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河瀬直美監督&永瀬正敏、カンヌから凱旋! 映画『光』大ヒット御礼舞台挨拶

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映画『光』の大ヒット御礼舞台挨拶が、6月10日、東京・新宿バルト9にて行われ、河瀬直美監督と主演の永瀬正敏が登壇した。

第70回カンヌ国際映画祭にてコンペティション部門に正式出品され、エキュメニカル審査員賞を受賞した本作は、視力を失ってゆく天才カメラマン・雅哉(永瀬)と視覚障害者向け「映画の音声ガイド」を制作する美佐子(水崎綾女)が次第に惹かれ合っていく様を描く珠玉のラブストーリー。

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カンヌから凱旋となった永瀬は「まだ時差ボケが治ってなくて・・・こんな声ですみません」と頭を下げ、少し恥ずかしそう。それでも「これほど忙しいカンヌは初めてでした。僕は写真を撮るので普段はぶらぶらするんですが、今回は街を歩くと、いろんな人に呼び止められて、熱く作品の感想を伝えてもらったり」と振り返る。また、現地で取材を受けた際、「スペイン人の記者が、『この映画はすべての人へのラブレターだ』と言ってくれて、とても感激しました。なんてすてきなことを言うんだろうと。見た目はおっちゃんでしたけどね」と嬉しそうに微笑んだ。

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一方、日本人女性監督初となるエキュメニカル審査員賞受賞を果たした河瀬監督。声の出演をした樹木希林から「河瀬監督の表現力は成熟してきていますね。今回もそうですが、これからもいい映画を撮ってくれると思っています。私は離れたところで見守っています」とメッセージが贈られると、「ありがたいですね」と感謝の気持ちを表し、「エキュメニカル審査員賞受賞理由の前半が好きなんです」と明かした。「『人間の精神的苦痛および弱点、そして可能性に焦点を当てた作品』と言っていただいたところが、まさに永瀬くんを通して表現したかったことでした」としみじみと語っていた。

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この日は、観客からも質問を受けるティーチインのコーナーも設けられた。河瀬へ「『あん』に続き、永瀬さんを起用した理由を教えてください」という質問に、河瀬は「惚れたからです!」と即答し、「抜き差しならない映画への愛がある方です」と称えた。

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また、バリアフリー映画鑑賞推進団体「シティ・ライツ」の会員で、本作にも出演した田中正子さんと、永瀬が役作りにあたって交流を持った大谷重司さんがサプライズ登場し、二人に花束を贈呈。田中さんが「部屋の空気、映画への愛がよみがえってきて、3回目の鑑賞でしたがまた泣いてしまった。素晴らしい映画をありがとうございます」と語ると、河瀬は「正子さんのシーンにはもともとセリフがなかったんです。映画の中のセリフはまさに正子さんご自身の言葉です。『想像力というのは大きな大きな世界なんだ。言葉でそれを小さくしないでほしい』と正子さんが言ってくれて、この映画が成立しました」と伝え、再会を喜んでいた。

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『光』
<STORY>
視力を失いゆくカメラマンと出逢い、美佐子の中の何かが変わりはじめる―
単調な日々を送っていた美佐子(水崎綾女)は、情景を言葉で説明する、視覚障碍者向けの映画の音声ガイドの仕事をきっかけに、弱視の天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)と出逢う。美佐子は雅哉の無愛想な態度に苛立ちながらも、彼が撮影した夕日の写真に心を突き動かされ、いつかこの場所に連れて行って欲しいと願うようになる。命よりも大事なカメラを前にしながら、次第に視力を奪われてゆく雅哉。彼と過ごすうちに、美佐子の中の何かが変わり始めるー。

監督・脚本:河瀨直美
出演:永瀬正敏 水崎綾女 神野三鈴 小市慢太郎 早織 大塚千弘/大西信満 堀内正美白川和子/藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
宣伝協力:フリーストーン
©2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE
公式サイト:http://hikari-movie.com/

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