映画『グッバイ・クルエル・ワールド』のサンダーバード前セレモニー&完成披露上映会が、7月7日、東京・日比谷にて行われ、キャストの西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、三浦友和と、大森立嗣監督が参加した。
監督・大森立嗣×脚本・高田亮がオリジナルの本作は、ヤクザ組織の資金洗浄現場を狙い、大金強奪に成功した強盗組織のメンバーたちの奮闘を描くクライムエンタテインメント。互いに素性を明かさず、それぞれの日常に戻るはずが、ラブホテル従業員や、刑事たちを巻き込みヤクザに追われる大波乱の物語が幕を開ける。主人公の元ヤクザ・安西を西島秀俊が演じた。
イベントは、ミッドタウン日比谷1階アトリウムにて、劇中で登場する安西の愛車のフォード・サンダーバードを前にしたセレモニーからスタート。まずは、覆面集団による迫力満点のダンスパフォーマンスが披露され、会場のボルテージがあがったところで、キャスト陣が登場。
日比谷ミッドタウンの吹き抜けスペースで、各階からセレモニーを見届けようと集まったオーディエンスに囲まれ、西島は「こんなところで挨拶するとは思わず…驚いています」と会場を見渡す。アメ車サンダーバードを眺め、「撮影初日にみんなで乗った車なので印象深いですね」としみじみ。三浦は「あれ?こんなに汚かった?」と言い、笑いを誘うも「この中に5、6人で乗って。暑かった記憶がありますね」と懐かしそうに振り返った。
次に、TOHOシネマズ日比谷の劇場へと場所を移し、舞台挨拶に登壇したキャストと監督。
本編が完成し、西島は「この映画はそれぞれが主役のような群像劇。僕自身も皆さんに観ていただき、そしてキャストの皆さんとこのように再会してはじめて映画が完成するという感覚があります」と感慨深げ。
本作の制作経緯を、大森監督は「プロデューサーと自分たちの好きな映画の記憶を辿っているなかで、『そんな映画を作れたらいいね』というところから生まれたんです」と説明した。
SNS上で“バイオレンス西島”を楽しみにしているという声が上がっていると聞かさせた西島は、「最近は穏やかな役が多く、暴力にさらされる世界にいる役は久々で、今回はかなり追い込まれていく役。そんな僕が好きな方がもしいらっしゃったら、ご期待に沿えると思います(笑)」とニッコリ。
ヤミ金業者・萩原を演じた斎藤は、「(萩原へ)愛しい思いを持ち、足し算・引き算をしながら、行くならとことんやろうと監督と一緒にキャラクターを作っていきました」とコメント。
西島の演技について、斎藤は「最高ですよ、西島さん。シビレます」と称えつつ、「この間まで地球を守っていたのに…」と、共演した映画『シン・ウルトラマン』を引き合いに出すと、西島から「あなたが守ってましたよね?(笑)」と返される。それでも斎藤は「この作品では車も運転してくれています。貴重な西島さんが見られますよ!」と、西島の主演作『ドライブ・マイ・カー』の話も出して会場の笑いを誘っていた。
一方、事件に巻き込まれるラブホテル従業員・矢野に扮した宮沢は、「矢野は生きていることや世の中に対して不満があるけど、実はすごく希望を持っているんです。なので、最後まで目の奥の輝きを失わないように気をつけました」と振り返る。
さらに、「先輩方はオンとオフがはっきりされていて、本番で集中してパッと終わらせるのがカッコ良い。自分もできるようになりたいと思いました」と語り、「特に斎藤さんは演じているときは鳥肌が立つぐらい怖いのに、カットが掛かった瞬間に、いつもの優しい工さんに戻られるので、安心しました」とエピソードを披露。
その言葉に、斎藤は「切り替えというか、氷魚さんの純朴な瞳を見ると、心がほだされてしまう。キュンとしてました」と返し、宮沢を照れさせた。
借金取り立てに追い詰められている美流を演じた玉城は、「役作りで、ビジュアルを固めたことで役を演じきれた」とし、見どころについて「結構痛めつけられたりしているので、そこを見てほしい」とニヤリ。大森監督も「酷いことをする場面でいきなり笑いだして……。この人こういうときに笑うんだと思った」と、玉城の隠れた一面に驚いた様子。
すべての登場人物の運命を翻弄するような男・浜田を演じた三浦は、演じる上で参考したモデルを「役名が浜田なので・・・ダウンタウンの浜田雅功さんの人を掌握する力を参考にしました」と明かす場面も。
また、西島がガソリンスタンドの大爆発シーンに言及し「大したことはないと聞いていたのに、いざやってみたら昼間みたいに明るくなって・・・。みんなびっくりでしたよ」と伝えると、三浦は「爆発については、僕は西部警察に務めていたことがあるので(テレビドラマ『西部警察』に出演)。そんなには驚きませんでしたよ」と涼しい顔を見せていた。
最後に大森監督は「見どころがいっぱいあります。頭で考えずに物語を浴びるように見て、体感してほしい」とアピール。西島が「今の時代、生きていく中で自分の居場所が見つからない、安心していられるところがないという感覚を持っている人が多いと思う。この映画では、誰かに感情移入してそのキャラクターと一緒に生きていける。物語の誰かに気持ちを乗せて、その人が生き延びるように願いながら楽しんでいただければ」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。
出演:⻄島秀俊 斎藤工 宮沢氷魚 玉城ティナ 宮川大輔 大森南朋 / 三浦友和
奥野瑛太 片岡礼子 螢 雪次朗 モロ師岡 前田旺志郎 若林時英 青木柚 / 奥田瑛二 鶴見辰吾
監督:大森立嗣
脚本:高田亮
オープニング曲:「What Is This」Bobby Womack(Universal Music)
劇中曲:「Let’s Stay Together」Margie Joseph(Warner Music Japan)
「Back In Your Arms」Wilson Pickett(Warner Music Japan)
エンディング曲:「California Dreamin’」Bobby Womack(Universal Music)
製作:小西啓介 森田圭 甲斐真樹 小川悦司 田中祐介 石田勇 前信介 山本正典 檜原麻希 水戸部晃
企画・プロデューサー:甲斐真樹
製作幹事:ハピネットファントム・スタジオ スタイルジャム
制作プロダクション:スタイルジャム ハピネットファントム・スタジオ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
レーティング:R-15
©2022『グッバイ・クルエル・ワールド』製作委員会
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9月9日(金)全国公開