鈴木亮平、瞳を潤ませ原作者・高山真氏に感謝！ 「一人の人間が遺したもの影響力は凄い」 宮沢氷魚は映画館の入り状況をチェックも満足！ 映画『エゴイスト』公開記念舞台挨拶

映画『エゴイスト』の公開記念舞台挨拶が、2月11日、東京・テアトル新宿にて行われ、主演の鈴木亮平と、共演の宮沢氷魚、阿川佐和子、ドリアン・ロロブリジーダと、松永大司監督が登壇した。

本作は、高山真の自伝的小説「エゴイスト」を松永大司監督の手で映画化。気ままながらもどこか虚勢を張って生きているファッション誌編集者の浩輔と、シングルマザーである母を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太の愛と運命に翻弄される様を描く。
主人公・浩輔を鈴木亮平、浩輔の恋人となる龍太を宮沢氷魚、さらに浩輔の父親役に柄本明、龍太の母親役に阿川佐和子が演じる。

昨日劇場で本作を鑑賞したという監督は、「緊張して集中して観られなかったです」と苦笑い。「横で舌打ちされたり、寝ていたらどうしようと思っていたんですが、だんだん会場の雰囲気が熱を帯びてくるのを体感できて本当に幸せな時間でした」と感無量の面持ちで語った。

同じくこの会場で昨日作品を観たという鈴木は「2個くらい隣の席の人の携帯のバイブが凄くうるさくて･･･、普段なら“ん～”と思うのですが、今回に限っては『色々な急な用事が起こっているんでしょうが、それでも観に来てくださってありがとうございます！』と思いながら観ていました」と笑いつつ、「初めて（作品を）客観的に観れた気がします。ドキュメンタリータッチで撮っていて、自分がどういうふうにいるのか一切意識しないまま、その人物を過ごしたので、この人ってこういう人なんだなと。お客さんと一緒に観て、同じところで泣いて･･･凄くいい経験でした」と満足気。

さらに、「いろんな受け取りかたができる作品。“わがまま”って素敵だなと思いました。エモかったり、愛だったり、言葉じゃなくてストーリーで伝えるというのが、この映画の本当に美しいところだと思いました」と、あらためて作品の魅力を吐露。

宮沢は「僕は初日に映画館に行くことができなかったんですが、SNSと各映画館（の入り状況）をチェックしていました。全回満席の映画館もあったり、ほぼ満席のところを見ると、前列の1席だけしか空いてなかったり、今日も明日もかなり埋まっています」と、あいにくの雪模様だった初日も多くの人が映画館に足を運んでいたことを笑顔で報告。

そして、「普段は自分のことをエゴサーチしないんですが、昨日は『エゴイスト』でエゴサしました。亮平さんの『行きました』のツイートも見ましたよ。誘ってよ～！って(笑)。でも、行けなかったんですけど･･･。たくさんの方に届いているなと思いました」とニッコリ。

鈴木も「僕も1ツイートも見逃さず見させてもらってます。ありがたいことに、ほとんどが褒めてくださる内容でしたが、そうではない意見も『なるほどな』と思えた。昨日のツイートで『この映画を観てSMAPさんの“夜空のムコウ”の歌詞がずっと流れている。“僕の心の柔らかい場所を今でもまだ締め付ける”、そんな映画』と書いてくださった方がいて。とても嬉しいです」と明かし、宮沢とドリアンもその言葉に感動していた。

阿川は「私は原稿の締め切りに追われて劇場に行けなかったんですが、友達から『”バビロン”より列が長かった。凄いぞ･･･って』報告が入っていました」と反響を喜びながら、「人が変わったことを自覚することは難しいことではあるが、自分もこの大きな経験をしたことがたぶん自分の人生の中の骨片になって住み着いていくのかなと思いました」としみじみ。

同じく昨日同劇場で鑑賞したという、ドリアンは「この劇場が新宿にあるということもあって、ゲイのかたがたくさんいらっしゃっていました。やはり同じゲイの皆さんから感想を聞くと、『この映画はあまりに自然すぎて、映画であることを忘れるくらい自分ごとで、明日自分に起こるかもしれないし、隣でいま起きているかもしれない。僕たちの今の映画だよね』と言ってました」と伝え、「この映画はセクシャルマイノリティの方こそ観ていただきたいです」とアピールした。

最後に鈴木は「この映画は答えがないと思うんです。観ていただいた方が愛と思うか、エゴイストと思うか、依存しちゃっているだけのグロテスクな関係だと思うか、本当に人それぞれ。いつ観るかによっても捉え方が違うかもしれない。分かりやすい映画ではなく、”色”が見えてくる映画ってそうそうないと思う。僕はこの作品に携わったことを非常に誇りに思っています」とし、「最初に台本を読んだとき、監督に『これじゃやれない』と言ったことがあります。それでも監督は『俺を信じてくれ。現場でどんどん生きたものにしていく。台本では伝わらないんだ』と。こんな作品に仕上がるとは思いませんでした。あらためて感動をありがとうございます」と、監督へ感謝した。

さらに、原作者の高山真氏にも触れ「この方がいなかったらこの映画も今日ここで皆さんとお会いすることもありませんでした。残念ながらこの映画雄の最終決定を見届けることなくお亡くなりになりましたが、一人の人間が遺したものが、いかに色んな人たちに影響を与えるのかと。世の中に与える影響って凄いんだなと思います。高山さんにも感謝したいと思います。ありがとうございました」と目を潤ませながら、思いの丈を口にした。

宮沢も「この作品が公開するまで不安がたくさんあって、時には押しつぶされそうになった瞬間もありました。こうやって公開を記念できることがとても幸せでいっぱいです。この映画は10年後、20年後、30年後も生き続けて、たくさんの人に届くことを願っています」とメッセージを送っていた。

＜ストーリー＞
14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分の姿を押し殺しながら思春期を過ごした浩輔（鈴木亮平）。今は東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、自由な日々を送っている。そんな彼が出会ったのは、シングルマザーである母を支えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太（宮沢氷魚）。惹かれ合った２人は、時に龍太の母も交えながら満ち足りた時間を重ねていく。亡き母への想いを抱えた浩輔にとって、母に寄り添う龍太をサポートし、愛し合う時間は幸せなものだった。しかし2人でドライブに出かける約束をしていたある日、何故か龍太は姿を現さなかった。

＜原作者・高山真プロフィール＞
東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業後、出版社で編集に携わる傍ら、エッセイストとして活躍。著書に『恋愛がらみ。不器用スパイラルからの脱出法、教えちゃうわ』（小学館）、『羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界』（集英社）、『愛は毒か 毒が愛か』（講談社）など。2020年没。
https://dps.shogakukan.co.jp/egoist
原作書影クレジット：© 高山真／小学館
原作「エゴイスト」の文庫版が絶賛発売中！

出演：鈴木亮平　宮沢氷魚
中村優子　和田庵　ドリアン・ロロブリジーダ／柄本明
阿川佐和子

原作：高山真「エゴイスト」(小学館刊)
監督・脚本：松永大司
脚本：狗飼恭子 音楽：世武裕子
企画・プロデューサー：明石直弓 プロデューサー：横山蘭平 紀嘉久
LGBTQ+inclusive director：ミヤタ廉
制作プロダクション：ROBOT
製作幹事・配給：東京テアトル
製作：「エゴイスト」製作委員会(東京テアトル/日活/ライツキューブ/ROBOT)
R15+
© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

公式ウェブサイト：egoist-movie.com
公式Twitter/公式Instagram：@egoist_movie

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