映画『ふたつの昨日と僕の未来』の初日舞台挨拶が、12月22日、東京・シネマート新宿にて行われ、主演の佐野岳と、水樹奈々、大森研一監督が登壇した。
愛媛県新居浜市市制80周年記念作品として製作された本作は、新居浜市を舞台に現実世界とパラレルワールドを奔走しながら自分の生き方を見つける若者の姿を描くオリジナルファンタジー。映画『瀬戸内海賊物語』や『海すずめ』などで若者たちのヒューマンドラマを描き出してきた気鋭の大森研一監督がメガホンを取り、主人公・越智海斗役を佐野が演じ、新居浜市出身で同市の観光大使も務める水樹が主題歌「サーチライト」を提供した。
11月9日には愛媛県先行公開しているが、全国公開を迎えて佐野は「いよいよ全国の皆さんに観ていただけることを嬉しく思っています」と笑顔を見せ、「色々な解釈もあり、伏線も多いので(映画内容の)説明が難しいですが・・・」と話すと、大森監督から「主人公・海斗が2つの世界を行き来しながら、成功している自分とちょっと沈んでいる自分、2つの人生を生きるのですが、そこで事件が起きて、どっちの生き方を選んでいくんでしょうか?という物語です」と助け舟を出した。そんな大森監督も愛知県の出身。劇中にも登場する実在の喫茶店「アルプス」のTシャツを着て新居浜市をアピール。
主題歌「サーチライト」について水樹は「子供のころから見ていた景色を思い出して、(映画の)物語を想像しながら作りました。私にとって当たり前の情景を、大勢の方に見ていただくという・・・、うれし恥ずかしというか、よく思われたいという気持ちで(笑)」と曲と映画への特別な思いを吐露。
主題歌の感想を聞かれた佐野は「この作品にピッタリな曲。エンディングで流れているのを聴いていると背中をポンと押されるような感じがする。曲が耳から離れないです」と絶賛し、「サーチライト、サーチライト♪」とサビの部分を口ずさむ。「あっ、本人の前で歌っちゃった!」と恥ずかしがると、MCから「ラジオ番組で大森監督とも歌ったんですよね」と突っ込まれ、「ラジオのOAのときは、まだ音源が解禁前だったので、監督とアカペラで『こういう感じなんですよ・・・』って、ちょっと歌ったんです」と説明。
すると、「ぜひここで歌って!」という会場の声に乗せられ、監督とともにワンフレーズを生披露。優しい眼差しで見守っていた水樹は「素晴らしいですね、本当に愛を感じました!」と感激し、佐野は恐縮しきりの様子だった。
また、佐野は「山の上での雨のシーンでは、水源がないので何十リットルも水を運んで、人の手でジョウロでかけていたんです」と撮影を振り返り、「現場では、いつも地元の方々が温かい食べ物を出してくださいました。“芋炊き”“どて焼き”“フグザシ”など地元の美味しいものもたくさんいただき、すごくいい雰囲気のなかで撮影ができました」と感謝の気持ちを述べ、「そういう温かい空気が画面からも出ていると思います」と作品の出来栄えに自信を覗かせていた。
さらに、この日は新居浜市長も映画公開を祝って応援に駆け付け、残念ながら出席できなかったヒロイン役の相楽樹からの手紙も届いた。手紙には「たくさんの地元の方々に支えていただき、映画の内容も含めて、人と人のつながりを深く感じる作品でした。皆さんにもそれぞれの視点で、大切なものを改めて考えるきっかけになればいいと思います」と書かれていた。
映画『ふたつの昨日と僕の未来』
<ストーリー>
その扉の先にはかなえたい未来があった。 マラソンランナーとしてオリンピックを目指していた海斗(佐野岳)。 しかし、怪我を理由に現役を断念する。その後は市役所に勤め、 無気力な日々を過ごしてきたが、とうとう彼女の真里乃(相楽樹)にも見放される。 そんなある日、観光案内で訪れた山の中で大雨に見舞われ、逃げ込んだ先に不思議な 坑道を見つける。雨を避けようと中へ入ったはずが、なぜか坑道の外へ。 そこは、同じ場所だが雨が止んでいる。 その瞬間、経験したことがないはずの記憶が駆け巡った。交差する記憶に混乱しながら 街に戻ると、喧嘩していたはずの真里乃とは順調に交際し、オリンピックの金メダリスト として街の英雄に!?市役所では、事故で亡くなったはずの父・悟(神保悟志)が上司として働いていた。 家に帰ると、生きていたはずの祖母・智恵子(岩本多代)の遺影があり、とっくに亡くなったはずの 祖父・哲夫が現れる。訳が分からない海斗に哲夫から驚きの事実を告げられる。 2つの世界の狭間で揺れ動く海斗。果たして彼が進む未来は・・・。
佐野 岳
相楽樹 菅谷哲也 菅野莉央 鶴見萌
久保田 悠来 / 宮地 真緒 / 榎木孝明(特別出演)
神保悟志 / 岩本多代
監督・脚本:大森研一
脚本:福田卓郎
主題歌:水樹 奈々「サーチライト」(キングレコード)
配給:キャンター 制作プロダクション:キャンター
企画製作:ハートネットワーク 大森研一
製作協力:新居浜市 新居浜市市制施行 80 周年記念事業実行委員会
製作:「ふたつの昨日と僕の未来」製作委員会
© 2018 「ふたつの昨日と僕の未来」製作委員会
公式サイト:http://futaboku.com
公式ツイッター:@futaboku_m
シネマート新宿ほか全国順次公開中