伊坂幸太郎のベストセラー『 グラスホッパー 』が満を持して映画化。
グラスホッパーとはトノサマバッタのこと。トノサマバッタは密集して育つと黒く変色し、凶暴になる。人間もしかり…。
9月29日(火)東京・丸の内ピカデリーにて完成披露試写会が行われ、生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、菜々緒、村上淳、吉岡秀隆、瀧本智行監督が登壇した。
グラスホッパーをイメージした緑のカーペットが用意され、会場奥のドアからキャスト陣が登場すると、歓喜の声と拍手が沸き起こった。
カーペットだけでなくグラスホッパーカラーの緑を差し色にそれぞれ工夫された衣裳の登壇者たち。なかでも生田斗真はメタリック調の派手なグリーンのスーツが目立っている。
それぞれに、ボタンやネクタイなど差し色程度にグリーンを使っているため、生田斗真は「僕だけ緑が強すぎて、、。ほぼバッタみたいなことになっております」と挨拶し、その後もグリーンのイヤリングの菜々緒に「さりげなさ過ぎるもん。見てよー(自分のことを)。主張激しい!すみません」と恥ずかしそうにする場面も。
今までの経験の中で最弱のキャラクター、鈴木を演じたことについては「瀧本監督作品の『脳男』では本当に強い男をやらせて頂いて、その撮影後に監督からもっと真逆の生田斗真を撮ってみたいと言ってもらって嬉しかったんですが、まさかこんなに早くに監督の作品に参加できると思っていなかったので、すごく嬉しかったです。走り方や曇った眼鏡など細かいところまでこだわった作品です。よくみてもらうとわかりますが、ずっと曇っていますから、チェックしてみてください」
自殺専門の殺し屋、鯨役の浅野忠信は「殺し屋の役はやってきたんですが、自分の手を使わずして人を殺す役は初めてだったので、とても面白かった。アクションシーンは僕よりも山田くんの方がすごくて、ついていくので精一杯でした。(生田・山田と)3人のシーンは本当に少なくて、ここがそうなのかーという貴重なシーンがあるのですが、今度はずっと一緒にいる役をやりたいですね」と話した。
本作が初の映画作品となる山田涼介は孤独な若き殺し屋、蝉役を演じた。舞台挨拶ではとても緊張した面持ちで「大先輩の斗真くんがいるのが、緊張したのですが、ほとんど撮影は一緒じゃなくてちょっとホッとしました。撮影前にメールを下さって、この映画はお前にかかってる!と大きなプレッシャーを頂きました」と話すと、生田は「先輩という名の風を吹かせました」と返し、村上淳は「こうやって芽を摘むんだね なるほど。いや、本当に山田くんの蝉にかかってる」と笑った。
山田涼介とがっつり共演した裏社会の交渉人、岩西役の村上淳は「まず脚本を読ませて頂いて、山田君がやる蝉との関係をしっかり築ければ、蝉は後半それを動機として進むので、これは非常に重要な役だなぁと思った。リハではじめて山田君にお会いしていける!と。そして完成作を観てすごいっす山田君!いや、皆さん本当ですよ」と山田涼介を大絶賛。
主人公の鈴木を騙しきる謎の主婦、すみれ役の麻生久美子は騙すことについて「私たちがいつもしているお芝居も騙すということとは違いますが、演じているので、今回も生田さんの役の鈴木を騙そうと思って演じていたわけではないです。そこにリアリティがある方がいいと思ってやっていただけです」
「何を考えているかわからない表情は現場でみていてもゾクッとした」と騙される側の生田斗真がうんうんと頷きながら振り返る。
ドスの効いた裏社会のヤンキーセレブ、比与子役を演じた菜々緒は「汚い言葉を放つことが多くて、監督がテイク後のチェックでずっと笑っているのをみると、汚い言葉を叫んでいる時だったんですよ。その笑いの意味は?」と瀧本監督に聞いてみると「見事だな。お似合いだな。素晴らしいな」と笑いながら、感心しきり。
ごく普通のサラリーマンにみえるが、押し屋と呼ばれるプロの殺し屋役の吉岡秀隆は工夫した役どころについて「特にないです。人を殺したこともなければ、殺し屋の知り合いもいないので」
実は吉岡秀隆が子役の頃からファンだったという生田斗真は「現場では失礼だと思って話さなかった」と話し「たまにドラマの話や映画の話をしていると、昔邦さんがさーとか聞くと邦さんとか言うんだーって興奮してました」と嬉しそうに話すと、照れる吉岡秀隆。
伊坂幸太郎のベストセラーを映画化することについて、瀧本監督は「正直、台本もシナリオも脚本家の青島武さんと10何項まで直しをやって、元に戻ることもあるなど、現場でもそれぞれ3つの視点で物語が進んでいくのですが、その強弱がおのおののキャラクターが際立つのと同時に、全体に調和の取れた作品に仕上げるというのが、すごく難しかった」
最後に生田斗真から「本当にこうやってお客様に観ていただくのははじめてです。この映画は山田と皆さんにかかっています。今日はありがとうございました」と挨拶があり、本作に負けない熱い舞台挨拶は終了した。
『グラスホッパー』11月7日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
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