1986年に小中和哉監督が製作した伝説のラブストーリー『星空のむこうの国』が、35年の時を経てセルフリメイクで劇場公開となった。1984年に小林弘利による小説が刊行されたが、これは小中監督から映画化を前提として執筆されたもの。今回、再び小中監督がメガホンをとり、フレッシュなキャスト達の魅力が存分に詰まった青春ラブストーリーが復活を遂げる!
主人公の昭雄を演じるのは、今、様々な作品でその存在感に注目を集めている若手俳優・鈴鹿央士。不思議な出会いから始まる物語を、令和版としてブラッシュアップし、爽やかに演じた彼に、本作への思いや撮影秘話などを聞いた。
― 35年前に製作されたオリジナル作品はご覧になりましたか? ご覧になられていたら感想を聞かせていただけますか?
脚本を読んでからオリジナル作品を観たのですが、純粋にやっぱり時代が変わったんだなと感じました。今回の作品は、オリジナル作品のセルフリメイクではあるけれど、また違う新しい作品として撮影すると聞いていたので、今回のオリジナル作品とは思わずに別の1つの作品として観ました。(オリジナルのほうは)いい意味で手作り感があって面白かったですね。
― 台本を読まれていかがでしたか?
色々な場面でCGが使われるのですが、台本に「地球と地球がぶつかり合って・・・」とか書かれていて、映像になったらどうなるんだろうと考えたんですけど、想像がつかなかったです。壮大な映像になっていることは間違いないと思ったので、完成作品が楽しみでした。モノクロのシーンがあるんですが、僕はモノクロで撮るのは初めてだったので、どういうふうに映るのかとても楽しみでした。
― オリジナル作品に引っ張られてしまうようなことはなかった?
そうですね。監督からも「鈴鹿くんの昭雄でお願いします」と言われていたので、オリジナル作品は気にせず演じました。
― 昭雄を演じるにあたって、何ができるのかを考えて臨まれたそうですが、演じる前に考えていたこと、また実際に現場に入ってから考えが変わったことなどはありますか?
現場に入る前は「昭雄はこんな人かな?」「このタイミグで昭雄はこう行動したんだろうな」と色々と考えていたのですが、撮影を進めていくうちに自分の中に昭雄が染み込んできたので、自然に昭雄としてその場に立っていた気がします。
2つの世界を行き来して、もしかしたら最後はどちらの世界でもない3つ目の世界・・・?という捉え方もできるかもしれない。周りの人との関わりかたもその世界によって違ってくるので、撮影が始まってからはあまり深く考えずに直感で演じていました。
― 昭雄のイメージがとても鈴鹿さんの雰囲気に合っていた気がします。ご自身は昭雄と似ていると思うところはありましたか?
そうですか?ありがとうございます。僕自身は昭雄の雰囲気とは違うなと思っていました。昭雄って、けっこうサバサバしていてシャンとしている感じがして。僕はどちらかというとゆっくりしているタイプですし、自分にないものを感じていました。でも、友だちと一緒にいて盛り上がるときの行動とか、その年齢でしか感じないものは、表には出てこないけれど同じようなものがあると思います。
― 小中監督から、キャラクターの具体的な説明や要望などはありましたか?
昭雄は理沙に出会い、理沙の思いを受け取って、自分がどう行動しないといけないかを考えたと思うので、監督から昭雄が起こす行動の理由というものを明白にしておいてほしいと言われました。そのほかは比較的自由に演じさせてもらった気がします。
― 演じる上で鈴鹿さんから出されたアイディアなどはありますか?
感情が出るときは、丁寧な言葉遣いはしないと思ったので、そういうときの言葉やテンポは自由にやらせていただきました。
― 劇中ではたくさん走って、たくさん自転車を漕いでいますね。大丈夫でした?
はい。だいぶやりました(笑)。走るシーンでは坂道を何回も全力ダッシュしなくてはいけなくて、走りながら「お尻がつる!」ということもありました。自転車はカメラとの距離を一定に保ったり、車に近づいていくスピードを考えなければいけなかったので難しかったです。自分は全速力で漕いでいるのに「もう少し早くいけますか?」って言われたりして。ある種、アクションのようなものなので大変でしたが、新しい体験ができました。
― 昭雄の親友・尾崎役の佐藤友祐さんとの共演はいかがでしたか?
佐藤くんとはゲームの趣味が一緒で休憩中もよく話をして盛り上がりました。佐藤くんがとても気さくに話しかけてくださるので、「ここやりづらくない?」とか「こうしたらもうちょっといいのかな・・・」と演技についてもいろいろ話し合いながら進めていきました。佐藤くんと一緒にいるシーンが多く、掛け合いも多かったのでとても頼りになりました。
― 撮影現場の雰囲気は?
現場はとても和気あいあいとして良い雰囲気でした。ヒロインの秋田さんをはじめ同世代の俳優さんが多かったし、大人の方たちともたくさんお喋りできて楽しかったです、歳の近い人たちは趣味の話とか、最近どう過ごしてるとか、何気ない話をしていました。
― 劇中では、並行した世界が出てきますが、もし現実にそんな世界があったら行ってみたいですか?
う~ん・・・、怖くて行きたくないです(笑)。ちょっと自分がどうなっているかわからないし、たぶん俳優はやっていないと思いますが。興味はあるけど・・・、やっぱり怖いですね(笑)。
― それでは最後に、これからご覧になる皆さんに本作の見どころとメッセージをお願いします。
この映画はファンタジーの世界に起こる青春ラブストーリーです。ちょっとあり得ない設定ではありますが、僕らはそれがどこまでリアルに見えるか、嘘に見えないように頑張って演じました。この作品を観て僕は好きな人や大切な人との時間を大切にしようと思いました。観ていただいた方にもそう思っていただけると嬉しいです。難しく考えないで、ぜひ気楽に観て楽しんでいただきたいです。
【鈴鹿央士(すずか おうじ)】
2000年1月11日生まれ。岡山県出身。
2018年4月、芸能事務所に所属。同年秋、「第33回 MEN’S NON-NO 専属モデルオーディション」にてグランプリを獲得。俳優としても活動を始め、『蜜蜂と遠雷』で映画初出演、本作の演技が高い評価を受け、「第43 回日本アカデミー賞 新人俳優賞」「第93回キネマ旬報ベストテン 新人男優賞」「第74回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞」「第41回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞」「第44回報知映画賞 新人賞」など新人賞を数多く受賞。主な映画出演作品に『決算! 忠臣蔵』(19)、『ホリミヤ』(21)などがある。映画『かそけきサンカヨウ』(10月15日)の公開が控えている。
●公式サイト:http://www.web-foster.com/pc/artists/Suzuka/Ouji
●公式Twitter:@ouji_suzuka
●公式Instgram:ouji.suzuka.official
撮影:ナカムラヨシノーブ
映画『星空のむこうの国』
【ストーリー】
高校生の昭雄(鈴鹿央士)は2カ月間、同じ美少女が現れる夢を毎晩見ていた。ある日、現実の昭雄の目の前に、そのひとが突然現れる。
彼女の名前は理沙。理沙はある約束を果たすため、もうひとつの世界線に生きる昭雄のことを、ずっと呼び続けていた。理沙の純粋な想いが、星空の向こうの国から運命の人を呼び寄せたのだ。今宵は33年に一度のシリウス流星群が地球に最接近する日。まっすぐに惹かれ合うふたりは、同じ星空を見て約束を果たすことができるのだろうか―?
鈴鹿央士 秋田汐梨 佐藤友祐(lol -エルオーエル-)
伊原六花 福田愛依 平澤宏々路 高橋真悠 川久保拓司/有森也実
監督:小中和哉/脚本:小林弘利
音楽:木住野佳子
製作:勝股英夫(エイベックス・ピクチャーズ) 石川光久(Production I.G)/
製作:映画「星空のむこうの国」製作委員会
制作プロダクション:FREBARI
配給:エイベックス・ピクチャーズ 宣伝:ガイエ
©2021「星空のむこうの国」製作委員会
公式HP:https://hoshizora-movie.jp/
公式Twitter:@cinemalab_jp
2021年/日本/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/93分
シネ・リーブル池袋他、全国公開中
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