映画『ファインディング・ドリー』の来日記者会見が、6月29日、ザ・リッツ・カールトン東京にて行われ、監督のアンドリュー・スタントン、共同監督のアンガス・マックレーンが登壇。さらに、日本語吹替版キャストの室井滋、木梨憲武、上川隆也、中村アンも登場し、会見を盛り上げた。
全米で公開されるやいなや、『トイ・ストーリー3』や『ズートピア』を超えアニメーション史上全米歴代No.1のオープニング成績を樹立という歴史的大ヒットを記録した本作は、2003年に公開された『ファインディング・ニモ』の続編。今回は、忘れん坊のナンヨウハギのドリーが唯一忘れなかった“家族の思い出”を胸に、家族探しの旅に出る。カクレクマノミのニモやマーリン、海の仲間たちとともに繰り広げる大冒険を描いた物語。
前作公開時には、「ぜったい続編は作らない」と宣言していたスタントン監督だが、「今回の経験を通して、今後“never”という言葉を使ってはいけないと学びました」と苦笑い。「2012年に3Dバージョンをチェックした時、ドリーのことがすごく心配になっている自分に気づいたんです。この先ドリーは、マーリンやニモを失うかもしれないし、彼女の家族は見つかっていない。彼女は相変わらず物忘れがひどいことを謝っていますが、私はもう彼女に謝ってほしくなかったんです。みんなに愛されるドリーなので、自分自信を愛して欲しい。それからは、続編のことで頭がいっぱいでした」と明かした。
前作より成長したニモにも注目だが、「たった1歳しか歳を取っていないが、大海原を冒険してきた経験があり、10歳分くらい成長しているのではと思います。ニモはヒレが片方小さいというハンデがありますが、これまでの経験で自分に自信を持っている。ドリーにも自信を持つことを伝えたかったんです」と語るスタントン監督。マックレーン共同監督も「ニモはドリーの能力を信じているので、マーリンにも理解してほしいと思っているんですよ」と付け加えた。
また、マクレーン共同監督は、「前作は非常に大きな成功を収め、みなさんがキャラクターを愛してくれています。ドリーや他の仲間たちに、旧友に会う感覚で観に来ていただいていると思います」と大ヒットを飛ばしている要因を分析した。
後半は、日本語吹替キャストの室井滋、木梨憲武、上川隆也、中村アンが自身が演じたキャラクターの付いた帽子を被って登場。ドリーの声を務めた室井は「ドリーを演じている間は、自分自身もドリー化していました。タクシーの中に財布を忘れたり、ガーデニングのものを買いにホームセンターに行ったはずが、いつのまにかカーテン売り場に立っていたり・・・(笑)」と言って、会場の笑いを誘う。
前作に続きマーリン役を演じた木梨は、「アフレコ収録を終えて日本の監督さんがチェックしたあと、アメリカの偉い方たちがさらにチェックするんです。そこからダメ出しが来て、録り直すための日にちまで、ちゃんとピクサーさんに押さえられていました。アフレコ中も編集作業をしているし、さすがです」とコメント。
タコのハンク役を務めた上川は、「大好きなピクサー作品に参加できて嬉しかった」と喜び、「ハンクは、“男気のあるタコ”コンプレックスを抱え弱いところもあるんです。人間くささがピクサーの魅力でもあるんですね」と吐露。
オーディションでジンベエザメのデスティニー役を射止めた中村は「デスティニーは目が見え難くて泳ぎが下手なんですが、なんでも前向きにとらえる女の子です」とキャラクターを紹介した。
日本語吹替版の演技ついて、両監督は「口の動きが合っていて、まるで日本語で作ったと思うくらいです」、「みなさんのエネルギーが凄いし、作品の感覚も保たれていました」と絶賛。
また、イベントでは、「海の中の記者会見」ということで、出演者たちが描いたキャラクターのイラストが、スクリーンに映し出された。上川は「上手に泳げないハンクを泳がせてあげたかった」と言い、悠々と泳ぐ姿のハンクを。その出来の素晴らしさに、監督から「ピクサーで働かないか?」とスカウトの声がかかる一幕も。
イラストには定評がある木梨は、個性的な3体のオリジナルキャラクターも紹介し、会場を沸かせる。最後は、両監督にドリーとニモのイラスト入りの大きな提灯がプレゼントされた。
映画『ファインディング・ドリー』
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作総指揮:ジョン・ラセター
原題:Finding Dory
日本語版声優:木梨憲武(心配性なニモのお父さん・マーリン役)、室井滋(ニモとマーリンの親友で忘れんぼう・ドリー役)
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
© 2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.disney.co.jp/movie/dory.html
7月16日(土)全国ロードショー!