映画『アイネクライネナハトムジーク』の完成披露上映会が8月21日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、本作に出演の三浦春馬、多部未華子、矢本悠馬、森絵梨佳、恒松祐里、萩原利久、貫地谷しほり、原田泰造と今泉力哉監督が舞台挨拶に登壇した。
ベストセラー作家・伊坂幸太郎の同名小説を、斉藤和義の音楽にのせ、『愛がなんだ』の今泉力哉監督が実写映画化。本作は、会社員・佐藤と紗季の小さな出会いが、周囲の人々を巻き込み、不器用ながらも愛すべき人々のめぐり会いの連鎖を10年の時をかけて描く奇跡のラブストーリー。“劇的な出会い”を待つだけの男・佐藤役を三浦、偶然佐藤と出会う女性・本間紗季役を多部が演じる。
三浦と多部は、3度目にして4年に一度恋愛物語で共演しているが、三浦は「多部さんに『オリンピックみたいね』と言われました」と笑った。これまでの月日を振り返えり、「ちょうど20歳の作品で初めて舞台挨拶したのが、この六本木ヒルズだったんです。MCも(伊藤)さとりさんでしたよね?」とこの日の偶然に驚きつつ、「今は、その頃よりも少しゆとりをもってこの場に立っていると思います。少し成長できているんじゃないかな」とニッコリ。
二人は10年付き合ったカップルを演じているが、これまでの実際の関係が役がらにも反映していると話す。三浦との共演に、多部は「安心感があって、これまで共演してきたことは無駄じゃなかったなと思う瞬間がたくさんあった。次はまた4年後にご一緒できたら嬉しいなと(笑)」とコメント。その言葉を受け、三浦は「20歳、24歳の時の自分も、僕の芝居の仕方も立ち振る舞いも知っていてくれる。多部さんという女優さんにいい芝居と雰囲気を届けられるだろうかといういい緊張感はありました。また貴重な経験をさせてもらいました」と真摯に語った。
今作は”出会い“がテーマとなっているが、「あの時会えてよかったな」と思う人は?という質問に、原田は、「僕にとってはやっぱり、ネプチューンですね」とキッパリ。「長い付き合いですし、出会ったころから(名倉)潤ちゃんは賢いチンパンジーのようで、(堀内)健は野生の猿みたいで(笑)。いい縁だと思います。僕は普通の優しいゴリラです」と話し、会場の笑いを誘った。貫地谷は「チーフマネージャーです。スカウトされていなかったら、今の仕事をしていたかわからない」と感謝の気持ちを伝えていた。
また、10年後の自分がどうなっていたいかと問われたのは、恒松と萩原。恒松が「10年間健康体を維持していきたいです」と言うと、萩原は「このままの状態で30歳になっているかも。今は高校生役が多いので、会社員の役をやってみたい。でもパソコンができないので、新入社員がいいかな」と苦笑い。するとすかさず三浦をはじめ他の男性俳優たちが「大丈夫、自分もできないから(笑)。なんとかごまかせるよ(笑)」とアドバイスを送っていた。
この作品では、役によっては撮影中に会わない人も多いので、この日が初対面の人もいるという。今泉監督は「楽屋で『初めまして』という挨拶が飛び交っていて驚いた。まさに、今日も“出会い”の場だったんだなと思いました」としみじみ。
本作には様々なシチュエーションが登場するが、「劇中で気になった人は?」と聞かれると、三浦と原田はお互いに「こんな、上司(部下)がいたらいいなと思います」と称えあう。そんな中、不名誉にも一番“イヤな奴”の指名を受けたのが、矢本演じる織田一真だった。森演じる妻の梨佳が「聖母マリアのよう」と言われる反面、多部は「どうしても矢本さんの役は好きになれなくて!」とバッサリ。「本当にヤダなと思うキャラクター」と続けると、原田も「僕もヤダよ」と追い打ちをかける。唯一娘役の恒松が「でも、パパも好きです。私の役もいつかパパみたいな人と結婚するのかなと思う」と微笑むも、萩原は「距離感というか・・・友達のお父さん、夏休みのキャンプで会いたいタイプかも」と言って、会場を沸かせた。
しかし、矢本は「ということは、(役として)成功したということですね」とニンマリ。「父親という役は初めてだったので、体重も増やして役作りをしました。当時は結婚もしてなくて、子供もいなかったんですが、(演じているうちに)楽しそうな発想が起きてきて、(自身の)結婚にいい影響を受けていたと思います」と、プライベートでも結婚し父親となった自身を振り返り、客席からも温かい拍手が送られた。
ストーリー
仙台駅前。大型ビジョンには、日本人のボクシング世界王座をかけたタイトルマッチに沸く人々。そんな中、この時代に街頭アンケートに立つ会社員・佐藤の耳に、ふとギターの弾き語りが響く。歌に聴き入る紗季と目が合い思わず声をかけると、快くアンケートに応えてくれた。二人の小さな出会いは、妻と娘に出て行かれ途方にくれる佐藤の上司や、分不相応な美人妻と可愛い娘を持つ佐藤の親友、その娘の同級生家族、美人妻の友人で声しか知らない男に恋する美容師らを巻き込み、10年の時をかけて奇跡のような瞬間を呼び起こす─―。
●予告編
Eine kleine Nachtmusik 【アイネクライネナハトムジーク】
ドイツ語で、【小さな夜の音楽】の意味。
原作:伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)
主題歌:斉藤和義「小さな夜」(スピードスターレコーズ)
監督:今泉力哉 『愛がなんだ』
脚本:鈴木謙一
出演:三浦春馬、多部未華子、矢本悠馬、森絵梨佳、恒松祐里、萩原利久、貫地谷しほり、原田泰造
配給・宣伝:ギャガ (c)2019「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/EinekleineNachtmusik/
9月20日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
9月13日(金)宮城県先行ロードショー