神山健治 原作・監督・脚本の長編アニメーション
『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』
満島真之介登壇 トークイベントレポート
進級、進学、就職など、この春新生活を迎える高校生や大学生が集まった会場。満島真之介は登場するなり、最前列に座る学生一人一人とハイタッチをはじめ、初対面とは思えないほどのフレンドリーさで一気に会場をアットホームな雰囲気に。MCからの「初対面なのにすごく人懐っこいですね」との言葉に、「いいすね~。みなさん【こんにちは!】」と会場のお客さんに呼びかけながら、「気持ちよりも先に体が動いちゃうんですよ。だから友達というか知り合いは多いかもしれませんね。」と語り、今回のイベントは満島の発案で決まったということで、「みんなに会いたくてしょうがないんですよ。本当は毎日みんなと話したいから毎日舞台挨拶をしたいくらいなんですけど、なかなか難しくて。お話が好きすぎるから、帰りたいと思っている人を帰らせないこともあって、気を付けないととは思っていますね。」と登場からノンストップで話続けるハイテンションぶり。
高校を卒業後に上京した当時のことを聞かれると、「あんまり勉強してないんですよ。だから卒業式は3月1日だったんですけど。(笑)もう3月に勉強したって仕方ないじゃないですか。それぞれ沖縄から出ていく人も多いので、新生活までに時間があったほうがいいじゃないですか。学校来てもらっても先生たちは困るんですよ。どうせサーターアンダギー食べているだけだし」と地元沖縄ネタを交えつつ、「僕は最初大学に行こうとオープンキャンパスとか行くために東京に出てきていたんですよ。体育教師を目指していろんな大学を見ていて。両親が体育大学出身なのでその当時の話を小さい頃よく聞いていて、そのイメージのままオープンキャンパスに行ったら、その時、僕、丸坊主でポロシャツインしてキチッとした軍隊みたいな恰好で言ったら、実際の体育大生よりも体育大生っぽく見える、と大学生に笑われて。まだ18歳だったんですけど、そんなに笑われたことによって、僕はいまこの大学に4年間入る必要性がないかもしれないって思っちゃったんです。ぎりぎりの状態で4年間過ごしたかったんですけど、イメージと違って。でも今思えば、僕は一つのことに集中してしまって、周りが見えていなかったんだなと思いますよ。それからアメリカに行こうと思ってたんですけどいろいろあって止めてしまって。そんな中で日本の中心を知らないといけないと思って、紆余曲折あって東京に出てきたんですよ。」と、実に詳細なエピソードを披露し、会場のお客さんは大爆笑!!
また本作の主人公は高校3年生の女子高生で、進路のことや友達のこと、家族のことなど、考えなければいけないことはたくさんあるのに、ついつい居眠りしてしまうという、物語のヒロインとしてはあるまじき怠惰なキャラクターであるにも関わらず、最後には首尾よく問題解決してしまうという主人公ココネについては、「みんなこうだと思いますよ。ココネはごく当たり前の高校生像だと思います。ココネの素敵なところは地域を愛しているんですよ。毎朝登校中に【おはよう!】って町の人に声をかける姿とか、ココネはごく身近な地域の人を大切にしているんですよ。あとココネの持っている明るい雰囲気が、居眠りして怒られるシーンにも出ていて。ああやって居眠りを怒られても笑い合えるクラスって意外とないんですよね。背伸びしない、等身大なままでいられるって素敵だなと思うし、続編を観たいと思わせる感じですよね。」と語り、自身が演じたモリオの好きなところについて、「モリオの素敵なところは、自分の好きなことをまっすぐにやっていることなんですよ。自分の好きなことを周りに伝えたいと思って生きているのが、自分自身と近いところだとは思っていて。あとモリオの素晴らしいところはココネの奔放さについていけるところと、自分の得意なところにはパッと前に出て主張できるところなんですよ。それは無意識でカッコよさを見せたいとかいうことではないんですよ。例えばココネが困っているから助けようみたいな感じで。この二人には恋愛感情とかを超越した関係性があるんだと思うんですよ。二人とも直接お話するでしょ。面と向かって。この作品にはタブレットやVRといったコミュニケーションツールが登場するんですけど、この二人は一切それを介してない。直接話すんですよね。ココネとモリオの距離が近く感じるんですよね。」と語り、本作に込められた神山監督のメッセージについても語りました。
その後は、会場に来ている高校生や大学生のお客さんからの質問に答えるコーナーに。「なんでも聞いて!」という満島に対し、【ずっと元気な印象があるんですけど、オンオフはあるんですか?】との質問に対し、「ずっと元気なんだけども、元気になるまでにはいろいろ大変なことはあったんですよ。兄弟が多いので意外と周りを見ている感じではあって、かなり引っ込み思案でしたね。ただ自分の中で、男は25歳でいろいろ決断しなければならない、と決めていたこともあって、一回今までをリセットすることにして、地元帰って自分のルーツを追ったり、今まで25年間生きてきた中でやりたかったことをすべて体験してリセットできたんです。そこからは常に自然体でいようとは思っていて、オンもオフもほとんどないです。オフは死ぬときかなと。自分は世界に一人しかいないから、自分を大好きになろうと思ってから、素直に言葉が出るようになってきた。でもちゃんと空気は読むし、ルールは守るよ。だけど自分が自然体でいるためにどうするか考えて、動いていますね。」と意外な過去を語り、また【いろいろな選択肢がある中でどうやって決断しているんですか?】という質問に対し、「エブリデイ。ずっと迷っていましたよ。何も決まっていないからね。笑 もう散歩するしかないって思って。歩いていたら学童があったんですけど、扉に子供と遊んでくれる人募集って書いてあって、ここだと思って入っていったんですよ。でも実は東京に来た理由にはオダギリジョーさん主演の『ハザード』っていう映画を観て、この映画監督と関わりたいと思ったのもあったんです。それが園子温監督でその後助監督をやらせてもらうことになって、ずっと映画の裏方をやっていたんですけど。でも別に映画に興味があったわけではないんですよ。他にも三軒茶屋のTSUTAYAでも働いてましたからね。いらっしゃいませって言いたくないから、「エアロスミス~」って言ってましたし。自分の中で何にも決まっていないから、何にでもチャレンジできるというか。夢って結局職業でなくてもいいと思うんですよね、だから僕は毎日面白く過ごせることを見つけていって。役者になったのも、助監督時代は絶対表に出るなんて勘弁って思ってましたけど、今ここにいますからね。学生の時はいろいろ決められているけど、学生でなくなると、自分で判断しなくてはいけなくなる。その時に自分は今何をしたいかなと考えたときに、最終的に役者に行きつきましたね。やりたいと思っていたことをずっと周囲に話していたら、回りまわって繋がって、ココネも同じですよね。最初はなんでいつも同じ夢を見るんだろう?って思っていたのが、だんだん周りが繋がっていってそれによって変化が起こって、ココネの人生が前に進んでいくという感じで!」と時間の許す限り質問に答え、会場の学生へ熱いエールを送りました。学生たちも満島流の“愛され力”感じ取ったようで、和やかな雰囲気でイベントは終了しました。
◆STORY◆ すべてを知るために、私は眠る。
岡山県倉敷市で父親と二人暮らしをしている森川ココネ。何の取り得も無い平凡な女子高生の彼女は最近、不思議なことに同じ夢ばかり見るようになる。進路のこと、友達のこと、家族のこと・・・考えなければいけないことがたくさんある彼女は寝てばかりもいられない。無口で無愛想なココネの父親は、そんな彼女の様子を知ってか知らずか、自動車の改造にばかり明け暮れている。
2020年、東京オリンピックの3日前。突然父親が警察に逮捕 され東京に連行された。ココネは次々と浮かび上がる謎を解決しようと、幼馴じみの大学生モリオを連れて東京に向かう決意をする。その途上、彼女はいつも自分が見ている 夢にこそ、事態を解決する鍵があることに気づく。たったひとつの得意技である「昼寝」を武器に、ココネは夢とリアルをまたいだ不思議な旅に出る。
◆原作・脚本・監督:神山健治
◆キャスト:高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介ほか
◆音楽:下村陽子 ◆キャラクター原案:森川聡子 ◆作画監督:佐々木敦子、黄瀬和哉 ◆演出:堀元宣、河野利幸
◆制作:シグナル・エムディ ◆配給:ワーナー・ブラザース映画 ©2017 ひるね姫製作委員会
公式サイト:http://www.hirunehime.jp 公式twitter:https://twitter.com/hirune_hime 公式LINE:シグナル・エムディ
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