映画『1秒先の彼』のプレミア舞台挨拶が、6月22日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、W主演の岡田将生、清原果耶と、共演の福室莉音、片山友希、しみけん、監督の山下敦弘が登壇した。
台湾映画『1秒先の彼女』を男女逆転させてリメイクした本作は、京都を舞台に何をするにも人より１秒早いハジメと、何でも１秒遅いレイカの“消えた１日”を巡る物語。監督・山下敦弘と脚本・宮藤官九郎が初タッグを組み、郵便局の窓口で働く・ハジメを岡田将生、毎日郵便局にやってくる大学7回生・レイカを清原果耶が演じ、ハジメが想いを寄せる路上ミュージシャン・桜子を福室莉音、ハジメの妹・舞を片山友希、舞の彼氏・ミツルをしみけんが扮し、他にも個性豊かなキャストが顔を揃えた。
岡田演じるハジメが、花火大会のデートを約束するも目覚めると翌日になっていたという出来事から始まる物語にちなみ、会場を観客が持つ光るうちわによって彩り、まるで花火の中を歩いているかのような空間のなか、キャストと監督が登場し、イベントがスタート！
山下監督と16年ぶりにタッグを組んだ岡田は、「山下監督とは（映画デビュー作の）『天然コケッコー』でご一緒させていただいて以来です。この仕事を続けていて良かったなと」としみじみ。「当時は高校生で何もわからなかったので、山下監督にたくさん教えていただきました。そんな監督と、大人になってまた映画を作れたこと、こうして一緒に舞台挨拶に立てて感慨深いですね。とても緊張しています」と再会を喜び、「監督と一からハジメくんというキャラクターを一緒に作れて本当によかったです」を笑顔を見せた。
そんな岡田に目を細める監督も「あの時は僕も29歳だったから。お互い若い頃を知っている人に会うのって照れくさいですよね。二人ともニヤニヤしながら始まりました(笑)。楽しかったですね」と照れ笑い。
山下組初参加となった清原も「終始温かく、優しい、やわらかい現場でした。できあがった作品を観たときも同じようなことを思いました。各々の個性を否定せず、かといって近づきすぎず、今に優しい映画ができたなと思いました」と述懐。
ハジメとレイカを演じたことに、岡田は「ハジメくんは1秒早くて、レイカちゃんが1秒遅いので、タイミングが合わないんです。でもそれをどう合わせていくかというお芝居が楽しくて。息は合ってないのに合ってるような、妙にしっくりくる感覚がありましたね」と振り返る。
清原も「現場に入ったときに、もうハジメくんとレイカちゃんだったので、お互い丁度いい距離感で一緒に作っていくことができて楽しかったです」と共演を喜んだ。
また、MCが「せっかちですか？ のんびり？」と岡田に問いかけると、「せ、せ、せっかちです、せっかち！すみません、せっかちです」と慌てて答え、会場の笑いを誘う場面も。
一方、福室は「本当に現場が楽しくて。ハジメくんとレイカちゃんとのシーンが多かったのですが、私にとってとても新鮮で刺激を受けました。お二人だったからこそ、桜子というキャラクーができたんだと思います」と語り、岡田と清原に感謝する。
劇中でカップルを演じた片山としみけん。片山が「凄く楽しかったです」と笑顔を見せると、しみけんが「とても緊張していたんですが、片山さんが積極的に話しかけてくれて緊張を解いてくれました。そのおかげでカップルとして近付けたのかなと」と語る。
すると、岡田が「夢のような楽しい撮影でした。“家族だ”と思いました（笑）。しみけんさんが真摯にお芝居に取り組んでいる姿に感化されて、僕も純粋な気持ちでお仕事しようと思いました」と言うと、片山も「初めてのリハーサルで、岡田さんと3人で会った時、『しみけんさんが『僕は初めてなのできっとご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします』と、すごく丁寧に挨拶されて。それでいざ撮影に入ると、ちゃんと私の演技を感じ取って合わせてくれるんです。簡単にできることじゃない、さすがだなと思いました』と惚れ惚れ。
二人の言葉に、しみけんは「え？ どうした急に（笑）。褒められ慣れてないので、そうやって言われちゃうと･･･変な話するよ」と照れまくると、すかさず岡田から「ダメダメダメ！それだけはダメです（笑）」と止められていた。
また、本作の脚本を担当した宮藤について話が及ぶと、岡田は「何度か一緒にお仕事させていただいたのですが、やはり格別に脚本が面白いです。今回はリメイクなのでどうやるのかと思ったら、男女逆転して京都を舞台に選んだ。そのエッセンスを加えたアイディアがすごい。その時点で成立していますよね。読んでいて、こうやりたい、ああやりたいと思い浮かぶような脚本でした」と絶賛。
清原は「岡田さんから、宮藤さんの脚本にはト書きが少ないと聞いていて。確かにこの映画のやわらかさや心地よさは、宮藤さんの紡ぐ言葉の端々にちりばめられていたんだろうなと感じました」と、岡田の話に同調しつつ、「私はセリフが少ない役だったので、もっと喋りたかったなって思っていました(笑)」とちょっぴり残念がっていた。
最後に、清原は「私はこの映画を観終わったとき、自分自身であることを肯定してくれる作品なんだろうなと。日常でちょっと行き急いでしまったり、慌てて落ち着かないようなときに、ちょっとゆったりした呼吸を戻して過ごすことができるのではないかと思います」とアピール。岡田は「僕自身、この映画をやらせていただいて、個性というものはとてもいいことで肯定していくべきだと感じました。そして、自分をもっと大切にしよう、自分を愛してあげようというメッセージが根底に隠されている作品だと思いました。心の隙間に温かいものが入っていくような映画にしようと思いながら作りました。ぜひ、この映画を広げていただけたら嬉しいです」と、メッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画『１秒先の彼』
監督：山下敦弘
脚本：宮藤官九郎
岡田将生 清原果耶
福室莉音 片山友希 しみけん 笑福亭笑瓶 松本妃代 伊勢志摩 柊木陽太 加藤柚凪 朝井大智 山内圭哉
羽野晶紀 加藤雅也 荒川良々
製作：『１秒先の彼』製作委員会
制作プロダクション：マッチポイント
製作幹事・配給：ビターズ・エンド
©2023『１秒先の彼』製作委員会
https://bitters.co.jp/ichi-kare/
7月7日（金）TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー
