映画『笑顔の向こうに』の完成披露上映会が、2月7日、東京・ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて行われ、主演の高杉真宙とヒロインの安田聖愛、共演の佐藤藍子、ayanonono、藤田朋子と、榎本二郎監督が舞台挨拶に登壇した。
日本歯科医師会の全面協力で制作された本作は、歯科医療をテーマに若者たちの成長を描いた青春物語。第16回モナコ国際映画祭コンペティション部門にて正式出品し、“エンジェルピースアワード（最優秀作品賞）”と共演の丹古母鬼馬二が助演男優賞を受賞。ダブル受賞の快挙を果たし、国内外でも注目を集めている。容姿端麗、“王子”と呼ばれるほどの歯科技工士・大地役を高杉、新人歯科衛生士で大地の幼なじみの真夏役を安田が演じた。
今作は、映画史上初といってもいい歯科医療の現場が題材となった作品。この出演オファーを受け、高杉は「歯科技工士という職業を今回初めて知りました。役を演じるにあたり歯科技工士について動画やネットで調べましたが、やはり現場に行って空気感や置いてある物がわからなくて、最初は戸惑いましたが、実際に歯科技工士の方に教えていただきつつ、（撮影の）空き時間にひたすら練習していました」と明かしつつ、「器具がなかなか覚えられなかったんですが、黙々とする作業は嫌いではないので、撮影の間も楽しんでやらせていただきました」と笑顔を見せた。
一方、安田は実姉が歯科衛生士だそうで、「実際に体験し、大変な職業だなと思ったので、改めて姉はすごいことしているんだなって思いました」と話し、「姉の歯科衛生士友だちに色々話を聞いたりして本当にありがたかったです」と役作りのため協力してくれた方々に感謝した。
大地の母親・五十嵐歌織役の佐藤は、「台本を読んだときに“高杉真宙君の母？”って思ってビックリしたんですけど、今までで1番大きな子どもだと思います」と苦笑い。「母親として違和感が出ないように、大地のお母さんに見えることに集中しました」と役作りを吐露。
真夏と同じデンタルクリニックに勤める森川珠子役のayanononoは「小さい頃から歯科矯正をしていて歯医者さんが大好き。歯医者さんのドラマや映画がないなと思っていたので、出演オファーを受けて嬉しかったですし、（今作で）初めてお芝居をさせていただいたので嬉しいです」と喜びに溢れた面持ちに。
大地が義歯を提供した患者の娘・藤原千草役を演じた藤田は「最近は虫歯がない子が増えているので、（歯科）現場の状況が伝わりにくくなっているんだなと感じていました」と言い、高杉を見ながら「こういうキラキラしたイケメンが役を演じると、皆さんが（歯科技工士を）目指されるんじゃないかなと･･･」としみじみ。
本作で長編映画初監督デビューを果たした榎本監督は「これほど“入れ歯”が出てくる映画は見たことがない(笑)。入れ歯についてこんなに熱く人々が動く映画も見たことがないです」とコメントし、会場の笑いを誘った。
第16回モナコ国際映画祭で最優秀作品賞(グランプリ)であるエンジェルピースアワードを受賞した本作。受賞時に日本で舞台公演中だった高杉は、舞台本番終了後に知らせを受けたという。「舞台が終わった後だったので、燃え尽きていて『そうですか』とアッサリと返してしまったんですけど、家に帰って改めて『ああ、受賞したんだな』って。その後安田さんが帰国して会見をやらせていただき、トロフィーを持ってその重みで実感することができました」と振り返り、「映画が公開される前にいいスタートを切れたんじゃないかなと思いました」とニッコリ。モナコの授賞式に出かけた安田が自慢げに「モナコはとっても楽しかったです（笑）」と高杉を見やると、高杉は「俺も舞台楽しかったよ！」と強がる場面も。
また、若者の葛藤と成長を描く物語にちなみ、「自分がまだまだ半人前だなと感じる瞬間は？」と問われると、高杉は「そもそも自分自身のことを一人前だなと思うことがない。この職業はライセンスが必要なわけでもないし、認められるかどうかは見る人の感性で変わってくるので、結局何に満足するかなんだと思います」と持論を展開。「“これでもういいや”って思った瞬間に成長が止まってしまうと思います」と自身に言い聞かせるように言葉を続け、「なので、自分はずっと半人前かなって･･･」と恥ずかしそうに答えていた。
最後に、榎本監督が「実は高杉君と安田さんは高校の同級生なんです。その同級生がラブストーリーをやるというのは照れ臭いと思うんですけど、それを見事やりきって頑張りましたね。そこが見どころです」と称え、安田は「幅広い世代の方に共感していただける作品です。皆さんの日常と重ね合わせて観ていただければ」とアピール。高杉は「今回、思いやりのない役だったんですけど、大地君に思いやりを持って演じました。たくさんの方にこの思いが届けば嬉しいです」と思いの丈を伝え、舞台挨拶を締めくくった。
＜ストーリー＞
洗練された美しい歯を作ると評価が高く、容姿も端麗で“王子”と呼ばれるほどの若手歯科技工士の大地（高杉真宙）は、新人歯科衛生士として東京郊外のデンタルクリニックで働き始めた幼なじみの真夏（安田聖愛）と偶然再会する。
個性あふれるクリニックの院長（木村祐一）や歯科医師（辻本祐樹）などからの信頼も厚い大地だったが、金沢で歯科技工所を営む父親（池田鉄洋）に、手がけた義歯を見せると「だからお前は半人前だ」と否定され、同時期に義歯を提供した患者（丹古母鬼馬二）にも自分の歯形と全く合わないと突き返されてしまう。
落ち込んでいる大地を励ましてくれる真夏とも喧嘩をしてしまい・・・。
患者が真に求めていることを突きつけられた大地が見つめた大切なこととは？
高杉真宙
安田聖愛
辻本祐樹 西方凌 濱田英里 ayanonono 木村祐一
池田鉄洋 佐藤藍子 聡太郎 阿部祐二 善知鳥いお 中村昌也 阿部桃子 大出俊 熊切あさ美
藤田朋子 丹古母鬼馬二 大平サブロー 児島美ゆき 中山秀征（特別出演） 秋吉久美子 松原智恵子
原案・製作総指揮：瀬古口精良
監修：8020運動30周年記念事業映画製作チーム
監督：榎本二郎
脚本：川﨑龍太 音楽：フジパシフィックミュージック 音楽監修：上阪伸夫
主題歌：HANDSIGN「ふたりのサイン」（ユニバーサルミュージック）
制作：テンダープロ
配給：テンダープロ/プレシディオ
製作：公益社団法人日本歯科医師会
©公益社団法人日本歯科医師会
＜公式HP＞https://egao-mukou.jp/
2019年2月15日 全国のイオンシネマにて公開
