映画『お父さんと伊藤さん』の初日舞台挨拶が、10月8日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の上野樹里をはじめ、共演のリリー・フランキー、藤竜也と、タナダユキ監督が登壇した。
本作は、中澤日菜子の同名小説を原作に、34歳の娘と54歳の彼氏、そして74歳のお父さんが繰り広げる共同生活から、父娘の関係を中心に家族の存在を鋭くも温かく描くヒューマンドラマ。娘・彩役を上野、彩の年の離れた彼氏・伊藤さん役をリリー・フランキー、彩の父親役を藤竜也が演じる。
3年ぶりの主演映画となる上野は、「公開前から予想以上に反響も大きく、たくさん取材を受けることになり、こうやって今みなさんの前に立てて、感激しています!」と公開初日を迎えた喜びを表した。
突然娘の家で居候を始める厳格なお父さん役の藤は「普通つまらなかったらお客さん帰っちゃうけど、上映後もこうやって多くの人が残ってくれてホッとしました」とニッコリ。リリーは、「こんな雨がふりしきる中、『君の名は。』にも『シン・ゴジラ』にも行かず、『お父さんと伊藤さん』の初日に駆けつけていただき、みなさんの“心の健やかさ”に感謝しています。」と挨拶し、会場を沸かせた。
今回のプロモーションで100社近くの取材を受けてきたという上野は、取材時のエピソードを聞かれ、「女性インタビュアーの方と好きなシーンについて話していたら、二人でポロポロ涙しながらインタビューを受けていたことが何回かありました。(笑)」とエピソードを披露。すると藤も「僕も取材中に40代ぐらいの男性が目を潤ませていたことが何回かありました。」と続けた。
それを受け、リリーは「僕が『SCOOP!』の取材を受けていた時はみんな半笑いでしたけどね」と話しはじめ、絶妙な掛け合いで舞台上は、まるで劇中を彷彿させるようなまったりとした雰囲気に。
藤は、この舞台挨拶の前に行った横浜会場の話を引き合いに出し、「お昼に僕の地元の横浜で舞台挨拶をしてきたんだけど、妻や地元の仲間30人ぐらいが見てくれてね。さっき電話で感想を聞いたら、今中華街の王将でご飯を食べながら、エンディングについてみんなで議論してるんだって」と報告。
タナダ監督はキャスト3人の起用について「みなさんそれぞれ役について入念に準備して本番を迎えていながらも、お互いの反応を見て相手合わせながらする自然なお芝居をしてくれる。撮影中でも編集の段階でも毎回驚きがあって、どのカットを使うか悩みました」と嬉しい?苦労話も。
さらに、大阪・名古屋への地方プロモーションなど、数か月にわたり一緒に宣伝をしてきた上野へコメントを求められた藤は、照れながらも「以前上野さんのことを“都会のワイルドキャット“名づけさせていただきましたが、動物的な演技なんです」とメッセージを送ると、リリーも「二人(上野と藤)の仲が良くて、撮影中も本当に人の家にお邪魔している気になってしまうぐらいに雰囲気で本当の親子みたいでした」と述べた。
藤は「ほんと勉強になることばかりでした。僕もまだまだ伸びしろがあるな・・・と(笑)」と共演を喜んでいた。
最後に上野より「この映画の話をしているうちに気付いたら、自分の家族の話をしていたり、家族のことについて考えてくれていたら嬉しいです」とPRし、舞台挨拶を締めくくった。
映画『お父さんと伊藤さん』
この家に住む!生活費は自分で払う!」息子夫婦の家を追い出されたお父さんが選んだのは・・・
娘の彩と20歳年上(!)の彼氏・伊藤さんが同棲するアパート。
3人の奇妙な共同生活は、嵐のように、突然始まった―!
とんかつにかけるソースの味をめぐり激論を交わす夕食。うすい壁一枚で仕切られた隣の部屋にいるお父さんの存在にあたふたする深夜0時。そして、お父さんと伊藤さんの間に不思議な友情が芽生えていく日曜日の午後・・。毎日のちょっぴりおかしなハプニングを経て、3人がひとつの家族のようになりかけてきた矢先…「しばらくでかける」情けない文字で書かれた置き手紙がひらりと一枚机に置かれ、お父さんが突然行方不明に。すれ違う3人の心が通じ合う日は、果たして訪れるのかー?そして、お父さんが彩たちの家に来た、本当の意味とは―!?
上野樹里 リリー・フランキー/長谷川朝晴 安藤 聖 渡辺えり/藤竜也
原作:中澤日菜子『お父さんと伊藤さん』(講談社刊)
監督:タナダユキ
脚本:黒沢久子
エンディングテーマ:ユニコーン「マイホーム」作詞:奥田民生 作曲:奥田民生
企画・製作・配給:ファントム・フィルム
©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会
公式サイト:http://father-mrito-movie.com/
新宿バルト9他、全国大ヒット上映中!