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岡田将生「子供たちとの絡みが絶対に面白くなる」と直感! 若い世代とのセッションから40代の自分を見据える! 映画『ゴールド・ボーイ』インタビュー! 

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映画『ゴールド・ボーイ』が、ついに3月8日より全国公開。中国の大ヒットドラマ『バッド・キッズ』 原作小説「坏小孩」 (悪童たち) by ズー・ジンチェン(紫金陳)を日本で映画化した本作は、沖縄の街を舞台に、凶悪な殺人犯と、金を求めて殺人犯を脅す少年たちが繰り広げる、予想不能の本格クライム・エンターテインメント。

監督は、平成『ガメラ』3部作、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』、『デスノート』など国内外でのヒット作を生み出す金子修介。主人公の殺人犯・東昇(ひがし のぼる)を岡田将生、作品の鍵を握る少年たちを羽村仁成、星乃あんな、前出燿志が演じ、黒木華、松井玲奈、北村一輝、江口洋介ら実力派俳優が脇を固めた。

これまでも様々な役を多彩に演じてきた岡田が、今回挑戦したのは狂気あふれる殺人犯。その怪演ぶりは美しささえ感じてしまうほど。原作、脚本から本作の魅力を感じていたという彼が撮影現場を振り返りながら、今後の展望も語ってくれた。

― 最初に脚本をお読みになったときの印象を教えていただけますか?

まず、中国の原作を映画化するという企画がとても面白いと思いました。この内容を約2時間の話にまとめることはとても難しいと思いますし、なかなか挑戦的な物語だなと感じました。
僕は東昇という人物に共感することはなかったですが、共感とは少し違うけれど、自分の中にある怒りのようなものがこの役を通して昇華できるかな・・・と考えながら読んでいました。そして、子供たちとのお芝居の絡みが絶対に面白くなる!と直感したので、ぜひ参加したいなと思いました。

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― 東昇という挑戦的な役をどのように解釈して臨まれたのでしょうか?

たぶん、どなたにも多少なりとも怒りや不満など抱えてるものがあるのではないでしょうか。東昇という人物が何に対して行動を起こし、殺人を犯してしまうのかということを考える時間は楽しかったですね。それに対しての正解はなく、監督とお話をしながら現場でお芝居を作っていく作業がとても面白かったです。

― かなりエネルギーを使って演じられ、冷酷な役がらゆえに目つきもどんどん鋭くなっていきます。そんな役を演じて日常生活で何か影響を及ぼすようなことはなかったでしょうか?

ちょうど昨年、知り合いの俳優さんたちとそんな話をしていました。僕は(役に)引っ張られるタイプではありませんが、役によってやはりどこか日常的に言葉がきつくなったり、身近にいる友人に対して多少なりとも態度に出ているのかもしれないね・・・と話していました。でも、僕は基本的に現場が終わったら(気持ちが)何も残らないタイプで。役を考えている時間に勝手にスイッチが入っているんじゃないかなと思います。

― 撮影期間中、昇の心情になっていくのは辛かったですか?

昇は自分の道筋を作っていく中で子供たちと出会うので、そこに対してのフラストレーションは多少なりともありました。子供たちに手を下せるチャンスはたくさんあったはずなのに、なぜそうしないのか・・・。この作品にはそういう余白がたくさんあるし、今回演じた昇に関して人物背景が最初から全く説明がないので、観ている皆さんが考えるスペースもある。監督と正解を詰めずに色んな可能性を探っていたので、その過程は楽しかったです。

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― 現場では子供たちとの距離を取っていたとのことですが、それは役作りのためにされていたのでしょうか? または子供たちの魅力を引き出すためにあえてそうされていたのでしょうか?

どちらでもあると思います。僕が若い時にもそうしてくださる先輩方がいました。全ての若い俳優さんがそうではあるとは限りませんが、若いときは、無駄にコミュニケーションを取らず、いい緊張感のままカメラの前に立つことはなかなか難しい。僕も現場が楽しかったり、知り合いの方がたくさんいて待ち時間にずっと喋っていると、たまに監督に注意されることがありました。「ちょっと楽屋の延長になっているよ」って(笑)。今回の役に関しては、子供たちとの距離を縮める必要があまりなかったので、自分は現場では子供たちを見守っている感じで、俯瞰的な立場でいようと思っていました。ひと言ふた言くらいは話しますが、結果的に子供たちがいい緊張感で現場に臨んでくれていたので良かったのではないかと思います。

― 沖縄ロケによる、街の雰囲気も作品に影響を与えていたのでしょうか?

最初に台本を読んだときに、(物語の舞台が)どこであるかがとても大切になると思っていました。中国原作の小説を読ませていただきましたが、小説から自分が想像するものは日本とはかけ離れていて、アイデンティティも全然違いました。だからこそ、どこでロケをするかによってマイナスになるかプラスになるかのどちらかになるだろうなと。沖縄だけにしかない独特な土地の雰囲気があるので、それがとてもプラスに働いて、沖縄の街並みも含めて子供たちがそこで生活をしているという説得力が生まれたのではないかと思います。これを東京で撮影していたら、全然違う映画になっていたと思うので制作の方々の沖縄の選択はとても素敵だなと思いました。

― 子供3人のそれぞれの個性が際立っていますが、特に羽村さんと岡田さんとの対峙はソクゾクするものがあります。実際に共演されていかがでしたか?

本当に素晴らしい俳優さんです。若いけれどあまり構えずに凄くナチュラルな状態で現場に入ってくるんです。僕の若いときは、もう緊張してしょうがなかったのですが、今の若い世代の方々はお芝居を通じても度胸があると感じました。羽村くんは独特な雰囲気があるんです。メイクをしているときと、カメラの前に立ってるときの姿があまり変わらないし、彼が纏っている空気は全然違っていました。僕の役と羽村くんの役は表裏一体の様な要素があったので、よく(羽村くんを)観察していたんですが、ふと目をやると体を動かしていて、踊りたそうにしていて(笑)。でも、いざ現場に入ると一気に役者の目つきに変わるので、いいギャップがあってとても素敵だなと思っていました。

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― 今回のように若い世代の方とやり取りの多い作品に参加されると、ご自身が同じ年の頃はこうだったなと振り返ったりされますか?

そういうことはあります。若い頃はお芝居に対してあまり深く考えていなかったので、監督にもよく怒られていましたし(笑)、今の若い世代の俳優さんはポテンシャルも高いし、台本を読む力、理解力も凄く上がっていると感じます。

― 世代や年の差は関係なく、岡田さんも彼らから学ぶことがあるのでしょうか?

もちろんです。僕も様々な先輩から色んなことを教えていただきましたが、年下の俳優の皆さんと一緒に仕事をすると、僕もまだ知らない方法ややり方、いろんな情報を持っているので、凄く勉強になります。そういう機会は今後も増えていくと思います。

― 子供たちとのシーンで何かエピソードがあったら教えていただけますか?

僕は“血のり”があまり好きじゃないんです。もちろん、シーンやお芝居でとてもプラスになることが多いのですが、1回失敗すると衣装も替えないといけないし、“血のり”ってなかなか落ちないんですよ。爪の間に入った血のりを取っているときほど嫌な時間はないです(笑)。でも、子供たちは“血のり”シーンの経験があまりないのか、とても楽しみにしているんです。「これ、どのくらいかかるんだろう」「どうやって受けたらキレイに映るんだろう」と気にしていたので、「この角度じゃない?」と少しアドバイスをしました。新鮮でいいなぁと思いましたね。ああ、こういう純粋さが失われていたな、こういう気持ちっていいなと思いました。特に前出くんは緊張しているんだけど、早く(血のりに)かかりたいっていう顔をしていて・・・、可愛いかったです(笑)。

― 撮影を終えて、岡田さんが特に印象に残っているシーンや好きなシーンがあったら教えてください。

この映画をご覧になる皆さんが一番驚かれるのは、たぶん僕が子供たちと対峙するラストのシーンではないでしょうか。あの場面は長くこの仕事をやらせていただいている僕の中でも、とてもびっくりしたシーンなので。最後の子供たちとのシーンが全体のクランクアップでもあったので、とても印象に残っています。

― とても目が離せないシーンですが、現場の皆さんも緊迫した様子だったのでしょうか?

そのシーンは特にリハーサルの時間も多く取っていただき、スタッフさんも含めより入念に準備して一同が臨んだので、本番ではいいものが撮れると確信していました。

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― 完成した本作をご覧になった感想と、岡田さんが感じるこの作品の魅力をあらためて教えてください。

僕は最初に脚本を読んだときから、殺人犯の大人と子供の対立が面白いと思っていて、それは映画の中でも、お芝居をしていても感じていました。頭脳戦でもあり、対峙している構造が一番のこの作品の魅力ではないかと思っています。

― 羽村さん演じる朝陽が「何をしたとしても14歳までは捕まらないよ。少年法で決まっているから」というセリフもちょっとドキッとします。

そうですね。でも、悲しくなりますよね。子供たちにああいう言葉を言わせてしまっているのは、大人の責任だと思うんです。そういう社会的なことも考えて、この作品には色々なメッセージが含まれているので、エンタメとしても楽しんでいただきたいですが、いま日本で起きていることや、この先の子供たちの未来について考えるきっかけになってもらえれば嬉しいです。

― これまでもシリアスな役からコミカルな役、そして今回のように猟奇的な役など、多彩な役を演じ分けていらっしゃいますが、今後チャレンジしてみたいものは何かありますか?

それは年齢とともにどんどん変わっていくものだと思います。先輩たちから「30代でも生きていける俳優になるために、20代のうちにいろんな経験をしなさい」と言われていたので、機会がある限りいろんな役にチャレンジさせていただきました。30代の今は、40代になったとき、僕は品がある役者さんでありたいなと思っているので、いろんな知識とともにいろんなものを吸収したい。若い人たちから得るものもたくさんあると考えています。今後は少しずつ教えていく立場にもなっていくと思うので、30代のうちにいろんな若い世代の俳優の皆さんとセッションして作品作りをしていきたいですね。それが自分にとってチャレンジでもあるので。そういう意味でも今回はいい経験になりました。

【岡田将生(Masaki Okada)】
1989年8月15日生まれ、東京都出身。
近年の出演作に映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)、『CUBE 一度入ったら、最後』(2021年)、『1秒先の彼』(2023年)、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023年)、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年、KTV)、『ザ・トラベルナース』(2022年、EX)、舞台『物語なき、この世界。』(2021年)、『ガラスの動物園』(2021年)、などがある。

撮影:松林満美

ゴールドボーイ本ポスターB1

映画『ゴールド・ボーイ』
「それは、完全犯罪のはずだった」――。
東昇は、崖の上から義理の両親を突き落として殺害する。
しかし、少年たちは偶然その瞬間を録画していた…
少年たちはそれぞれの事情で金を求めており、金のために殺人犯である東昇を強請ることを決意する。

凶悪犯罪の裏で、妻へ誠実な態度を見せながら関係性を取り繕うとする東昇、子供を守るため毅然とした態度をとる安室香、自身の心の内を吐露する東静、事件の真相に踏み込んでいく刑事の東巌、父親として子供の未来を按ずる打越一平など、大人と少年たちそれぞれを取り巻く環境でも、様々な人間の思惑が交錯し合う。

凶悪な殺人犯と、金を求めて殺人犯を脅す少年たち。
二転三転する駆け引きの末に待ち受ける結末とは…。

■キャスト
岡田将生
黒木華
羽村仁成
星乃あんな
前出燿志
松井玲奈
北村一輝
江口洋介

■スタッフ
企画:許 曄
製作総指揮:白 金(KING BAI)
監督:金子修介
原作:小説「坏小孩」(悪童たち)by ズー・ジンチェン(紫金陳)
プロデューサー:仲野潤一
脚本:港 岳彦
音楽:谷口尚久

配給:東京テアトル/チームジョイ
宣伝:ブシロードムーブ
Ⓒ2024 GOLD BOY

■ゴールド・ボーイ公式
公式サイト:https://gold-boy.com
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/goldboy_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/goldboy_movie/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@goldboy_movie

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