ミステリー文学界の魔術師・貫井徳郎(ぬくいとくろう)が放つ
話題騒然の直木賞候補作!
妻夫木聡 満島ひかり
デビュー作『慟哭』で脚光を浴び、『乱反射』で第63回日本推理協会賞を受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞した作家・貫井徳郎の超傑作ミステリー『愚行録』をオフィス北野企画・制作で映画化し、2017年にワーナー・ブラザース映画/オフィス北野共同配給にて、公開することが決定した!
第135回直木賞候補作に選出された著者渾身の原作を映像化するのは、ロマン・ポランスキーを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学び、本作で長編映画監督デビューとなる石川慶。脚本を『松ヶ根乱射事件』、『マイ・バック・ページ』などで注目を集めている向井康介が執筆。主役で事件の真相に迫る週刊誌記者・田中に李相日監督作『悪人』で第34回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞した日本映画界を代表する俳優・妻夫木聡。田中の妹・光子役に園子温監督作品『愛のむきだし』で鮮烈な印象を残し数々の映画賞を受賞、いまや海外映画祭でも評価を集める満島ひかり。
予想を覆す展開に圧倒的な衝撃が走る超傑作ミステリーが遂に、映画化!!
【ストーリー】
エリートサラリーマン、その妻、そして一人の子どもが何者かによって惨殺された。
犯人不明のまま、世間を騒然とさせた一家殺人事件から一年。週刊誌の記者をしている田中(妻夫木聡)が改めて事件の真相に迫ろうと取材を開始。関係者のインタビューを通してあぶり出されるのは理想的な夫婦の外見からはかけ離れた実像。そして次第に浮かび上がってくる事件の真相とは―。
この映画は、人間関係における秘められた羨望、嫉妬や駆け引き、日常的に積み重ねられた無意識の【愚行】が複雑に絡み合う。2017年、あなたの人間性が極限まで試される戦慄の群像劇にご期待ください。
原作
『愚行録』 (2006年)
第135回直木賞候補
創元推理文庫 (定価756円+税)
貫井徳郎(ぬくいとくろう)
≪原作者プロフィール≫
1968年2月25日生まれ。
1992年に不動産会社を退社し、1993年に書いた『慟哭』が第4回鮎川哲也賞の最終候補に残る。『慟哭』が東京創元社から刊行され北村薫による賞賛コメント「題(タイトル)は『慟哭』書き振りは≪練達≫読み終えてみれば≪仰天≫」も話題となり50万部を超えるヒットとなる。2010年には『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞を、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞する。『乱反射』で第141回、『新月譚』で第147回、さらに『私に似た人』で第151回の直木賞候補作にそれぞれ選出されている。ほか『北天の馬たち』、『我が心の底の光』など多数の著作を持つ。
≪原作者コメント≫
『愚行録』を映画に、というお話をいただいたのは、かなり意外でした。
内容的にも構成的にも、映像化に向いていない作品だと認識していたからです。
ところがプロデューサーと監督の熱意により、映画化が実現しました。
それだけでも驚きなのに、妻夫木聡さん、満島ひかりさんという当代きっての人気と実力を兼ね備えた役者さんに演じていただけることになり、望外の幸せを味わっています。
願わくは、この映画をご覧になった皆様の胸に、抜けない棘が深く刺さっておりますことを。
監督
石川慶(いしかわけい)
≪監督プロフィール≫
1977年6月20日、愛知県生まれ。
東北大学物理学科卒業後、ロマン・ポランスキーらを輩出してきたポーランド国立映画大学で演出を学ぶ。短編作品の制作を中心に活動し、MoMA主催のNew Directors, New Filmsやシッチェス・カタロニア国際映画祭など、50以上の国際映画祭に出品。札幌国際短編映画祭・脚本スペシャルメンション、黒澤記念ショートフィルムコンペティション佳作などを受賞。日本とポーランドの合作長編企画『BABY』はプチョン国際映画祭企画マーケットでグランプリにあたるプチョン賞を受賞している。『愚行録』で長編映画監督デビューとなる。
≪監督コメント≫
複雑に入り組んだプロット、一筋縄ではいかない登場人物たち、そして全体を貫く重厚なテーマ。
「こういう映画が見たい」と常々思っていたものが全部詰まっている作品です。
妻夫木さん、満島さんらの繊細な芝居と、この作品のために集まってくれた最高のスタッフたちとの間に、どんな化学反応が起こるのか、規格外の映画になる予感がしています。
出演
妻夫木聡(週刊誌の記者・田中役)
≪プロフィール≫
1980年12月13日、福岡県出身。
2001年、矢口史靖監督作『ウォーターボーイズ』で映画初主演。『ジョゼと虎と魚たち』(03/犬童一心監督)で第77回キネマ旬報ベストテン最優秀主演男優賞受賞。2010年には李相日監督作『悪人』で第34回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞する。映画以外にもドラマ、舞台でも活躍しており、2006年「天地人」でNHK大河ドラマ初出演にして初主演を務める。その他の映画出演作に『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『東京家族』(13/山田洋次監督)などがあり、2016年には山田洋次監督作『家族はつらいよ』、中村義洋監督作『殿、利息でござる!』、李相日監督作『怒り』の公開が待機している。
≪コメント≫
人間は愚かな生き物なのだ、ということにこんなにも真正面からぶつかった作品はなかなかありません。僕たちはこの泥沼に浸かることに決めました。追い込まれて、追い込まれて出た最後の命の一滴を最後まで見つめて頂ければ幸いです。何度も共演させて頂いていますが、その都度役に全力投球してきてくれる満島ひかりという女優が僕は大好きです。全力で受け止め全力で返していければいいなと考えています。愚かさを追求すること自体、愚かな行為だと思います。ですが、この映画に期待せずにはいられないこの想いこそ、人の業というべきものか。足を踏み入れてはいけないとわかっていつつも僕はこの作品と一緒に前進したいと思っています。
満島ひかり(田中の妹・光子役)
≪プロフィール≫
1985年11月30日、沖縄生まれ。
2009年に出演した『愛のむきだし』(園子温監督)で多くの新人賞を受賞し脚光を浴びる。同年『プライド』(金子修介監督)、『クヒオ大佐』(吉田大八監督)で、第83回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞などの映画賞を受賞。翌2010年、『川の底からこんにちは』(石井裕也監督)、『悪人』(李相日監督)、『カケラ』(安藤モモ子監督)に出演し、モントリオールファンタジア映画祭最優秀女優賞、第34回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2015年公開の『駆込み女と駆出し男』(15/原田眞人監督)で第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞している。その他の映画出演作に『北のカナリアたち』(12/阪本順治監督)、『夏の終り』(13/熊切和嘉監督)、『ハロー!純一』(14/石井克人監督)などがある。
≪コメント≫
好んでやりたいと思う役柄ではありませんが、育った環境の中で生まれてしまった独特の愛について、存在についてを、いままでと違った風に問いかけられる予感がして、参加しようと決めました。切ないきもちが押し寄せてきて、涙してしまうこともありますが、同情なんかせずに、リラックスしてやりたいです。ほんとうの兄のように慕っている妻夫木さんがいるので、とても安心です。新しい挑戦を一緒にやれる幸せも感じます。石川監督には、ココロのままに映画を作って欲しいです。監督が嬉しくなるような芝居ができたらなぁと、誠実な姿を見ていて思っています。
『愚行録』
監督:石川慶 脚本:向井康介
出演:妻夫木聡、満島ひかり、他
配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野
(C)2016「愚行録」製作委員会
公式サイト:http://gukoroku.jp
撮影:3月中/都内および関東近郊にて全編ロケ撮影
2017年 全国ロードショー