第28回釜山国際映画祭/第36回東京国際映画祭 正式出品
杉咲 花主演 最新作!
豪華キャスト陣が国内初の舞台挨拶登壇へ!
杉咲花 全身全霊で挑んだ意欲作お披露目に感無量
「引き裂かれるような痛みと同時に、大切な記憶として
何度も再生したいような多幸感にあふれた時間」
杉咲 花主演最新作『市子』が12月8日(金)より全国公開する。
本作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市⼦のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された⼈気の舞台が映画化となりました。本作は、先だって行われた第28回釜山国際映画祭(10月4日-13日)、第36回東京国際映画祭(10月23日-11月1日)にも正式出品され、国内外の評価も高く、期待、注目が集まってきていく。
痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じるのは杉咲 花。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現。これまでも演技力に定評があった杉咲だが、その期待を遥かに超え、鑑賞したマスコミ関係者を圧倒。「女優としての本領発揮」「本作が代表作となるのは間違いない」と言わしめるほど圧巻の演技を披露、芝居を超えて役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。
市子が3年間一緒に暮らしていた恋人の長谷川を演じるのは、若葉竜也。さらには、森永悠希、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり、倉 悠貴、中田青渚、石川瑠華、大浦千佳が名を連ね、彼女の知られざる人物像や過去を第三者の目線からも描き出していく。
<イベントレポート>
抗えない過酷な宿命を背負ったひとりの女性・川辺市子の切なくも壮絶な人生を描いた物語『市子』がついに完成。11月6日(月)に都内映画館で完成披露上映会が実施され、主演の杉咲花、若葉竜也、森永悠希、中村ゆり、そして戸田彬弘監督が出席した。
12月8日(金)の全国公開まで約1か月。満席状態で迎えた完成披露上映会に対し、杉咲は「感慨深いです。今、この景色を目に焼き付けておきたい」と語る。市子と3年間一緒に暮らしていた恋人・長谷川義則役の若葉は「自分の作品の中でも多くの人に届けたいと思える作品」と胸を張った。また、市子の高校の同級生であり、市子の秘密を知る人物・北秀和役の森永は、先に行われた東京国際映画祭での上映後の反応に触れて「SNSでの感想も盛り上がっていて、作品を受け取ってくださっているのを感じられて嬉しい」と笑顔。市子の母親・川辺なつみ役の中村は「すでに映画をご覧になった記者の方から『いまだに『市子』について検索してしまう』という様な言葉をいただいたりして嬉しかったです」と、高評価に喜びを見せた。
謎めいた過去を持つ主人公・市子を演じた杉咲。昨年の真夏に行われた撮影を回想し「味わったことのないような経験をさせていただきました。演じ手としての、こう表現しなければという欲が剥がれ落ちて、目の前で起こっていることに対して反応してしまう時間。グワングワン心が揺さぶられるような時間を過ごせたのは初めての体験。それだけ引力のある作品で、素晴らしい経験をさせていただきました」と新境地を自負していた。一方、朝ドラ『おちょやん』で杉咲と共演していた若葉。「僕は杉咲さんに朝ドラでもプロポーズをしたんですけど…いつも上手くいかないなと思いました。なかなか厳しいですね」と会場を笑いにつつんだ。また、「観客と同じ目線に立って市子を追いかけていき、市子を垣間見ていく。演じる上では形骸的な芝居や鮮度のない芝居ではダメだと思った。全神経を使ってその場所に佇みました」と演じた際の想いを打ち明けた。
自身の戯曲を映像化した戸田監督は、「市子を追いかける映画ではあるけれど、市子=他人を理解することの難しさをテーマにしたところもあります。それを映像として杉咲さんのお芝居をカメラで捉えながら、いかにそのような印象を与えられるかを考えました」と狙いを明かした。さらに、杉咲は「市子を語る方々のシーンを見た時に、こんな風にそれぞれの人に市子が影を残していて、それぞれの市子像があったのかと思ってハッとしました」、若葉は「切なすぎるがゆえに笑ってしまう様なシーンもあって感情をかき乱された。こんなに悲しくて面白いことがあるのかと思わされた」、森永は「市子にはもっといろいろな選択があったのではないかと思った。歯がゆい思いをしながら観ていました」としみじみ。中村は、新人時代にあるプロデューサーから言われた「陽の当たらない人に光を当てた映画を作りたい」という言葉を引き合いに「自分の中にもそのような思いがあるので、完成した作品を観た時に『私もそういう映画に携われた!』と嬉しかった」と喜びを語っていた。
また、撮影が行われたのは昨年の真夏。夏の撮影にこだわったという戸田監督だが「地獄のような夏だった」と振り返り、杉咲も「本当に暑かった」と苦笑い。そんな杉咲は、本物の汗を大切にすると言った若葉の姿を振り返りながら「さすがだなと思って自分も見習いたいと思ってある撮影の時に若葉さんのことを見たら…思い切り氷嚢を当てていて。メッチャ涼んでるじゃん!と思った」と暴露。これに若葉が「体調を崩すくらい暑かった。天秤にかけた時に、健康的に撮影できる方を選びました」と笑いながら告白すると、杉咲は「仰る通りです。大量管理が大事なので」と微笑んでいた。
最後に主演の杉咲は「市子を演じた時間は引き裂かれるような痛みがあったと同時に、自分の中の大切な記憶として何度も再生したいような多幸感にあふれた時間でもありました。どんな環境にいたとしてもその人のことはその人にしかわからない。その上でどれだけ他者と関わっていくことが出来るのか?と突きつけられるような映画だと私は思います。この映画を観て心が揺さぶられるようなことがあれば、それを多くの方々に伝えてほしいです」とさらなる拡がりに期待を込めていた。
映画『市子』
【ストーリー】
川辺市子(杉咲 花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途⽅に暮れる⻑⾕川の元に訪れたのは、市⼦を探しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、⻑⾕川の⽬の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生…と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は部屋の中から一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。
出演:杉咲 花 若葉竜也 森永悠希 倉 悠貴 中田青渚 石川瑠華 大浦千佳 渡辺大知 宇野祥平 中村ゆり
監督:戸田彬弘
原作:戯曲「川辺市子のために」(戸田彬弘)
脚本:上村奈帆 戸田彬弘
音楽:茂野雅道
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023 映画「市子」製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/ichiko-movie/
公式X:@movie_ichiko
12月8日(金)テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開