映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』の完成披露試写会が、9月30日、東京・品川インターホールシティホールにて行われ、声優を務めた川井田夏海、大塚剛央、飛田展男、潘めぐみ、七海ひろき、花乃まりあ、津田健次郎をはじめ、板津匡覧監督が登壇。さらに主題歌アーティストのMyuk、アンバサダーのLiLiCoも駆けつけ、イベントを盛り上げた。
小学館「ビッグコミック増刊号」で2017年から連載を開始し、「第25回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞」を受賞した、鬼才・西村ツチカによる「北極百貨店のコンシェルジュさん」(小学館)を、『パプリカ』(2006)、『風立ちぬ』(2013)など多くの作品に原画として参加し、「ボールルームへようこそ」(MBS/2017)でTVアニメ初監督を務めた板津匡覧の手で映画化。
新人コンシェルジュとして働く主人公・秋乃を川井田夏海、百貨店内をなぜかいつも歩いている謎のペンギン・エルルを大塚剛央、ケナガマンモスの造形作家・ウーリーを津田健次郎が演じ、神出鬼没のフロアマネージャー・東堂を飛田展男、秋乃の大先輩コンシェルジュ・森を藩めぐみ、クジャクのカップルに七海ひろきと花乃まりあ等、個性豊かなボイスキャストが顔を揃えた。
また、フランス南東部の都市アヌシーで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭2023の「Screening Events(特別上映)」部門に正式に招待されたほか、本年度のファンタジア国際映画祭では長編アニメ部門観客賞銀賞を受賞、さらに第36回東京国際映画祭アニメーション部門での上映も決定し、多くの注目を集めている。
満席の会場に豪華キャストとスタッフがステージ中央から登壇すると、会場からは大きな拍手が起り華やかにイベントがスタートした。さらに、アンバサダーを務めるLiLiCoも登場し、賑やかなトークを展開した。
LiLiCoは「人は皆、自分の人生や他人のための“コンシェルジュ”だと思っています。自分の人生や周りの人の人生を最高なものにするためには、どんな職業においても、お家にいても、家族のために“最高のコンシェルジュ”にならないといけないですよね。監督は長編アニメーションの初監督ですよね、天才かよ!!」と登場早々に会場を沸かす。
本作の制作について、監督は「もともと西村さんの作品が好きで、ちょうど『北極百貨店のコンシェルジュさん』の連載が開始された時に、Production I.Gの方と『次何か作りましょう!』という話になったので、この単行本を渡したんです」と、きっかけを明かす。
オーディションで役を獲得したという川井田と大塚だが、大塚が「僕は最初トキワ役を受けに行ったら、『違う。君はエルルで来てください』と言われたので、その後エルルのオーディションを受けて決まりました」と経緯を話す。
川井田は「私は秋乃一本でした。1回テストをやって少しディレクションいただいて本番で終わりだったので、あまり手応えはなくて。合格いただいて本当に夢のようです」を笑顔を弾けさせ、「前日の夜、どんなに練習しても自分の思う秋乃にならなくて、不安の中で収録を迎えたのですが、現場で他の方のお芝居を聞いているうちに、だんだん自分が秋乃になっていく感じがしました。秋乃と一緒に私自身も成長したと思います」とアフレコ収録を振り返る。
オファーを受けて出演を決めた津田は「原作を読ませていただいて、めちゃくちゃ良い本でした。とても素敵なキャラクターを演じられるということで、収録が楽しみでした」と原作に惚れ込み収録に臨み、「現場はすごく和やかで、シーンによっては緊張感があるところもありましたが、本当に楽しかったです。ウーリーは身体が大きく、僕たちとは生きるリズムが違うのでそこは意識しました」と語る。
七海は「私も最初違う役をオーディションでいただいていたのですが、原作を読んでどうしてもクジャク役をやってみたいと思って、『よかったらこちらも聞いていただけないでしょうか』とお願いをして、クジャク役に決まりました」と自ら提案。「誰がみても穏やかな気持ちになれて、老若男女問わず楽しめる、こんな素敵な作品に出たいという思いを込めました」と述べると、板津監督から「実は七海さんと花乃さんが出ていただけることになってから、絵にキラキラを増量したんです」と裏話を披露し、登壇者や観客たちを驚かせた。
潘は「監督から、『コンシェルジュはお客さまの求めるその先にあるものを見極めて提供する、そんなお仕事であることを描きたい』とお話しいただきました。昔は新人だったけど、今回は後輩を指導する先輩コンシェルジュの役として、川井田さん演じる秋乃に寄り添って、見せられるものを与える、そんな役割をいただいたんだなと思いました」と、作品に向き合う持ちを語った。
さらに、花乃はクジャクの彼女を演じるにあたり、「七海さんに『アドリブで愛の囁きを長く欲しい』とオーダーされた時があったのですが、愛の言葉が出るわ出るわで (笑)。私も宝塚時代に男役さんから愛の言葉をたくさん囁かれていた経験があって慣れていたので、その感覚が懐かしくて嬉しくて、収録当日は興奮の方が多かったです」と話すと、すかさず以前から七海のファンだというLiLiCoは「ジェラシーですね!」と悔しさを見せ、会場の笑いを誘った。
イベントの後半には主題歌アーティストのMyukが登場。Myukは、主題歌「Gift」について「原作をじっくり読ませていただいて本当にこの作品が大好きになりました。秋乃さんやコンシェルジュさん、そして動物のお客さんが、一生懸命大切な人に、自分の強い気持ちや『ありがとう』を伝えようとしている姿や表情に触れて、『ありがとう』という気持ち自体が贈り物だと思い、そんな気持ちを曲に込められたらいいなと思って作詞をしていきました」と、楽曲へ込めた想いをコメントし、主題歌を生歌唱。透明感ある歌声で会場を包み込み、映画の世界観にいざなっていた。
映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』
◆あらすじ
新人コンシェルジュとして秋乃が働き始めた「北極百貨店」は、来店されるお客様が全て動物という不思議な百貨店。
一人前のコンシェルジュとなるべく、フロアマネージャーや先輩コンシェルジュに見守られながら日々奮闘する秋乃の前には、あらゆるお悩みを抱えたお客様が現れます。
中でも<絶滅種>である“V.I.A”(ベリー・インポータント・アニマル)のお客様は一癖も二癖もある個性派ぞろい。
長年連れ添う妻を喜ばせたいワライフクロウ
父親に贈るプレゼントを探すウミベミンク
恋人へのプロポーズに思い悩むニホンオオカミ・・・
自分のため、誰かのため、様々な理由で「北極百貨店」を訪れるお客様の想いに寄り添うために、秋乃は今日も元気に店内を駆け回ります。
キャスト
秋乃:川井田夏海
エルル:大塚剛央
東堂:飛田展男
森:潘めぐみ
岩瀬:藤原夏海
丸木:吉富英治
給仕長:福山潤
トキワ:中村悠一
ワライフクロウ夫:立川談春
ワライフクロウ妻:島本須美
ウミベミンク娘:寿美菜子
ウミベミンク父:家中 宏
クジャク:七海ひろき
クジャク彼女:花乃まりあ
二ホンオオカミ:入野自由
二ホンオオカミ彼女:花澤香菜
バーバリライオン:村瀬 歩
バーバリライオン彼女:陶山恵実里
カリブモンクアザラシ:氷上恭子
ゴクラクインコ:清水理沙
ネコ:諸星すみれ
ウーリー:津田健次郎
原作:西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』(小学館「ビッグコミックススペシャル」刊)
監督:板津匡覧
脚本:大島里美
キャラクターデザイン・作画監督:森田千誉
コンセプトカラーデザイン:広瀬いづみ
美術監督:立田一郎[スタジオ風雅]
動画検査:野上麻衣子
撮影監督:田中宏侍
編集:植松淳一
音響監督:菊田浩巳
音楽:tofubeats
アニメーション制作:Production I.G
製作:アニプレックス、Production I.G、KDDI、ADKマーケティング・ソリューションズ、トーハン
配給:アニプレックス
主題歌:「Gift」Myuk(Sony Music Labels Inc.)
©2023西村ツチカ/小学館/「北極百貨店のコンシェルジュさん」製作委員会
公式HP:https://hokkyoku-dept.com/
X:@HOKKYOKU_Dept
Instagram:@hokkyoku.dept
10月20日(金)公開