たったひとり、僕を理解してくれたのは彼女だった―
主演山﨑賢人 × ヒロイン松岡茉優
監督:行定勲(『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』)
原作:又吉直樹「劇場」(新潮社)
『劇場』映画化決定!
作家・又吉直樹が芥川賞受賞作品となった「火花」より前に書き始めていた作家の原点とも言える恋愛小説「劇場」(新潮社)。「恋愛がわからないからこそ、書きたかった」と又吉が語る2作目は、劇作家を目指す主人公永田と、彼に恋をし必死に支えようとする沙希の、生涯忘れることができない7年間の恋を描いた恋愛小説。本作の映画化が決定、2020年に松竹=アニプレックスの共同配給にて公開される。
監督を務めるのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』等、時代ごとに恋愛映画のマスターピースを贈り続けてきた行定勲監督。恋愛における幸せと背中合わせのどうしようもない葛藤や矛盾を真っ向から描く撮影が進んでおり、令和の時代に新たな恋愛映画の傑作の誕生を感じさせる。
脚本は2009年「まほろば」で第53回岸田國士戯曲賞を受賞し、行定監督とは『ピンクとグレー』(2016)に続き映画では2作目の脚本担当となる蓬莱竜太。20年に渡り、自身の劇団の作・演出を手掛け続けてきた蓬莱だからこそ表現できる、若き劇作家の苦闘の日々を書き上げた。
主演を務めるのは、興行収入56憶円を突破した『キングダム』の大ヒットの記憶も新しい、今最も出演作が期待される俳優、山﨑賢人。演劇に身も心も捧げながら、実生活では社会や周囲の人々とうまく協調できない不器用な青年・永田を、撮影前に何度も監督とエチュードを重ね役を作り上げたといい、人生初のひげを生やしたという山﨑は、これまでに見たことのない表情で挑んでいる。ヒロインを務めるのは、『万引き家族』で世界に認められた若き実力派女優、松岡茉優。葛藤や迷いを抱えながらも、純粋に彼を愛そうとする健気な沙希を、儚くも愛しく演じている。
山﨑・松岡ともに行定監督とは初タッグとなり、その化学反応が期待される。
中学からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。しかし、前衛的な作風は上映ごとに酷評され、客足も伸びない。劇団員と永田の関係も悪く、永田は言いようのない孤独を感じていた。
そんなある日、永田は街で、自分と同じスニーカーを履いている沙希(松岡)を見かけ声をかける。突然の出来事に沙希は戸惑うが、様子がおかしい永田が放っておけなく一緒に喫茶店に入る。女優になる夢を抱き上京し、服飾の大学に通っている学生・沙希と永田の恋はこうして始まった。
お金のない永田は沙希の部屋に転がり込み、ふたりは一緒に住み始める。沙希は自分の夢を重ねるように永田を応援し続け、永田は自分を理解してくれ支えてくれる沙希を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していくが―。
撮影は6月初旬から始まり、演劇の聖地・下北沢を中心に都内で行われ、山﨑・松岡と監督、そしてスタッフが一丸となり、繊細でドラマティックな数々のシーンを撮影中。芥川賞受賞作家が自身の原点として書き上げた原作を、恋愛映画のマスターピースを贈り続けてきた監督と、日本映画界を牽引する若き俳優たちが挑んだ大人のラブストーリーの完成が今から期待される。
山﨑賢人コメント・プロフィール
(コメント)
初めて本を読んだ時、人としてダメな部分ばかりですが、表現者としてとても共感できる弱さを見せる永田をすごく魅力的だと感じました。
自分にとってとても挑戦的な作品でしたが、以前からご一緒したかった行定監督のもと、今しか出せない自分のものを全部出せているのではないかと感じています。
撮影を通して、とても魅力的な原作にさらに映画としての魅力を盛り込んだ作品になるのではないかと思っています。
1994年生まれ・東京都出身、2010年に俳優デビュー。
翌年『管制塔』(三木孝浩監督)で初主演。2015年には、NHK連続テレビ小説「まれ」、「デスノート」(NTV)など話題作に多数出演、『ヒロイン失格』(英勉監督)、『orange-オレンジ-』(橋本光二郎監督)で第39回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。2019年主演を務めた『キングダム』(佐藤信介監督)は興行収入〇億円を突破。近年テレビドラマでは「陸王」(TBS/2017)、主演を務めた「トドメの接吻」(NTV/2018)、「グッド・ドクター」(CX/2018)などに出演。映画では『オオカミ少女と黒王子』(廣木隆一監督)、『四月は君の嘘』(新城毅彦監督)、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(三池崇史監督)、『斉木楠雄のψ難』(福田雄一監督)、 『羊と鋼の森』(橋本光次郎監督)などで主演を務めている。待機作には主演映画『二ノ国』(声の出演/百瀬義行監督)、『ヲタクに恋は難しい』(福田雄一監督)など。
松岡茉優コメント・プロフィール
(コメント)
沙希役の松岡茉優です。
同い年の山﨑賢人君とは実は昔共演しているのですが、直接一緒にお芝居するのは初めてです。
永田と沙希について、撮影中何度も2人で話し合いました。
2人とも脚本に心底惚れており、意見が違ったことはありませんでした。
とても繊細な本で、私たちの演じ方が変わってしまうと、話の到着すら変わってしまいそうで。
行定勲監督が若い私たちを導いてくれました。
全国の恋する、愛する、はたまた情で離れられなかったり、何かのきっかけを失っているパートナー達が救われる映画になると思います。
完成を楽しみにしていてください。
1995年生まれ・東京都出身。2008年「おはスタ」(TX)でおはガールとして本格デビュー。『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督)、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」などで注目される。2016年には「その『おこだわり』、私にもくれよ」(TX)、「水族館ガール」(NHK)でテレビドラマ主演を務め、『勝手にふるえてろ』(大丸明子監督)にて、映画初主演を務める。『猫なんかよんでもこない。』(山本透監督)、『ちはやふる』(小泉徳宏監督)で第8回TAMA映画賞最優秀新進女優賞、第40回山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞。
主な代表作にドラマでは「コウノドリ」(TBS/2015・2017)、大河ドラマ「真田丸」(17/NHK)、『万引き家族』(是枝裕和監督)など。
待機作には、主演を務める『蜜蜂と遠雷』(石川慶監督)、『ひとよ』(白石和彌監督)などがある。
行定勲監督コメント・プロフィール
(コメント)
小説『劇場』はあまりにも身に覚えがある場面ばかりで胸をかきむしるような想いで読んだ。
私は又吉さんが書いた主人公がまとう空気をどうしても撮りたくなった。
ザラザラとした、夜が明ける頃に感じる切なくて淋しい空気を。
下北沢、渋谷、井の頭公園、そこかしこで錆つきそうな青春が吹き溜まっている。
山﨑賢人と松岡茉優という稀代の若く鋭い感性と共に、自戒を込めてどうしようもない男と女の在り方を映画として映し出せたらと思います。
1968年生まれ・熊本県出身。2000年長編映画発案特作品『ひまわり』で釜山国際映画祭国際批評家連盟賞受賞、2001年『GO』で日本アカデミー賞最優秀監督賞など数々の賞に輝き、2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』は興行収入85億円の大ヒットを記録。2010年『パレード』でベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞、2018年第68回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で国際評価連盟賞受賞。
主な代表作に、『北の零年』(2005)、『クローズド・ノート』(2007)、『今度は愛妻家』(10)、『ピンクとグレー』(16)、『ナラタージュ』(17)など。待機作に、『窮鼠はチーズの夢を見る』がある。
原作者:又吉直樹コメント・プロフィール
(コメント)
『劇場』という小説は、恋愛というものの構造がほとんど理解できていない人間が書いた恋愛小説です。
恋愛小説と呼べるものになっているかすらもわかりません。ただ、若くて未熟な二人がともに過ごしたどうしようもない時間を必死で書いているうちに、作家のわずかな能力を超えて濃密な風景が幸運にも立ち上がったと感じています。
ちょっと表現まわりくどいですか?「こいつなに一丁前に作家ぶっとんねん」と思いました?
でも、本心なんです。それくらい自分にとって、大事な作品です。
信頼している行定勲監督、そして山﨑賢人さん、松岡茉優さんをはじめ、魅力的な俳優陣によって映像になることを嬉しく思っています。
普通、原作者はシンプルな言葉で感謝を綴るくらいが丁度いいと思うのですが、思わず長文になってしまい恥ずかしいです。そして、言い訳しているせいで、より長くなってしまいました。すみません。
絶対観に行きます!
1980年生まれ・大阪府出身。吉本興業所属のお笑い芸人であり、コンビ「ピース」として活動中。
2015年「火花」で第153回芥川龍之介賞を受賞。著書に、『東京百景』『第2図書係補佐』などがある。
2019年、自身3作目の中編小説となる『人間』を発売予定。
原作:「劇場」について
初掲載された「新潮」2017年4月号は発売から10日余りで完売、文芸誌としては異例の重版が決定。単行本は現在33万部を突破している。
『劇場』
出演:山﨑賢人、松岡茉優
監督:行定勲
原作:又吉直樹「劇場」(新潮社)
脚本:蓬莱竜太
公式HP: https://gekijyou-movie.com/
2020年 全国ロードショー