映画『ハード・コア』の初日舞台挨拶が、11月23日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演&プロデュースを務めた山田孝之と、佐藤健、荒川良々、山下敦弘監督、そして謎のロボット・ロボオが登壇した。
本作は、作：狩撫麻礼、画：いましろたかしによる伝説のコミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を実写映画化。世知辛い世の中になじめず、都会の片隅で細々と生きる権藤右近（山田）と、右近が唯一心を許せる友人の牛山（荒川）、エリート商社マンの弟・権藤左近（佐藤）が謎の古びたロボット・ロボオと出会い人生を一変させていく様を描く。
公開初日を迎え、山田は「山下監督とずっと前から話をして少しずつ進めていって、やっと今日公開することができて感慨深いです。観た方々が楽しそうにしているので、きっと大ヒットすることでしょう」と、満席の会場を見渡し晴れ晴れとした笑顔を見せた。
企画の段階ですでに原作は絶版だったそうで、「絶版されている原作の映画化することには、なかなか手を出せないことなんです。でも素敵な作品だったので、このように映画としてたくさんの人に知ってもらえて本当に良かったです」としみじみ。
山下監督も、「原作を読んだのは約20年前で、山田くんと原作について話をしたのが8年くらい前。5年前から映画の企画を進めて、ようやく今日皆さんに届けることができました。寂しさもあり、少し複雑な気持ちです」と作品へ深い思いを伝え、プロデューサーも務めた山田に対して「この映画を一緒に作ってくれて、本当にありがとうございました」と改めて感謝の気持ちを口にし、「世界の隅っこを描いたような作品で、こんな景色を見られるとは思っていませんでした･･･」と声を震わせた。
荒川は「僕も原作が大好きだった。20代半ばの頃、山下監督に『ハード・コア』やるなら牛山役はぜひ僕に！と話をしていまして。それがまさか実現して（映画の）初日を迎えられるとは」と、感慨深げ。
佐藤は山田との兄弟関係に触れ、「全然似てないと思いきや、やっぱり兄弟だなって思ってもらえるような関係になっていて。似せようという意識はなかったんですが、出来上がった映画観て我ながら『あれ？似てるなぁ』と（笑）。けっこう嬉しかったです」とニッコリ。
そんな佐藤を見つめていた山田は、突然「喋っているところを横から見てたんだけど、健、本当にかっこいいなぁ（笑）」と言い出す一幕も。「ずっと髪を下ろしてる姿しか見てなかったけど、こう髪をあげていて本当に男前だなって･･･」と惚れ惚れしている様子。佐藤が「ありがとうございます！」と照れながらも、「アプローチの仕方が綾野剛そっくり」とツッコミを入れると、山田は「綾野剛が俺の真似してるから（笑）」と返していた。
また、映画のタイトルにちなみ、「ハードな生き方」についてトークを展開。「とにかく、撮影がハードだった」と声を揃える登壇者たちだったが、佐藤は山田に向けて「この人ぐらいハードな人はいないと思う。全てにおいて一生懸命。役に入り込む深度の次元が違う」と称え、「台本に『慟哭（どうこく）する』と書いてあると、本番中に慟哭して気絶して救急車で運ばれたりするんです。僕はそこまで到達していない･･･」とエピソードを披露し、観客を驚かせる。
それを受け、山田は「人生はいつもハードだなと。なんでこんなに大変なんだろうな思います。勝手な使命感ややりがいを感じて、そこに喜びを見いだしているんでしょうね。でも楽しいですよ。もう早死にする人の典型ですよ（笑）」と、あっけらかんと笑っていた。
映画『ハード・コア』
【ストーリー】
「腐っているのは世の中なのか、俺たちなのか―」
現代日本―。都会の片隅で細々と生きる権藤右近はあまりにも純粋で、曲がったことが大嫌いだ。間違いを正そうとする自らの信念をいつも暴力に転嫁させてしまうため、仕事も居場所もなくしてきた。そんな右近の仕事は、山奥で怪しい活動家の埋蔵金探しを手伝うこと。共に働く牛山だけが唯一心を許せる友人だ。二人を見守るのが、右近の弟・権藤左近。一流商社に勤務するエリートだが、腐った世の中にうんざりし、希望を失っていた。ある日、そんな彼らの前に、謎の古びたロボットが現れ、男たちの人生が一変するような一大事が巻き起こる。
山田孝之 佐藤 健 荒川良々 石橋けい 首くくり栲象 康すおん ／ 松たか子
監督：山下敦弘
脚本：向井康介
原作：狩撫麻礼・いましろたかし「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」（ビームコミックス／KADOKAWA刊）
音楽：Ovall（Shingo Suzuki mabanua 関口シンゴ）
エンディングテーマ：Ovall feat. Gotch 「なだらかな夜」（origami PRODUCTIONS）
配給：KADOKAWA
制作プロダクション：マッチポイント
©2018「ハード・コア」製作委員会
公式サイト：http://hardcore-movie.jp
全国公開中！
