ブラッド・ピット最高傑作、本年度アカデミー®賞最有力作品
『フューリー』
ブラッド・ピット オフィシャルインタビュー
― 出演に加えプロデュースも担当するほど惹かれたという脚本について
「まずプロデュースについてだが、僕はそれほど重要な役割は果たしていないんだ。今回は演技に専念し、役づくりに入魂する必要があったんだ。この映画は惨たらしさという土壌の中で人間性を見出す話だ。自分では戦争は体験していないが、人間経験を積むことで真実を見る目が養われるのではないかな。美化されない真実が大切であると感じるようになった。この映画が見るものに問いかけるのは、睡眠もとれず困憊した状態で、戦争の悲惨さに直面し、罪ない人や仲間が無残に殺されるのを目の当たりにしたとき、それが人間の心にどんな影響を及ぼすのか、そしてそれを人はどう生き延びるのか、ということなんだ。そこにはヒロイズムがあるのか。この映画では、戦車部隊というマイクロな世界が描かれる。大戦も終わりに近づいたころ、長年連れ添った5人だが1人の隊員を失い、新しい隊員が加入する。戦争も終盤で、経験のある隊員はみつからず新隊員は全く経験のない若者だった。この無垢な若者に、僕の役は父親的な気持ちから戦争のむごさを教え込もうとするんだ。荒々しく教え込むことで、ほかの隊員が危険にさらされることを阻止しようとするわけだ」
― 今回演じた“ウォーダディー”について
「乗組員たちの命を預かっている車長であり、責任者であり、戦車のオペレーション全般を見るし、また皆の士気を高めなければならない。また小隊の司令官でもあるので他の4両の戦車にも指令を出さなければならず、交戦する際のナビゲーションも戦略的に考えていかなくてはならない。敵との距離も図り、どこに脅威が潜むかも見定めなければならない。全てが彼の判断に委ねられるんだ。だから隊員たちの信頼を勝ち得なければならないし、自分自身でも確信がなければならない。皆の生死は彼の判断一つにかかってくるからね」
― リアルな映像作りについて
「デヴィッドのリアルへのこだわりは相当なものだ。おかげで素晴らしい経験になったよ。第二次大戦の退役軍人達にも会うことができ、彼らは今はもう90才を過ぎているが、ノルマンディー上陸作戦やバルジの戦いの体験談を聞かせてくれた。頭の下がる思いだった」
― クランクイン前に行われたブートキャンプについて
「1週間ほどブートキャンプへの参加を課せられた。1週間と言っても、実際に訓練している兵士たちからしてみたらほんの一瞬だと思うんだけどね。僕らの体験は観光程度の優しさだったろう。それでも毎朝5時起床の本格的なトレーニングだった。フィジカルトレーニングを2時間、その後に講義、労働、障害物トレーニングなどが夕方まで続く。飯は冷たいし、雨の中で寝たり、夜中に起きて見張り役をやったりもした。とにかく全力投球だった。訓練は皆を追い込み、戦場がどんな感じだったのか少しでも実体験できるように組み立てられていたし、最悪の状況の中でも士気を奮い立たせるようにも出来ていて、なかなか面白かった。またチーム内で序列が構築され、皆が一丸となって苦難を乗り越えられるように仕組まれていた。苦難と言っても本物の兵士たちが日々感じている苦難とは比べようもないだろう。訓練のおかげで固い絆ができたし、心構えもでき、達成感も感じた。それがスクリーンに滲み出ていると思うよ。父親として子供を育てるうえで役に立つことも多く学んだ。チームでもお互いの弱点も分かるようになったので、補完し合えるようになった。みんなが大好きになったよ。訓練を終えるころには俳優といえどもタンクを操縦できる5人になっていた。映画の保険会社は気が気でなかっただろうけどね」
― 実際戦車を運転してみて、戦車の乗組員についてどう感じたか
「戦車の乗組員は一つの機械として機能しなければならない。つまり乗組員たちはお互いの役割をちゃんと分かっていなくてはならず、一人がやられたら他の人がすぐに代わりを務められるようにしなければならない。ほんの小さな失敗でも全員にとって命取りなんだ」
― この作品は仲間の絆がとても丁寧に描かれた作品だが、劇中のように自身が仲間に助けられたというような経験は?
「その辺が、この話の誰にでも共感できる点ではないかな。家族を持っている人ならだれでも共感できると思うよ。家族と言うのは、どこの家庭でも愛や絆や、不満や怒りや思いやり、協力、落胆、様々な要因で結ばれていると思うから」
― ついに世界に映画を披露してことについて
「本作には満足している。理屈抜きで心に響く経験をした。こうして映画を披露することが出来てうれしい。労力をつぎ込んだ結果だ」
【ブラッド・ピット】
・製作総指揮
・ドン・コリアー(通称:ウォーダディー)役【役割】車長
長年の戦場での経験を持つチームのリーダー。責任感が強く、仲間の命を守るために常に気丈に振る舞う。
日本でも圧倒的な人気を誇る、ハリウッドを代表する俳優。
デヴィッド・フィンチャー監督の2作品『セブン』(95)、『ファイトクラブ』(99)でその演技が批評家から高い評価を受け、一躍世界から注目される。その後、『スナッチ』(00)、大ヒット作となった『Mr.&Mrs.スミス』(05)などに出演し、人気を不動のものとした。
2008年にコーエン兄弟の『バーン・アフター・リーディング』に出演。主演のジョージ・クルーニーとは、スティーヴン・ソダーバーグ監督のヒット映画『オーシャンズ11』(01)、『オーシャンズ12』(04)、『オーシャンズ13』(07)でも共演している。2009年にはクエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』に出演。
2011年にはカンヌ映画祭でパルムドールに輝いたテレンス・マリック監督『ツリー・オブ・ライフ』とベネット・ミラー監督『マネーボール』に出演し繊細な演技が高い評価を受け、『マネーボール』では全米映画俳優組合賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞、アカデミー賞®の主演男優賞にノミネートされた。その他これまでの受賞歴として、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08)、『12モンキーズ』(95)でアカデミー賞®男優賞にノミネートされ、『12モンキーズ』ではゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞。『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(94)、『バベル』(06)でもゴールデン・グローブ賞にノミネートされている。また去年主演をつとめた『ワールド・ウォーZ』(13)は日本でも記録的大ヒットを記録し話題となった。
さらに、近年では俳優業にとどまらず製作にも活躍の幅を広げており、プロデューサーをつとめた『それでも夜が明ける』(13)は、第86回アカデミー賞®作品賞をはじめ、数々の映画賞を総なめにした。
1945年4月― たった5人で300人のドイツ軍に挑んだ男たち。
俳優、そしてプロデューサーとして映画界のトップに立ち続けるブラッド・ピット。彼が類い希なストーリーとキャラクターに惚れ込み、主演と製作総指揮を熱望した最新作が『フューリー』だ。物語の背景は第二次世界大戦末期。最後の抵抗を繰り広げるドイツ軍に、“フューリー”(=激しい怒り)と命名された戦車で立ち向かった米軍兵士5人の想像を絶する一日の出来事を映し出す。
ブラッド・ピットは、歴戦の勇者でありながら複雑な思いを内に秘めた“フューリー”の指揮官ウォーダディーを熱演。元米海軍のデヴィッド・エアー監督が、ウォーダディーと部下4人の熱き絆をドラマティックに描きつつ、米軍M4中戦車シャーマンとドイツ軍が誇る最強戦車ティーガーの激突など、圧倒的な臨場感とリアリティ溢れる戦闘シーンを見事に映像化。深遠な人間模様と極限のスペクタクルを融合させ、あらゆる観客の胸に響くエポック・メイキングな超大作が、いよいよ公開!
<ストーリー>
1945年4月、戦車“フューリー”を駆るウォーダディー(ブラッド・ピット)のチームに、戦闘経験の一切ない新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)が配置された。新人のノーマンは、想像をはるかに超えた戦場の凄惨な現実を目の当たりにしていく。やがて行く先々に隠れ潜むドイツ軍の奇襲を切り抜け進軍する“フューリー”の乗員たちは、世界最強の独・ティーガー戦車との死闘、さらには敵の精鋭部隊300人をたった5人で迎え撃つという、絶望的なミッションに身を投じていくのだった……。
製作総指揮:ブラッド・ピット
脚本・監督:デヴィッド・エアー
出演:ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル
配給:KADOKAWA
©Norman Licensing, LLC 2014
公式サイト:http://fury-movie.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/fury_jp
公式Facebook:https://www.facebook.com/fury.jp
11月28日(金) TOHOシネマズ日劇他全国超拡大ロードショー!