映画『ゴジラ-1.0』のアカデミー賞受賞記念記者会見が、3月12日、東京・羽田空港第3ターミナルのTIAT SKY HALLにて行われ、山崎貴(監督・脚本・VFX)、渋谷紀世子(VFXディレクター)、髙橋正紀(3DCGディレクター)、野島達司(エフェクトアーティスト/コンポジター)が登壇。サプライズで、本作のヒロインを務めた浜辺美波がお祝いに駆け付けた。
1954年に初めて姿を現して以来、日本のみならず世界中を魅了し続けてきた怪獣「ゴジラ」。その70周年記念作品であり、日本製作の実写版ゴジラ30作品目となる最新作『ゴジラ-1.0』が、米・ハリウッドにて開催された映画界の祭典、第96回アカデミー賞にて、視覚効果賞を受賞! 日本映画が本賞を受賞するのは史上初の快挙となった。
この日、帰国後初の公の場となる会見で直接その喜びを語った山﨑監督。「本当にどうなることやらと思いながら臨んだオスカーでしたが、非常に最高の結果になり、今はホッとしております」と安堵の顔を見せつつ、実際にオスカー像を手にし、「想像を遥かに超える重さでびっくりしました。結構緊張していたんですが、それを一瞬忘れるくらいの重さでした」と振り返り、「本当はシュワルツェネッガーさんから(オスカー像を)もらいたかったんですが・・・(笑)」と本音もチラリ。「でも、シュワルツェネッガーさんと握手ができたので良かったです」と笑顔を見せた。
それでも、アカデミー賞のステージは格別なもの。「僕の拙い英語のスピーチを『頑張れ!』と皆さんが温かい気持ちで聞いてくれて、さすがだなと思いました」と照れ笑い。
渋谷は「オスカーが獲れるかどうかは五分五分だと思っていましたが、言霊になると思ってずっと獲る!獲る!と言っていました。逆に獲った瞬間はびっくりしちゃって。直前に振舞われたテキーラも口にしていたので、テンションが上がっちゃいました(笑)」とニッコリ。
高橋は「本当に名前が呼ばれるまでは、獲れればいいな、ノミネートだけでも十分だと思っていたんですが、実際に『ゴジラ-1.0』と言われて頭が真っ白になってしまいました。僕はシュワルツェネッガーさんからオスカー像をもらいました(笑)」と嬉しそう。
野島も「僕もシュワルツェネッガーさんからもらいました(笑)」と監督を見てニヤリ。「『ゴジラ-1.0』と呼ばれる3秒くらい前に、子供のころ授業中に名前を指される瞬間がわかるような感じを一瞬感じて。そのときの気持ちと一緒でした。そのあと、壇上に上がっていく間に何が起こったのか理解しはじめて、手足が痺れて感じたことのない気持ちになりました」と受賞に衝撃を受けた様子。
今後を見据え野望を問われると、山﨑監督は「野望はいっぱいあるんですが、ここではあまり言えないですね。でも、日本映画がハリウッドでそれなりの興行成績を上げて、ちゃんと賞をもらったということは、今後の映画の作り方が変わってくる可能性を秘めているなと思いました。それは、ゴジラというよりは字幕上映や、日本人のキャストしが出ていなくても北米でも観られるようになっていきていることが確実に感じられた。それは凄くいいことだし、いろんな意味で可能性が広がったことは良かったと思います。野茂選手が大リーグに行った途端にたくさんの人が大リーグに挑戦できるようになったように、今回のことをきっかけにもっとワールドワイドな興行を目指した作品を作ってくれる人が出てくるかと」と、期待を込める。
受賞直後には、今回作品賞を受賞した『オッペンハイマー』のアンサーとなる作品を作りたいと意欲をのぞかせていた監督だが、「また、あの会場に戻りたい、今度は監督賞や作品賞を獲りたいという欲があるか?」という質問には「僕は賞を目指すのは好きじゃない。そういうことは考えずに、作りたいものを徹底的に一生懸命作っていけば、もしかしたらそういう道が開ける可能性がある。(賞を)目指さずにやっていきたいです」と賞レースを目的とはしないことを断言した。
幼少の頃に『スターウォーズ』を観て、映画の世界に夢を馳せていたという山﨑監督。「今回はもう完全にゴジラのおかげですね。ゴジラというキャラクターが本当に大スターだったことは改めてかんじました。アメリカの人たちがいかに“ゴジラ”が好きだったかと」と、“ゴジラ”に感謝していた。
会見では昨年亡くなった阿部プロデューサーの名前もあがり、「僕を監督として導いてくれた人。制作中はいかに阿部さんを納得させられるかにかかっていたと言ってもいいほど」と想いの丈を口にする山﨑監督だったが、現場では監督にも物言う若いスタッフもいて心強いばかり。野島は初めてのパスポートで、初めての海外で、初めてのオスカーを達成した。監督が「これが人生のピークにならないでね(笑)」と野島を見やりほほ笑むと、「監督が天才でいてくれてありがとうございます!」と野島。監督はその言葉に照れまくっていた。
ここで、浜辺美波がサプライズで登場し、監督に花束を贈呈。監督がオスカー像を手渡すと「お、重い!!」と驚きの声をあげつつ、「本当におめでとうございます!本当に選ばれたときはびっくりして、皆さんの喜んでいる表情と、監督の素晴らしいスピーチが・・・(笑)。とても感動しました。演者として参加できて幸せでした」と、金色のゴジラを手にして、ともに受賞を喜んでいた。
最後に、山﨑監督が「あまりにも上手くいきすぎてるので本当は怖いんですけど、スタッフ・キャストの皆さんの努力がここまでゴジラというものを押し上げてくれたと思いますし、ゴジラだからこの場所に行けたという思いもすごくあります。ここを到達点にしないで、ここを出発点として、さらにいろんなことに挑戦していきたいと思っています」と、メッセージを送り会見を終了した。
【作品概要】
■タイトル:『ゴジラ-1.0』
英語表記:『GODZILLA MINUS ONE』
モノクロ映像版:『ゴジラ-1.0/C』
■キャスト: 神木隆之介 浜辺美波
山田裕貴 青木崇高
吉岡秀隆 安藤サクラ 佐々木蔵之介
■監督 脚本 VFX: 山崎貴
■音楽 : 佐藤直紀
■制作プロダクション: TOHOスタジオ、ROBOT
■配給: 東宝(株)
■マルシー: ©2023 TOHO CO., LTD.
■公開日: 2023年11月3日(金・祝)より全国の映画館にて大ヒット公開中
■ホームページ: https://godzilla-movie2023.toho.co.jp
■Twitter: https://twitter.com/godzilla231103
■Instagram: https://www.instagram.com/godzilla231103/
■TikTok: https://www.tiktok.com/@godzilla.toho
全 国 劇 場 に て ‟ゴジラ級”大ヒット 公 開 中 !