映画『総理の夫』の完成披露試写会が、9月8日、TOKYO DOME CITY HALLにて行われ、W主演の田中圭と中谷美紀、共演の貫地谷しほり、工藤阿須加、松井愛莉、嶋田久作、片岡愛之助、 岸部一徳の豪華キャストと、河合勇人監督が舞台挨拶に登壇した。
原田マハの25万部超えベストセラー小説を原作に、河合勇人監督の手で実写映画化した本作は、日本初の女性総理と前途多難な“総理の夫”の大騒動を描くヒューマンコメディ。田中圭と中谷美紀が日本初の女性総理とその夫・ファーストジェントルマンとしてW主演する。
総理大臣の夫役を演じた田中は「中谷さんと夫婦役ということで緊張しました。ハラハラしました。悪い意味じゃないです。あの・・・怒れると思って」と語ると、すかさず中谷から「どういう意味ですか?」とツッコミを入れられる。
田中は「あ、いや、総理の夫”と聞いても最初はピンとこなくて、台本を読んで初めてちゃんと理解したというか、俺が“総理の夫”ってこと?みたいな感じでした」としどろもどろになりながら話し、イベント冒頭から会場の笑いを誘っていた。
中谷は「お話をいただいた当初は、『日本で女性の総理は絶対無理なのでは・・・?』と意地悪な気持ちで原作と脚本を読ませていただきました。でも凛子の“働く女性が子供を産み、育てやすい世界にする”という理念に、それは女性でしたらきっと誰もが願っていることだと思い、1人の女性としてとても共感して演じさせていただきました」と振り返った。
撮影現場はとても和やかな雰囲気だったそうで、「とても温かい現場で、居心地がよかったです。田中さんがとても頼もしくて、優秀な助監督さんのように、私の出番をこっそり教えてくださったんです」とほほ笑む中谷。田中は「助監督さんが中谷さんに『よーい、1、2、3で行ってください』って言っているのに、『よーい』で行くんです。それが何度かあったので、ここは俺が!と思いまして」と苦笑いしながらも、現場でもしっかり妻(中谷)のサポートに一役買っていたようだ。
役作りについて、中谷は「監督と、ヒステリックに主義主張を叫ぶだけでは今の総理大臣では無理だという話をしていまして、世界中の女性リーダーが、怒りをグッとこらえて穏やかな口調でお話しされているのを参考にさせていただきました。あとは日和くんが隣にいてくださったので、彼の優しさに包まれて演じていれば凛子になると思いました」と明かした。
一方、田中は「監督にも言っちゃったんですが、『何もしない主人公』で嬉しかったです(笑)。でも、監督に『やる気ないな』って思われていないかと心配してました(笑)。現場では皆さんの面白いお芝居を受け止めて100%日和で返そうと思っているんですが、つい田中圭として何かを出したくなっちゃうんです。何もしないと何もしないで不安ににもなりましたが、なるべく田中圭を封じ込んで日和としてニュートラルでいるようにしていました」と回顧。
共演の貫地谷も田中の存在に助けられたようで「優しいんです。セリフを間違えるとそれを盛り上げてくれて、撮影序盤も緊張しなかったですね」と感謝の気持ちを口にすると、「よくセリフ間違えたよね(笑)」とジョークを飛ばす田中。「嘘だよ(笑)。しほりちゃんの富士宮がとても素敵で。難しいワードもあって早口で話さないといけなくてドSな広報担当でした(笑)」と称えながらも「でも、いま思い出すと、サプリメントの話ばかりしていた気がする。3人で栄養の話をしていたよね」と笑った。
敏腕のイケメン総理秘書・島崎を演じた工藤は、笑顔を封じて凛子をさせる芝居が印象的だが「笑わないように気をつけました。現場が凄くいい雰囲気で、ちょっとコミカルな場面もあったのでどうしても笑いそうになってしまって」と苦労を述べ、「中谷さんに初日にお会いしたときにご挨拶させていただいたんですが、僕のこと分かってらっしゃらなかったようなんです」と告白。「後から『ごめんなさい』って言われたんですが、僕の佇まいというか雰囲気が誰かのマネージャーのように見えたようで(笑)。『もう(総理秘書として)大丈夫』って言ってくださって。その言葉を信じて最後までやりきることができました」と吐露。
日和の兄・相馬多和役の片岡は「僕はいつも怒っている役なんですが、ちょうど某ドラマで金融庁のオネエの役をやっていて、怒るとどうしてもなんかそういうスイッチが入ってしまって・・・(笑)。一生懸命封じ込めて怒ったことを覚えています」と話し、会場を沸かす場面もあった。
最後に中谷は「この映画は、全ての働く女性とやむを得ず働くことができない女性、働くことを選ばなかった女性、そしてそうした女性を支える、ちょっと肩の荷を下ろしたいなという男性を応援する作品です。皆さんを必ず笑顔にすることを誓います!『総理の夫』相馬政権に清き一票を頂戴できますよう、心よりお願い申し上げます!」と声をかけ、田中は「たくさん笑ってほっこりして、心動かされて、ちょっと泣いて、最後には前向きになれるような素敵な2時間を皆さんに共有できる映画になったと思います」と自信を持ってPR。「次に鳥類研究所の役をやることがあればインコに嫌われない役作りをしようと思います(笑)」と笑顔を残し、イベントを締めくくった。
映画『総理の夫』
<ストーリー>
ある日の朝、妻を愛してやまないお人好しな鳥類学者・相馬日和(田中圭)は、少数野党の党首を務めている妻の凛子(中谷美紀)から意味深な話題を投げかけられた。
「ねぇ日和くん、もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?」
聞き返してもはぐらかされ、野鳥観察の出張に出た日和。ろくに電波の届かない孤島で十日間ほど仕事に没頭しているうちに……、なんと彼女は、この国の未来をすっかり変えてしまっていた!
日本初の女性総理大臣に選出された凛子。時を同じく、突然「総理の夫」となってしまった日和。
はじめは「微力ながら彼女の夢を全力で応援しよう」くらいに思っていた実におめでたい日和であったが、予想だにしなかった激動の日々に巻き込まれていく……!!
田中 圭 中谷美紀
貫地谷しほり 工藤阿須加 松井愛莉
木下ほうか 長田成哉 関口まなと 米本学仁 国広富之
寺田 農 / 片岡愛之助 / 嶋田久作
余 貴美子 岸部一徳
原作:原田マハ「総理の夫 First Gentleman」(実業之日本社文庫)
監督:河合勇人
脚本:松田沙也 杉原憲明
音楽:富貴晴美
製作幹事:日活 東映
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
配給:東映 日活
©2021「総理の夫」製作委員会
公式サイト: https://first-gentleman.jp/
@1stgentlemanjp
9月23日(木・祝)全国ロードショー