映画『DTC ‐湯けむり純情篇‐from HiGH&LOW』に出演の佐藤大樹さんと、平沼紀久監督のインタビュー【後編】をお届けします!!
★インタビュー前編はこちら
◆平沼監督が一番やりたかったことは?
― 笑えるシーン、感動的なシーン、楽しいシーンなど見どころ満載の本作ですが、ご自身が特に印象的なシーン、好きなシーンはありますか?
佐藤:「いいこと」のショーに出なくてはいけなくなって、その理由を話してから本番にいくまでの楽屋裏のDTCと尾沢とカニ男の「縦笛兄弟」の5人のシーンがめちゃくちゃ好きです。長回しでほぼワンカットの撮影で。その日がクランクアップでみんな疲労がピークだったんですが、逆にいいものが撮れたんです。
平沼監督:どこかなぁ。全部好きなんですが・・・。一番やりたかったのは、スナックでお客が歌っているときに、急にマスターが芝居に入り込むというシーン。それをずっと昔からやりたくて(笑)。録音部に「めちゃくちゃ編集が大変になりますよ!」と怒られたんだけど、どうしてもやりたくて。タイミングをピッタリあわせないといけないので芝居のテンポも大変なんです。また、そういうときに限って、寛太が変に間を取るんですよ(笑)。何回も繰り返しながらやって撮りました。特にこだわりたかったシーンです。
― そのシーンで山下さんがデュエットする曲は、平沼監督が作詞されたのですよね?
平沼監督:はい、僕が作詞しました。「一線は超えてます・・・」から始めたかったんです(笑)。みんな(デュエットというと)「ロンリーチャップリン」をよく歌うので、他の曲もいいんじゃないかなと思って。LDHのアーティストが誰か歌ってくれないかな、と淡い期待を持っていたんですけど、誰も手を挙げないという(笑)。
― カラオケに入れて欲しいです(笑)。 その曲を山下さんが歌っているのがいいですね。
平沼監督:そうなんですよ(笑)。そして(ナレーション・声優でおなじみの)立木さんから始めたかった。「HiGH&LOW」では「一方、その頃・・・」というセリフが有名なので、「一方、その頃不倫先では・・・」ってね(笑)。
― 撮影ロケも大変だったのでは?
平沼監督:「DTC」の映画ではありますが、「HiGH&LOW」の世界観は崩せないので、温泉街といっても、普通の温泉街をそのまま使うわけにはいきませんでした。そういう意味で美術を含めて予算の中で考えるのは少し難しかったです。架空の温泉街を作りました。
― バイクの走行シーンをドローンで撮っている場所もいいですね。
平沼監督:あの場所も探しました。『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』では、海から始まるので、DTCも海岸から出てきて立木さんのナレーションが入るのをやりたかったんです。
― 今回、他のチームで、前回まであまりスポットが当たっていなかった人たちもたくさん出てきます。
平沼監督:DTCにフォーカスが当たるのであれば、他の周りの人たちにもフォーカスをあてたいと思いました。今回はチハルとテッツという次の世代が中心にいるので、“達磨ベイビーズ”と“SMG”たちにも出てもらって、これからの「HiGH&LOW」を背負っていくイメージもつけたかったんです。テッツとチハルがお風呂場で話すシーンではけっこう稽古したよね。
佐藤:しましたね。テッツと二人で。こだわって演じました。
平沼監督:それを台本読みのときに、『センセイ君主』の感じで読んだんですよ、彼は。(大樹さんのモノマネをしながら)「次、俺たちの代になるよね~」って感じで。「おっとっとぉ!?」って(笑)
佐藤:僕は、これまで「HiGH&LOW」の台本読みのときにガツンとダメ出しをされることがなかったので・・・、やっぱりこのときはちょっとナメてましたね(笑)。DTCが主役なんだということを改めて実感しました。
― 達磨ベイビーズとSMGの皆さんはいかがでしたか?
平沼監督:今回はセリフがあるので、それぞれ個々の役作りをしました。そのあと、達磨ベイビーズとSMGには旅に行くまでのストーリーをそれぞれ書いて渡したんです。達磨ベイビーズには「白い法被の理由が分からない」というので、加藤鷲が「外に出て、自分の祭りを見つけてこい」と言うコントを書き「これが(達磨ベイビーズが)旅に出る理由じゃないの?」として、SMGには、ROCKYから「女の子たちを慰安旅行に連れて行って」と言われお金をもらって、このお金でどこに連れて行こうかと会議をしているコントを渡しました。これまでの「HiGH&LOW」の気持ちを入れてもらいたかったので。
◆佐藤大樹の成長が凄い!(平沼監督)、「HiGH&LOW」の中の世代交代が自分ともリンクするんです(佐藤大樹)
― 次世代をクローズアップしていきたいということですが、そのために旅に出るのですが、今回どうして“旅”だったのでしょうか。
平沼監督:SWORD地区という限られた中にいたメンバーたちが、外に出て新しいものを吸収するというイメージが僕の中では“旅”でした。
― 佐藤さんご自身は普段、旅行していますか? どこか行きたいところは?
佐藤:全然してないです。本当に温泉に行きたいですね。温泉は大好きなので。箱根に行きたいです。
―では、撮影の合間に温泉を楽しむことはできました?
佐藤:温泉街でロケすると聞いたので、僕たちもさぞ楽しめるんじゃないかなと思っていたんですが、そんな暇もなく朝から晩まで撮影していました(笑)。
― バイクの乗るのも久しぶりでした?
佐藤:そうですね。『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』以来でした。久しぶりだったので、バイクに乗るシーンの前に練習しました。
― 「HiGH&LOW」の中で世代が代わっていくというところは、EXILE TRIBEさんにもリンクする感じがしますが。
平沼監督:“ムゲン”から“山王連合会”ができた時点で世代の交代が起こっているので、当然“山王連合会”の中でも起きることは自然な流れだと思っていました。確かに反映されるかもしれませんね。
佐藤:僕はドラマシリーズのときから感じていましたし、山王連合会のメンバーともそういう話をしていました。山王連合会にケンとヒカルが新しく入ってきたとき、ちょうど僕がリーダーとなってFANTASTICSというグループができる時期と近かったので、自然とリンクしたし、僕が山王連合会にいるときの顔とDTCにいるときの顔が役としても違うんです。そして、FANTASTICSにいるときと、EXILEにいるときとは違うと思うので、グループとしても通じるものがあると思いました。
― 以前、『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』でインタビューさせていただいたとき、大樹さんは「成長した僕を見てください」とおっしゃったのですが、今回はさらに成長された感じがしましたが。
平沼監督:それは僕もめちゃくちゃ感じました。3人の中で一番成長して現場に入ってきたような気がする。たぶん様々な映画作品や現場を経験してきたので、色々な引き出しができたんだと思います。役に対しての捉え方のスピードが早い。健二郎も掴んで自分流にする速度が早い。寛太も自分的にしていくんです。三者三様なんですが、中でも大樹は凄い。彼はもともと真面目だけど、楽しいことが好きなのでいろんなことをやりたいんです。そこがいいんですよね。
― では最後に、これからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
佐藤:正直、めちゃくちゃ自信あります! 本当に! 試写で完成作品を観た人からの評判も凄くいいですし、僕はDVDも含めてもう11回観てるんです。そのくらい好きで、早く続編をやりたいです。きっとこれまでDTCを知っていた人も「HiGH&LOW」を知らなかった人も笑えるし、泣けるし、絶対楽しめる作品だと思います。アクションはありませんが(笑)、今後の展開にも注目してご覧ください。
平沼監督:「HiGH&LOW」のキャラクターたちはケンカしているときが光っていて、「あの頃が自分が一番輝いていたころなんじゃないか」と考えながら次の人生を歩んでいくと思うんです。そんな時にこの旅で、仕事や次の人生をどういうふうに生きていけばいいのかということを仲間を通して感じていきます。そこは皆さんも共感できると思うので、映画を観て一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
【佐藤大樹(さとうたいき)プロフィール】
2011年にFUNKY MONKEY BABYSの「ラブレター」のMVに出演し俳優デビュー。2014年2月に開催された、EXILE新パフォーマーオーディション「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」にてEXILE新パフォーマーに決定し、EXILEに加入。現在EXILEとしての活動の他に、同メンバーのEXILE世界とともにリーダを務める「FANTASTICS」としても活動中。
近年俳優としては映画『ママレード・ボーイ』(18)、『センセイ君主』(18)などに出演。
2017年6月には舞台「錆色のアーマ」で主演を務めた。アーティスト活動の他にも俳優としてもマルチに活動中。
【平沼紀久(ひらぬまのりひさ)プロフィール】
1976年生まれ、神奈川県出身。「HiGH&LOW」全シリーズの脚本を手掛ける。絵本作家としてキッズデザイン賞、フード・アクション・ニッポンで優秀賞を受賞。執筆業のほか、俳優としても活躍。主な映画出演作に『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』(12/監督:飯塚健)、『笑う招き猫』(17/監督:飯塚健)、『ひだまりが聴こえる』(17/監督:上條大輔)など。今作が長編映画初監督作品となる。
【インタビュー撮影:ナカムラ ヨシノーブ】
『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』
<ストーリー>
まさかの…アクションなし!
でも、友情・愛情・人情たっぷりの純情旅が、いま、はじまる――!
刺激的な日々を駆け抜け、疲れ切ったダン(山下健二郎)、テッツ(佐藤寛太)、チハル(佐藤大樹)の3人(DTC)を待っていたのは――死ぬほどモヤモヤした退屈な時間だった。
高鳴る鼓動と青春(と女子)を求めて、行く先も決めずにバイクで旅に出た3人。だが早々に所持金が底をつき、温泉街の旅館で住み込みバイトをするハメに…。そこで出会った若女将・マリ(笛木優子)と、一人娘・メグミ(新井美羽)。夫と死別し、娘を育てながら旅館を切り盛りするマリに恋心を募らせるチハル。だが、マリと番頭・宮崎(駿河太郎)が互いに惹かれあっていると知る。娘を気遣い、再婚に踏み切れないでいた二人を助けるために、仲間の縦笛兄弟(八木将康、天野浩成)、かつては闘いあったSMG(廣瀬智紀、松田凌、西川俊介、西村一輝)・達磨ベイビーズ(水野勝、田中俊介、守屋光治、井澤勇貴)の協力を得て、3人はある作戦を実行することに!果たして、DTCの奇想天外な純情旅の結末は…?
企画/プロデュース EXILE HIRO
監督 平沼紀久 「HiGH&LOW」
脚本 渡辺啓、福田晶平、上條大輔、平沼紀久
出演 山王連合会…[DTC]山下健二郎(ダン)、佐藤寛太(テッツ)、佐藤大樹(チハル)/ 鈴木伸之(ヤマト)
縦笛兄弟…八木将康(カニ男)、天野浩成(たて笛・尾沢)
SMG…廣瀬智紀(MARCO)、松田凌(COSETTE)、西川俊介(LASSIE)、西村一輝(HEIDI)、
達磨ベイビーズ…水野勝(風太)、田中俊介(雷太)、守屋光治(阿形)、井澤勇貴(吽形)
旅館「森田屋」の女将・・・笛木優子(森田マリ)、番頭・・・駿河太郎(宮崎有起)、マリの娘・・・新井美羽(森田メグミ)
企画制作 HI-AX
配給 松竹
製作 『HiGH&LOW』製作委員会
制作 イメージフィールド
©2018「HiGH&LOW」製作委員会
公式サイト:high-low.jp
映画『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』
9月28日(金)より“3週間限定”上映中!
佐藤大樹さん、直筆サイン付きチェキプレゼント
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