物事を変える人の動機はその身近な人、手が届く人をまず幸せにしたいという気持ちがきっかけで、それが社会に広がっていくんだなと思った。この作品がどんどん広がっていったらいいなと感じています」と。川栄は「役者としてこの作品に出ることできて良かったです」と出演を喜んだ。
松村が「僕は客観的に観れて、かなり感動しました。大きな感情が動いたとかとかいう気持ちというか、消費的なものではなく、後にずっと残る自分の財産になるような感動が秘められている」と語ると、大泉が「自分の家のことじゃないから、他人事に観れたってこと?」とチャチャを入れる。すると、松村は「なんて言葉の悪い!お会いしてもテレビで観ていても本当に悪い人ですよね! やめてくださいよ」と返し、会場の笑いを誘う。
すると、光石までも「僕も(家族の)皆さんとお会いしていないので他人ごとで観ていました(笑)」と乗っかる始末。それでも「脚本から感動していました。これ見よがしのシーンもないし、これ見よがしの演技もない。まさか、大泉洋さんで泣かされるとは思わなかった・・・」と、昔からよく知る大泉を引き合いに出し、さらに会場は大爆笑。
本作を映画化するにあたり、監督は「ご家族でどんなやり取りがあったのか興味を持ちました。それが今は17万人の人を救うことになり、胸を打たれた。これを多くの人に伝えたいと思ったんです」と真摯に語る。
深く、ともすれば重い話にもなるが、撮影現場のいたっていい雰囲気だったようで、川栄は「菅野さんは段取りのときから涙を流されていて、本当に家族への思いが伝わってきました」と伝えるも、上杉は「光石さんと大泉さんはずーっとふざけてましたね。『よーい!』の声がかかるまでコントしていましたから」と暴露。
大泉が「松村くんはどこかの番組で『現場ではなるべく地味な恰好で行くようにしました』なんて言ってたけど、まあハイブランドで」と話すと、松村は全否定。「ぼくは白いスエットで行ってましたよ。いったい、大泉さんの”ハイブランド”っていくらからですか!?」と返し、大泉に火をつけバトルが始まる。
それでも、実は松村にとって、大泉は昔から憧れの俳優だったそう。「大泉さんが昔から大好きで・・・」とは言うものの、「どれだけご自分のことが好きな人なのか」と笑ってしまい、気を取り直して「いや、座長としてもとても気の利く方でした」と言い直す。「卵サンドを皆さんにふるまっていたんですが、皆さん忙しいのに『そんなことはいいから、これを食え!』って」とばらし、大泉もタジタジ。「マニアックすぎて好きを上手く伝えられなかった!?」とあきれていた。
最後に、大泉は「舞台挨拶でふざけすぎました。本作はそんな作品ではありません。どうか、今の舞台挨拶のことは忘れて映画をご覧ください」と観客にお詫びをして舞台挨拶を終了した。
<ストーリー>
“ただ娘の命を救いたい”、その一心だった――。
生まれつき心臓疾患を持っていた幼い娘・佳美は【余命10年】を突き付けられてしまう。
「20歳になるまで生きられないだと…」
日本中どこの医療機関に行っても変わることのない現実。
そんな絶望の最中、小さな町工場を経営する父・宣政は「じゃあ俺が人工心臓を作ってやる」と立ち上がる。
医療の知識も経験も何もない宣政の破天荒で切実な思いつき。
娘の心臓に残された時間はたった10年。
何もしなければ、死を待つだけの10年。
坪井家は佳美の未来を変えるために立ち上がる。
絶対にあきらめない家族の途方もなく大きな挑戦が始まる――。
『ディア・ファミリー』
■原作:清武英利「アトムの心臓『ディア・ファミリー』23年間の記録」(文春文庫)
■監督:月川翔
■脚本:林民夫
■音楽:兼松衆
■出演:大泉洋 菅野美穂 福本莉子 新井美羽 上杉柊平 徳永えり ・ 満島真之介 戸田菜穂
川栄李奈 / 有村架純 ・ 松村北斗 光石研
■制作プロダクション:TOHOスタジオ
■配給:東宝
■公開日:2024年6月14日(金)
■撮影期間:2022年12月4日~2023年2月4日
■コピーライト:©2024「ディア・ファミリー」製作委員会
■公式サイト:dear-family.toho.co.jp
■公式X:@dear_family_
■公式Instagram:@dear_family_movie
■公式TikTok:@dear_family_
6月14日(金)にて全国公開!